B-REVIEW作品投稿掲示板


眠気   

蔀 県 
作成日時 2018-11-07
コメント日時 2018-11-08

 

虫がちょろちょろしている 叩きつぶした 今のが映画だったらどうだろう カメラは忙しない虫を捉えている 虫は病院の領収書の上をちょこまか動いている 急に 曇天のような影が よぎったと思うと 衝撃音! 次の瞬間にはいっさいが闇になる 暗いまま ジーッというフィルムの音 …… ここ最近の夜はほんとうに冷えこむ


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ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-07):

すぐれた詩は常にロジック(何かが理に適う、適わないという合意の体系)を超え、その小宇宙内の独自のロジックを提示するものですが、この作品はそのみごとな一例です。むろん、結尾の一行「ここ最近の夜はほんとうに冷えこむ」の意表を突く飛躍のこと。 虫を叩きつぶすというふとした行為から発して、その瞬間への想像が展開する部分の簡潔、正確な叙述も魅力的ですが、想像が「……」で締めくくられ、あまりにも自然に洩らされる末尾の「冷えこみ」という感慨が、実に動かしがたい実感をもって読み手に沁みこんできます。 無駄なものは一切なく、語られていないことも一切ない。小さな詩宇宙ですが、すべてが所を得た、したたかで完璧な小宇宙がここには存在しています。名品です。

蔀 県蔀 県 (2018-11-08):

ishimuratoshiさん コメントありがとうございます。過分な評価をいただけて、恐縮しております。

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オオサカダニケ 10月 選評 大賞のみ   

オオサカダニケ 
作成日時 2018-11-07
コメント日時 2018-11-07

 

三日月に 岩垣弥生様 この詩には「風に馴染んだ旅人の睫毛」というルミナスラインがある。ルミナスライン意外の、技巧、言葉選び、斬新な形式などは、ルミナスラインを思いつけない人間の言い訳だ。この人の他の作品にも一つだけルミナスラインがある。この人を見習いたい。この人から学ぶ。この人を模倣する。みんなも彼女を模倣すればいい。本作の「風に馴染んだ旅人の睫毛」をそのまま模倣してもいいと思う。 創作は模倣から始まる。 シェイクスピアもデビュー後しばらくは模倣していたらしい。なにがなんでも


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stereotype2085 (2018-11-07):

オオサカダニケ様、度々失礼します。運営のステレオです。現状、一作品だけの「選評」はフルキュレーション扱いにならず、このままではオオサカダニケ様の「選評」はワンポイントキュレーション扱いになってしまい、ご指名の作品は「推薦」となります。今一度岩垣弥生様の「三日月に」を大賞候補に推していただくには、フル選評を書いていただき、優良三作推薦四作を目処にあげていただきたく存じます。その旨ご理解のほどを。よろしくお願い致します。

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-07):

わかりました、推薦でいいです

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ドライブ   

ヤエ 
作成日時 2018-11-03
コメント日時 2018-11-07

 

僕は少し元気がないのだけれど 夜の海 ドライブは単調でも 一切はテールランプへ 流れて霞む 僕は一人で高速を跳ばす つめたい瞳と見つめあい 夜の海を見つけた ヘッドライトは どこも照らさず なぜか僕の内側を照らす 単調なドライブ 味付けに 雨 君にも僕にも誰にでも 湿気た匂いに 見覚えがある 乾いた皮のハンドル握り どこに行こうか? 黒い海を抱えて


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まりも (2018-11-06):

つめたい瞳・・・あるいは、それは前を行く車のテールランプなのかもしれません。 夜景を見ると、胸を締め付けられる、と語る人がいました。 誰かが、確かにそこにいる、その切なさに胸がきゅうっとなる、と・・・ 前を行く車の中にも、同じような孤独を抱えて、黙って走っているのかもしれない。その、無言の連帯感というようなものと、私たちを包み込むように広がる暗い海、そして、自分の内面にも、同じように広がる海があることへの内省。 静かな作品ですが、自分と向き合う時間を大切にとらえた作品だと思いました。

岩垣弥生 (2018-11-06):

ひとり夜のドライブをすると、内省的な気分になる。共感できます。 現実の海と心に抱えた黒い海、それが重なりあってゆくところが美しいと思いました。 ドライブには終わりがありますが、内省のドライブは終わりがないのかもしれません。 雨も効果的で良い作品だと思いました。

ヤエヤエ (2018-11-07):

評をくださり、ありがとうございます!とても嬉しかったです。 まりもさん つめたい瞳はテールランプかも…意図していなかったのですが、とても映像的で情緒的ですね。自分の詩であるのに、新しい切り口を頂けありがたいです。 岩垣さん 車内って、外なのに外でないというか、音が聞こえるのに遮断されて籠って聞こえて、内省を促しますよね。私も自分を省みる旅は終りがないんだろうと思います。

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三日目の鳥肌   

左部右人 
作成日時 2018-11-04
コメント日時 2018-11-07

 

髪の毛が、 少なくなったと いわれても、 唇をかむ それだけのことが、 限界でした。 鳥肌が、立ったのです 「 ゆうくんさ 」 なんて呼んでも だれひとり、 心を呼んでは、 いないでしょう 「 くだらない詩ね 」 先生の右腕は、一体どこにいったのですか と、私は聞いたことがあります 「 先生ね、右腕にだけ鳥肌が立ってたの なんどもなんども鳥肌がたってたの、右腕 そしたら不思議よゆうくん、右腕 なくなっちゃったの、わけわかんないね、 ね、ね 」 そういった先生の 左腕に、鳥肌が立った のを、 私は見逃しませんでした。 消えかけてるんだ、 と 毛深い子、 そういわれては 笑われて ナイフをあてた (じょりじょりじょり      うまく 剃れません) 胸のぽつぽつ みんな、笑った (おいおいあいつ      胸の毛を 剃ってるぜ) 鳥肌が、立ちました 太ってるんだから そんな恰好 やめなさい。 あなたにだけは、 似合いません。 「 ありがとうございます 」 およそ何年も経ったある日、 尋ねてみたことが、 あります。 「やっぱ太ってんのかな 」 何度目かのため息をはいて、 「 太ってないって、なんどもいったじゃん ふつうだよ 」 少し悲し気に そういい、ました。 惨めな僕は 「ごめん」 と 唇を噛んで 胸の隅っこ で つぶやいた。 十年経って, 私も大人に なりました。 太ってる気がして、 なりません。 鳥肌が立ちますか あの先生の鳥肌が 恋しく、 なりました。


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ふじりゅう (2018-11-05):

拝見しました。 どことなく、ですが、(私の大好きな詩である)百均氏の作品「屍」を思い出させるような作品でした。 主人公の出生、に対する、世間の冷たい目、を表す作品と感じました。じょり、という擬音が効果的に使われていて脳内に反響します。また鳥肌、という用語も適切なタイミングで差し出される為、詩としてのバランスの良さを感じます。 もう一つ惜しい、と思ったのは、整いすぎている点、でしょうか。バランスがしっかりしているが故に、内容的に主人公の心情を類まれなる圧力を持って伝えるまでには至っていない、そこが惜しいように思いました。とはいえ詩作品としては好きなジャンルであり、楽しく読ませて頂きました。

左部右人左部右人 (2018-11-07):

ふじりゅう 様 「鳥肌という用語が適切なタイミングで差し出されている」、とても嬉しく思います。 確かに「整いすぎてい」ますね。 どうも、最近はストレートな詩作になりがちです。 コメントをありがとうございました。精進します。

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十億年   

rura 
作成日時 2018-11-05
コメント日時 2018-11-07

 

きみを抱きしめるたびに、きみと死別する瞬間を想像するのはわたしの性癖か、きみが空に溺れる、その瞬間が脳裏をちらついて消えないから、きみに会うのはとても嬉しいし、とても哀しい。 あなたは死なないのよ、昔ママにそう言われて、なるほどそうかと頷いた。 人はいつか死ぬのよ、そう言いながら未来を見ている人がいるのを知っていて、本当にばかなんじゃないのかと思っていたあの頃、わたしは自分が死ぬことを信じすぎていた、 きみが死ぬ、その瞬間を想像する権利が保障されることばかりが嬉しいのに、わたしには命がない、だから、わたしの最も美しい瞬間は永遠に訪れないし、わたしはきみが帰って来るのを待つしかない、それが悲しくて、今日はケーキも食べたくない。 昼の酩酊に身を委ねるとき、いつも少しだけ死ぬことができる。きみがうらやましいよ、白日の明かりをカーテンで殺して夜を作る、この中でだけ、わたしはきみと一つになれる、なれるのに、きみはまた、遠くをいくんだ。 わたしはきみになりたかったのかもしれない、草のない砂漠と、美しい星空と柊の傍、きみ、それさえあれば、十億年なんてどうともなかったんだ。 うすら眼でカーテンの隙間から外を見た、月が碧いままの放課後、東の空に最初の夜が滲む。 十億年、きみの帰りを待つ。 11/5


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まりも (2018-11-06):

永遠の生命を望みながら、実際には「幸福な瞬間」が続くことを願うのであって、ただ無為に生き続けることを願うのではない、ということ・・・そして、「幸福」は、失われるものだと自覚しているがゆえに、輝いて見える、かけがえのないものとして認知される、という絶対的な矛盾。 流れるような美しい文章で、時に極端な虚構に振ることで「きみ」への恋慕の切なさ、一時の陶酔への憧憬を歌う。 散文ですが、リアルな室内から心象の風景に瞬時に、しかも、自然に飛ぶなど、コンパクトに凝縮された佳品だと思いました。

ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-07):

悠久の時間性と、存在そのものへの本源的な悲しみを、今、生きているこの日常的な瞬間のリアルな知覚、真情として表現する作者の手腕は見事なものです。世界観、リリシズムの質にも大変共感します。 >それが悲しくて、今日はケーキも食べたくない。 とくにこの一節には唸らされました。単なるセンスの良さではない、人間の真情をこのようなやり方で新鮮に提示できる智慧深さ。詩行はこうでなくては、と思います。 それだけに、第一連の入りがどういうわけか、ひらめきに欠けた、いささか凡庸な理屈語りに聞こえるのは残念でした。書き出しはどんな作品でも難しいものですが、二連以降の見事さからして、この作者であればもっともっと魅力的な導入ができるのでは、と。本当にいい詩なので、かなり悔しい。

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清濁併せ呑む    

stereotype2085 
作成日時 2018-11-05
コメント日時 2018-11-07

 

賭博に興じた男の死んだ話が物笑いの種になり、薄笑いをした仲間の言い草を聞き流して我が晒すは阿呆面。千鳥足で迷い込むのは石の倒れた霊園で。ひと芝居を打って見えたのはケシを吸ったあとの幻覚でござんした。茶一杯分にも満たない値打ちの銭を追って盗人は人を殺しやして。いつ終わるとも知れぬ茶番は「一生」とかいう名前がついてありがたがられて御座候。橋の下で乞食は唾を吐いて、己が人生を悔いても悔やみきれず。そいつと一悶着のあった優男はキセルを吹かして、やけに眩しく映りござんした。 我はと言えば悪鬼を騙し騙して  三途の川を渡って見晴らし良し   世渡り上手の体で散々立ち回り    嘘をついては閻魔をごまかして   舌切り免れ指笛を吹いて御座候  文句がありて不平不満ござれば 極楽浄土のあちらへどうぞ「>」 常世に戻れば番傘さした、なが髪のおなごが微笑を浮かべて、憂さを晴らして与太話。貴族と貧民、杯を交わすと相成ったはいいが、恨みを残すは世の常か。片膝に腕をつく老猿様。どうかボロを着た物乞いに一度だけでもひれ伏してみやしませんか。清貧を極めたあげくが貧しさに溺れて飲んだくれ、群れさえしない狼が、老いさらばえてくたばりかけて、それでも突き出た目玉で世情を見おろし。 生きているんです。 生きているんですよ。 清濁併せ呑み。


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ふじりゅう (2018-11-05):

拝見しました。これは面白い。 まず江戸っぽい雰囲気がプンプンしますが、それが明確に示された訳では無いのにそうだと確信させる、まずそこが素晴らしいですね。 それは口調が主な要因ですが、その独特な表現が臭くなく自然に溶け込んでいる。これは詩に慣れていないと塩梅が難しいと思います。この点も良い。 最も良いと思った点は、「清濁併せ」「呑み」ののみ、の部分ですね。私の感覚だと清濁併せ、持ち、と内面を表す表現に感じますが、本作では「呑み」。つまり内包されているのではなく外部の清濁を表している、この点が面白いと思いました。

stereotype2085 (2018-11-05):

ふじりゅうさん、コメントありがとうございます! 江戸っぽい雰囲気は口調のせい。確かにその通りかもしれません。ただそれを単なるべらんめぇ口調などにはせず、流れるように流麗に描き切れたのは我ながら良かったな、と思っています。この詩はある女子校生がツイッターで僕になぜか悪態をついて去っていたところから書くきっかけが生じています。その子曰く「けいせいさん(ステレオのツイッターアカウント名)は他にも見苦しいところが多々ありますが…」らしく。そこでその子が僕へ向けてそう感じた理由を近々の呟きやキャスを振り返ってみて考えたのです。結果見えてきたのは「あぁ。僕は清濁併せ呑んでるなぁ」という理由の一つでした。その子の年令なら濁り水など無視して生きればいいかもしれませんが、僕くらいの年になると、また僕の生来の性格から見ても「濁り」も「清」も併せ呑まなければやっていけない、生きてられないということがありまして。それでタイトルと、ラストの「生きているんです」以降がまず最初に出来上がったというわけです。また清濁併せ呑む、で清濁を外部に求めているとのご指摘ですが、内部にも外部にも僕にとっては清濁は存在します。それらをまとめ含めて併せ呑む、ということですね。何れにせよ大変気に入っていただけたようで良かったです。閲覧及びコメありがとうございました。

仲程仲程 (2018-11-05):

読み物としてとても魅力的です。 すっかり忘れてたひとつの話というか世界を思い出しました。 宮本常一が「日本残酷物語第1巻」によせているもので、土佐の橋の下に住んでいた盲目の物ごいの話の聞き取り。もちろん本作と関係ないことですが、何か、共通するエネルギーを感じます。清濁併せ呑むから、内に清濁併せ持つのか、もともと併せ持ってるのかとか、自身に問いたくなります。

みうら (2018-11-06):

侍のプライドが表現されてる良い作品だと思います。一読目にやられたと思った。というのも、2年前に詩を書き始めたばかりの頃、誰彼かまわず、自分が書いた詩を読んでもらって教えを乞うた時期に、ある方に読んでもらおうと書いた詩が江戸時代風味な作品だったのです。これは一体なんだと、手厳しいアドバイスを受けた記憶があって、本作を読んだ当初、あの時に書きたかったイメージを思い出しました。すみません、本作の話に戻します。老いさらばえた侍(すみません、勝手に私は侍だと想像していますが、町人かもしれません)が生きるためには嘘を使う。しかしそこには覚悟がある。閻魔さえ怖れず、群れない狼の覚悟。生き様とはそういうものではないかと問う。清濁合わせ呑みとは詭弁と開き直りにある人にはきこえるかもしれないけれど、最強の魅力が滲む言葉だと思う。エレカシのドピッシャー男をBGMにして読ませていただきました。 https://youtu.be/Yi6OiklWiN0

帆場蔵人 (2018-11-06):

着流しの素浪人(違うかもしれませんが)が頭に浮かんできて、その齢を重ねたからこそ出てくる空気や生き様が気持ちよく読めました。

stereotype2085 (2018-11-07):

仲程さん、コメントありがとうございます! 読み物としてとても魅力的とのこと。嬉しいです。土佐の橋の下に住んでいた盲目の物乞い。いいですよね。その「日本残酷物語」における物乞いの描写、扱いはどのようなものか存じ上げませんが、社会的弱者への日本古来の目線って時折凄く格好いいんですよね。柳の下で鈴を鳴らして物乞いをする盲目の詩人、とか聾唖の剣士とか。日本人は何か身体的欠損を持つ人に特殊な感性、能力があると見る傾向があるような気がします。それとも世界的に見てもそうなのか。この辺りあえて健常者と障がい者という言葉を使いますが、障がい者には健常者には見えない世界が見えていると考える風潮があるし、また実際そうなのかもしれませんね。清濁を取り込み併せ持つのか、元々内在しているのか。本当に興味深いテーマですよね。僕の場合は多分両方だと思います。人間は悪も善も区別がつかない状態で生まれてくると思っているので。また強烈なエネルギーを感じ取っていただけたようで、歓喜です! 閲覧及びコメントありがとうございました。

stereotype2085 (2018-11-07):

三浦さん、コメントありがとうございます! 侍のプライドが表現されている作品。そう言っていただいて嬉しいです。僕としては三浦さんの言葉を借りれば、町人、もしくは名もなき市井の人々の一人(しかも何か一芸を持つ)というニュアンスで書いたのですが、侍が持つほどの矜持を感じていただけたのなら幸いです。いいですよね。侍。それこそ時に嘘も使わなくてはならず、閻魔をも欺く。相応の覚悟を必要とし、死も死後の世界も恐れぬ気概を持たなければならない。まさしく生き様とはそういうものかもしれません。清濁併せ呑むは最強の魅力が滲む言葉。ありがとうございます。エレカシのドピッシャー男。宮本浩二さんの掠れた声が胸を突く。閲覧及びコメントありがとうございました。

stereotype2085 (2018-11-07):

帆場さん、コメントありがとうございます! 着流しの素浪人ですか。着流し。僕の好きなファクターです。素浪人。まさにどこにも属さない気概を感じる作品かもしれませんね。それこそ僕も齢を結構重ねたので、このような心境を持つに至りました。この詩を自分自身読んでいると落ち着くんですよ。大きな自己肯定感がある。自分の現状を認め、過大評価も過小評価もしないフラットな姿勢で読める。それでいてみなさんに侍とか着流しの素浪人とか中々に恰好のいいイメージを抱いていただいて嬉しい限りです。この詩にはこうなりたいとか、こう見られたいとかいう願望がほとんどというか一切ない。僕の等身大の姿なんです。そんな詩を描き切れて尚且つ負担にもならない。僕自身この詩には大変満足しています。閲覧及びコメントありがとうございました。

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十月のるるりら選   

るるりら 
作成日時 2018-11-05
コメント日時 2018-11-07

 

わたしは、ひとつの作品には ひとつの命があると考えます。命だというならば、優劣なんて あるはずはない。それなのに、賞の候補をあげるのは無謀です。しかし、それでも選ぼうとしたとき、本気で読まざるを得なくなりました。今回の選択も 私にとっては とてもためになる作業でした。 さて、選考をしておられる みなさんは、どうやって作品を選出しておられますか?私の場合を、書いてみます。このサイトでは おひとりが二作まで投稿可です。できることなら なるべく大勢の方を選んでさしあげたい。そこで、まず 私はがしたのは 二作を投稿しておられる方の作品のうち どちらが良かったかを選びました。 つぎに、役半分の数になった作品群を春夏秋冬に分類しました。 春の萌え出ずるかのような思いだなと感じたら春。夏のような激情であると思えたら夏。秋の実りのような芳醇さだと秋。そして冬の継承という具合に分類しました。そして、四季のそれぞれを感じさせる詩の中から、るるりらの好みだったものを ピックアップさせていただきました。 どの作品が春でどの作品が夏であるというような具体的な分類については、秘密です。るるりらが春夏秋冬分類という謎の分類を行ったので、あいらしい ふたばちゃんのような詩が選ばれている傍らで、まるで人生最期の渾身の名作かもしれない作品が選ばれていないかもしれません。  でもまあ、そこは ご愛敬。正直、ほんとうのほんとうに良い作品かどうかは、何か月も何年も時間が経ってみないことには分からないです。 実際の話ですが、以前の選考で まるで触れてない作品の中にも、今の私の心を ゆさぶり続けている作品もあります。今回の選にしても、私自身が なぜ あの作品を入れなかったのだ!と思いそうな作品もあります。  ですが、とにもかくにも 選ぼうとしました。そのために、なんども読み返しました。よみかえすことで初読ではきがつかないことにも出会って、楽しかったです。みなさま 読ませていただいて、ありがとうございました。 【★★★大賞 雑談と「ままならぬ恋の詩」蛾兆ボルカ】https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2475 ほかのだれでもないひとりのひとを思う うつくしさは比類なんて なくて当然で賞。 詩作品にレスポンスをさしあげたので、作品評は 簡素にさせていただきます。ぺこり。 【★★優良 三作】 ★街の潮目 仲程 https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2371 東京に暮らしていたことのある私にはたまらなかったで賞。じつは、もうひとつの作品も かなり好きだったで 仲程さんの二作品のうちどちらかを選ぶ時点で、とても悩ましかったです。優良に選ばないと私の労力が報われないので優良にさせていただきましたで賞。全体的に漂う水の匂いに心がもっていかれて、さまざまな場所を旅しつつ同じところにいるかのような不思議な思いする 贅沢なオムニバス作品でした。 ★仲直りの嵐 カオティクルConverge!!貴音   https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2412 ことばのひとつひとつが息をしている踊っている情動が動いている生きている。そう感じた作品で、拝読させていただいている私も感情の躍動を感じたで賞。 ★テレビジョン ゼンメツ https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2530 現実にあふれている事象をじっと見つめているのはをテレビなのかテレビ画面を前にして座っているなのか。いずれにせよ、テレビの前に居るうちは、 なにかをじっと待っているだけの状態かもしれません。この詩はまるで 弓のようです。ぎりぎりまで現実が満ちているが、うちにみなぎるパワーが放たれる瞬間は、詩文中にいる人々ではなく、いち読書でしかない わたくし るるりら自身の心の中である。と、感じました。 【●推薦四作品】 ●梨 シ可  https://www.breview.org/keijiban/?id=2393 感じたことを感じたままに表現するということが、詩の生命のありかたの 大切な ひとつだと きずかせてくれたで賞。 ●はじまりとおわり  Yuu  https://www.breview.org/keijiban/?id=2510 正直であること以上に うつくしいことはないで賞。 ●午睡の刻 帆場蔵人  https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2416 おとなのための子守歌。つかれた心をいとけない子のように やわらかにしてくれる詩で賞。個人的には、「枯れた花も輝いて」という視座が好きでした。つい乾燥花を買い足して、しばし 花と戯れてしまいました。 ●サルビア 5or6(ゴロちゃん。)https://www.breview.org/keijiban/?id=2391 むかし 母源病という造語が もてはやされたことがありました。子の障害の責任が親にあるという書物でしたが、そのような書物がなくとも 親は 子の困難を親のせいだと苦しみます。わがことのこと以上にわが子を想う切なさに 思いを寄せさせていただきました。


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るるりら (2018-11-05):

誤字がございました。 テレビジョンの評の欄です。 ×パワーが放たれる瞬間は、詩文中にいる人々ではなく、【いち読書】でしかない わたくし るるりら自身の心の中である。と、感じました。 〇いち【読者】でしかない わたくし るるりら自身の心の中である。と、感じました。

仲程仲程 (2018-11-06):

優良、おとりあげいただき、ありがとうございます。 悩んでいただき、ありがとうございます。 私は、全ての作品を読むことが出来ずに失礼しております。

渡辺八畳@祝儀敷 (2018-11-06):

すいません、次回からでいいので選評には題名に「選評」と入れてもらえますか。「選」だけだと見落とす可能性があり、(Ctrl+fの検索で「選評」と入れてしまったら引っかからない)アーカイブ編集のときにトラブルが起きかねないので。詳しくはガイドラインをご参照ください。よろしくお願いします。

ゼンメツゼンメツ (2018-11-06):

素敵な批評だけでなく、優良にまで挙げていただきまして本当に本当にありがとうございました!

帆場蔵人 (2018-11-07):

推薦していただいた以上に選ばれる過程の妙味に楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

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よしっ   

るるりら 
作成日時 2018-11-01
コメント日時 2018-11-06

 

走れ!


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じゅう (2018-11-01):

  ≡┏[拝読しました。]┛    ≡   ┛ ┃

stereotype2085 (2018-11-01):

凄い覚悟、決意の詩。「よしっ」というタイトルで「走れ!」だけ。さぁいよいよ新しい人生を始めるぞ、という意気込みを感じる。清々しい。今度は「よしっ」から「走れ!」に至るまでの詳細を描いた「よしっ!パート2」を読んでみたいです。

みうら (2018-11-01):

うまいとしかいいようがない。ある程度の覚悟と潔さがなければ発することができない作品だと思う。そこからるるりらさんらしさが顔を出していていい。表現されている。

ヤエヤエ (2018-11-01):

勢いがいい。とても潔いですね。躍動感はこんなふうにも表せるんですね。走りたいです!

黒髪 (2018-11-01):

「よしっ」ていうのは、自分の心持に対する評価、あるいは、自分のするべきことが分かった、 やってみることをやってみたい気持ちができた、という意味でしょう。 そして、「走れ!」とは、自分が自分に対してする命令です。つまり、やるべきことを知ったとき、 あるいは何でもいいからぜひやってみよう、と思ったとき、命令しようとすることとそれを快く 受け取る感覚、じぶんサイクルを、作り出した。読んでいる僕も、励まされる詩でした。

ふじみやこふじみやこ (2018-11-01):

面白く気持ちよさがありました!

らくがき烏らくがき烏 (2018-11-01):

思わず走り出したくなるほど潔い作品ですね。 圧倒されました!!

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-01):

かなしい

渡辺八畳@祝儀敷 (2018-11-02):

ビーレビが画像投稿とかができて、タイポグラフィに凝った作品を出せる場だったらこの題にこの本文でも魅せることもできただろう。 完全に意味伝達としての役割しか持たない掲示板上での文字を使ってこれをやってもなぁ、衝撃はほとんどない。結局この詩に内容としての面白さは無くて、この場にこういったもの出しちゃうんだっていう大喜利。初見でおぉ〜ってなれなかったらもうアウト。ただただ文字を打ち込むのでなく、貪欲に衝撃を獲得していく工夫がほしかった。 たとえば「走」を  ╋     ━╋━  ┣ /┻━ みたいな感じでAAでやったりしてたらまだ違ったかもしれない。

Mar-toMar-to (2018-11-02):

『よしっ』という「何かの準備が整った様子」を表す掛け声で読み手を引きつけた瞬間、『走れ!』の一言。おっ、なんだろうな、ぐらいの軽い気持ちで読むとかなりハッとさせられる力があると思う。何がというわけではなくそれは各々が心の内に持っている迷いだとか悩みを勝手に重ねているだけなのだけど、それをたったこの文字数で思わせるのは、感動さえ覚える。

蛾兆ボルカ蛾兆ボルカ (2018-11-02):

これ、問題作だなあ。 難解と言っても過言でないかも。 詩は、謙虚な文芸だと思う。 言いたいことは誰にでも、いつだってたくさんある。 その中で、心に偽りとなるものを捨て、妥協したものを捨て、飾りを捨て、お涙頂戴や物語への依存や説明を捨て、言葉少なく、詩的ビジョンの正面に立つ。 その鮮烈さにより説明ではないものを語る。 なんてことを私は時々考えてますが、この詩は! とにかく気持ち良いですね。 あと、るるりらさんの独特な柔軟さ、伸びの良さがある。 たぶん相当良い作品なのでは。

ロ三 (2018-11-02):

タイトルと本文の関係性が面白いと感じました。「よしっ走れ!」ではなくて「よしっ(走れ!)」で 「よしっ」の中に「走れ!」が入っていると感じました。勉強になりました。

蔀 県蔀 県 (2018-11-04):

潔くて気持いいです。のびのびしている。「[題名:よしっ][本文:走れ!]」の関係性について考えてみるのもおもしろい気がしますが、この詩においては、二つの言葉の印象をまるごと受け取って、爽快な気分を味わうのが醍醐味ではないかと思いました。

湯煙湯煙 (2018-11-04):

題と本文とを入れ換えると、また面白い。よしっ!から走れまでの間隔も気になる作品でした。

ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-05):

顔を真っ赤にして走っているるる姐の姿が脳裏にまざまざと浮かぶww きっと今も走っているのでしょう。 天才ならではの閃き、気合一発の賭け。成功しているかどうかは何ともいえまへんが、この作者らしいといえばらしい。

るるりら (2018-11-06):

●ゅう様 速攻、ダッシュしていただいて ありがとうございますっ。 ●stereotype2085 様 わお、宿題を頂戴いたしましたあ。今度は「よしっ」から「走れ!」に至るまでの詳細を描いた「よしっ!パート2」ですか? うぅむ。たとえば運動会の徒競走ピストルのよーいと、「ドン」に至るまでの詳細の場合は、宇宙のビックバンを表現するのに匹敵するかもしれません。(自分で課題のハードルをあげてみました。あは。どーしょ。書くべきか書かざるべきか それが問題だ。) ●ヤエ様 この詩は、なにやら降りてきたのですよ。朝、夢の中で だれかに このように言われたのです。中学生の頃にも夢で「走れ」と言われたことがありました。意味もなく早朝ジョギングを始めたことがありました。そして、そういえば初恋もしたかも。うおーーー。そうだ。はしりましょー。  ●黒髪様 ありがとうございます。自分に対して発する命令には、従える私でありたいです。 自分に対して発する命令に従えるうちは、他人に従うときも 自己に責任が持てるに違いないです。じぶんサイクルは、よくわかりません。でも あれ?わたしは じぶんサイクルを分かっているのかも、だって走ったとしても 絶対いつかは 自然に止まちゃいます。あらま 私は、じぶんサイクルって 分かっているのでした。まあとにかく 走ってみます。レスをありがとうございました。 ●らくがき烏様 らくがき鳥様のハンドルって、わたしからみたら 走っている感じがします。 すいすい走るかのように走るかのように詩世界を描いてみてくださいませ。たのしみです。ぺこり。   ●オオサカダニケ様 「かなしい」を、頂戴いたしました。かなしい……は、すぐれた芸術と同じで、ふかいです。ふかすぎて 私には、よくわからない感慨です。でも、とても好きな日本語です。ありがとうございます。 ●渡辺八畳@祝儀敷様 魅せるためのアドバイスありがとうございます。けれど、私のベクトルは そっちではないのです。魅せようという気は、ありませんでした。面白さも私は追及してなかったです。  わたしがやりたかったのは、シンプルに記す。て、いうのを やりたかった。 だから、短い詩である必要がありました。字をデコレイトしちやうと ダメなのでした。 そういえば、草野新平の「冬眠」という作品の詩文は、「●」だけだとか。さすがだと 感じます。短くて良いです。 ●Mar-to様 まあなんと、感動とのお言葉。うわあ 嬉しいです。小躍りします。そして、がんぱってまた走れそうです。ありがとうございました。きゃ嬉しい。どうしょ。どきどき。 ●蛾兆ボルカ様 おもいがけず素敵な詩論が うかがえて幸せです。書いておられることと対極にあるとしか思えない詩編が この世の中には たくさんあるのですが、でも ちょっと 紙に書き写したくなるほどの詩論だと思いました。  わたしのこの詩の場合は、なんだか 気持ちよかったようですね。よかったです。ハッピー。 ●ロ三様 「よしっ」の中に「走れ!」が入っている。をお、そういえば そうですね。 努力の努力は おんながまたに力をいれて さらに力をいれて出産するが如く、努力できるなにかを 孕んでいる者を示すと、むかし卒業式で校長先生がおっしゃったんですが……。 走ることのできる者は、「よしっ」という言葉の中に 「走れ!」が すでに入っていることを感じているのかもしれません。(なんちゃって) ●蔀 県様 みなさん色々なレスをしてくださっていて嬉しいです。しかし、みじかい詩ですしね。こんなにレスがいただけるとは、あんまし おもってなかったです。まるごと すっと、読めちゃうはずですよね。爽快な気分を感じていだたけたのですね。ありがとうございます。 ●湯煙様 題「走れ!」詩文「よしっ」ですか? 走っている状況を 褒められた感じが 個人的には、します。 もしくは、わたしの詩と まったく同じ意味にもとれるし、うぅぅむ。 ●ishimuratoshi58様 石村さんだあ。(嬉)     ようこそ、ビーレビへ。 えーと、ハンドルが いしむら年58ですか?なぬ?石村さんは、もしかして年齢が58でらっしゃるのですか?いつも るる姐といってくださっていて嬉しいと思う反面、実は 気になっていたのです。石村さんて年下なのかしら?って。もし58歳でらっしゃるなら、わたしは年下ですよお。でも、呼び名なんて なんでも良いです。姐さんて、なんか芸人さんみたいで笑えます。それに、小学校の時のあだ名が「おばちゃん」でしたし、私の おばちゃん歴は実際にも相当ながいです。といいつつ顔が真っ赤になってるのは たしかです。だって、天才って。うわあ 顔が熱くなります。ありがとうございます。

ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-06):

るる姐御、 このハンドルは、ユーザーネームそのままなんです。別にHNを登録できなくて。やり方わかんなくてww これは単にメールアドレスの前半です。グーグルが付けてくれた名前です。 私は58歳ではありませんが50代です。姐御というのは、何となくそう呼びたい方なのです、私の中でww 内輪雑談にスレを占拠しまして失礼しまっしたぁ~ほなまた。

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無題   

扇子 
作成日時 2018-11-05
コメント日時 2018-11-06

 

死 が 詩 と 産卵する 生きとし逝ける物が 新たに顔を見せる風景画 それは圧倒的な速さで 私の目の前を通過した 奇跡を祈ることは 神への冒涜であるように 私達は平然と罪を背負い 街中を歩く 滑稽なまでの信条 麗しい冷徹 全くもって素晴らしくない世界で 私は息をするのすら苦しくなる 酸素が欲しいと 足掻き 泣き喚き ところで今日は稲の収穫日 みなさん手を取りあって今日も生きましょう 崩れた岸壁で落ちてしまわないように 正しく手を取り合いましょう 死んだものがいるなら それはこちらも死んだ気持ちで生きなければなりません 新しい人生! 新たな幸福! 全く馬鹿馬鹿しいものしかありゃしません


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stereotype2085 (2018-11-05):

いいですね。静謐な世界観と俗的なものの見方が同居している。「ところで今日は稲の収穫日」から大きく舵を取ると見せかけて、最後まで貫き通すアイロニー。最終節の「全く馬鹿馬鹿しいものしかありゃしません」がすんなり入ってきました。読後感も爽快です。

仁川路朱鳥仁川路朱鳥 (2018-11-05):

生きるということへの苦しさと、生きることの滑稽さと、苦しさへの嘲笑いの混ざったものを如実に表現していると思います。「生きとし逝ける物が」の、一つの違いだけで両極を表せるのには感心しました。とても好みです。

扇子 (2018-11-06):

皆さまありがとうこざいます。言葉には出来ない言葉があって右往左往しながら捻りだしている詩です。感想を貰えてとても励みになります

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移動する発疹   

じゅう 
作成日時 2018-11-04
コメント日時 2018-11-06

 

 私の友人は、ついこの間、歩道に乗り上げた軽自動車に轢き殺されました。あまりに突然のことでした。  その運転手いわく、「信号無視してきたトラックを避けようとして轢いてしまった・不慮の事故」らしいのです。  信号無視をしたトラックの運転手は言いました、「長年の間、会社の無理なノルマがあった・それが最近はさらに加速していた・連日の不眠不休でついに起こしてしまった・不慮の事故」だとか。  さらに運送会社は言いました、「契約しているネット通販サイトからの要請が多すぎた・最近はコスト高の──── ────って、もういいでしょう?  『悪いのは誰なのか?』追及するほど、あの子との思い出が悪魔に食べられて、思い出を消化して出来た排泄物であの子の魂は汚されていく。  責任が無限に分散していく。「あの子の未来が突然奪われた」という事実だけを置き去りにして。  哀しみが無限に分散していく。悼む人に、移動する発疹を遺して。


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みうら (2018-11-04):

二次情報、三次情報から感受して出される情緒の表現は難しいと思った。何が難しいかというと、物事は視点を変えれば視点の数だけ、物事から受ける情報には差異がある。二次情報、三次情報にも異なる視点と情報がある。差異がある情報が溢れていることは健全だといえる。逆に情報が単眼視なもの。その悪癖は、思い込みと洗脳性を孕んだ良識が害悪となるケース。それを補助し更に加速される要因に情緒がある。詩文とは情緒から創作されることが多分にあって、先に述べたケースを含有する作品になりやすい表現方法だと私は思っていて、本作はそのケースになるかならないかの際どいところにある内容だと思う。私は本作を一次情報について書かれた作品だと受けているので、メタとしてある良識が害悪になっているとは思っていない。もう一点コメントしたい。二次情報、三次情報へ示した情緒、「哀しみが無限に分散していく。」の語りが気になった。個人的なことではあるが私は二次三次の情報に対しては冷徹さのフィルターを心がけていて、情報が拡散し紋切型になってゆくのは、情緒が要因として多分にあると考えている。つまり、人の情緒が利用されてしまうこと。当事者にある哀しみが利用されること。先の一節はそれを意図されていると読んだが、やや感傷過ぎて、口説過ぎる感もある。長くなってしまったが、本作が着目し、書かれたテーマは面白い。今後、虚構の展開を更に巧みに書き込まれるとよいのではなかろうか。

stereotype2085 (2018-11-04):

三浦さんの中々に素晴らしい論評に便乗して、しかし賛辞を。確かにこの作品においては二次情報、三次情報の扱い方が単線的でこの詩の「目的」のために利用されている印象がする。三浦氏の指摘する通り、プライベートで生きていく上においては、二次、三次情報は「冷徹さ」や「看過」といったフィルターを通して見る姿勢が必要になってくると思う。だがこの作品の狙いは別にあり、注目すべきは、むしろ二次情報、三次情報を単眼的にしか見られないほど、話者が人生に、暮らしに、世界に倦んでいるという点である。だから「哀しみが無限に分散していく。」は亡くなった友人にではなく、もちろん轢いてしまった運転手にでもなく、ましてやトラックの運転手にでもない、世界の諸々の事象に倦んだ自分自身の引き裂かれる「気持ち」に向けられたと個人的には解釈した。そう読み解くとこの詩は世界や社会へ向けた、ちょっとした倦怠、気怠さ、物憂い気持ちを描き切っていてなかなかの良作なのではないかと思う。読み違えは大いにあるかもしれないが、自作である「地球にさよならを」に通じるものも感じてすんなりと読めました。

じゅう (2018-11-06):

みうら さま 本当に詳しく、素晴らしい論評をありがとうございます。今回の詩に限らず、拙作「Happy Colors」でもそうだったのですが、私は虚構の展開を書こうとすると冗長になったりくどくなったりしがちです。今回も、本来は四次情報くらいまで書こうかと思っていたのを、カットしてみました。「哀しみが無限に~」の節は、二次情報・三次情報と、感情を向ける情報の密度が減っていくことで、心の中に生きる「あの子」の魂の純度のようなものが喪われていくことを描きたかったのです。もちろん、現代社会において、手に入れられる情報は多い方が良いのですが、その中に埋もれていってしまうものがあるのではないかということが書きたかったのです、と弁明をしておきます、、、。それを表せる技術力が圧倒的に不足しておりました。精進します。 stereotype2085 さま 精読と、鋭いコメント、ありがとうございます。確かに、現代社会では情報の利用において、冷徹な眼をもって取捨選択を行うことが必要不可欠であります。しかし、その中に捨ててはいけないもの、純粋性が混ざっていくことがあるのではないかと思います。stereotype2085さんの言葉を借りれば、そこに今を生きる者たちの「世界や社会へ向けた、ちょっとした倦怠、気怠さ、物憂い気持ち」があると思います。

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