黒曜石の破裂した火口
光の穴だらけになった空、壁紙の顔をした空
褐色握りつぶして氷晶の澱が
ひねた六芒星から息を吐く海洋を昇る
緑生に、瞬きの緑生と
流れる緑生に、瞬きの緑生と
磔の理想を正三角形から掘り出して
能動的な鎖骨、鏡面仕上げの木星
南の雲を引き、回して、枝分かれ (君に頼みたかったことがある)
五つ広がって手のひらが一つ遅れ (君に産んでもらいたかった、な)
摺り寄せて、にじり寄っていたら (私に頼っていたことがある)
口の端、溝を流れてあごの先へと (私に産んでもらいたかった、な)
吸いつくしこぼれて飢えて輝いた (手足がまっすぐ伸びた胎児)
鳴いていてね、真っ赤な羽、裏は (両目が開いたままの胎児)
緑色の羽、解く前の核融合(ノックバック)
喉奥から銀河が溢れてくる(寒さの擦り傷に震えた)
君に産んでもらいたかった、な
セロテープが運んだはこぶね
白けた石と芝生
スパークル、置時計のアメーバに
膨れ上がった骨髄の音
正座して待った後
濃厚な霧、白い
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作成日時 2023-04-09
コメント日時 2023-04-11
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 908.7
お気に入り数: 3
投票数 : 1
ポイント数 : 0
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
項目 | 全期間(2023/06/02現在) | 投稿後10日間 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:908.7
2023/06/02 04時48分03秒現在
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はじめまして。 このような詩を抽象詩というのでしょうか。 意味をつかむのがなかなか難しいです。 火口、産んでもらいたかった、胎児、真っ赤な羽、はこぶね、等の言葉を観ると、誕生あるいは生まれ変わりがイメージされます。 また、光の穴だらけになった空、六芒星、鏡面仕上げの木星、核融合、銀河、等の言葉からは宇宙あるいは天体をイメージします。 そしてこれら二つのイメージを繋ぐ言葉が、「緑生」であるような気がします。 調べてみましたら、これは六占星術の運命周期の一つで、種子が芽や根を出して成長し始めるような時期のことだそうですね。 ですからこれは、緑生を軸に二つのイメージが混淆し、更にそこに不定形な時という要素(置時計のアメーバ)が加味されて生まれた詩であるような印象を受けました。 あくまで私個人の解釈なので、表現されたかったこととだいぶ違うかもしれません。 やはり抽象詩は難しいです。
0はじめまして、コメントありがとうございます。 『抽象詩』に対する『非抽象詩』を想定できないと、どちらも想定しづらいと思います。
0スケールの大きな景が縮んだり膨れたり、タイトル「猛犬」とどのような関係にあるのだろうなど、硬質な難解さがたたみかけてきますね。 「誕生」という言葉から探っていくと、犬は戌の日のお参りなど多産で安産の象徴なので遠からず。 生まれた時のことを覚えている人って結構居るようですが、 >濃厚な霧、白い 白衣の先生が見えたのかな、違いますね。 >黒曜石の破裂した火口 >光の穴だらけになった空、壁紙の顔をした空 この2行が特にいいなと思いました。
0自分の力量では何一つ読み解けませんし、これは下手な読み解きも要らず、ほおとでも感嘆し鑑賞するためのものだと思いました。タイトルになる猛犬が、どこにも見当たらないので、多分これそのものが猛犬なのかなと、読み解こうとすると噛みつかれたりされるのではないかと危惧しなくては成らないような…。先ずタイトルから奔ったのかなと勘ぐっています。
0コメントありがとうございます。 白衣の先生が見えたのか「白衣の先生」が見えたのかで色々変わりそうですね。
0コメントありがとうございます。 屏風の虎の怖さは限界があるように思います。
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