B-REVIEW作品投稿掲示板


愛と名づける   

桐ヶ谷忍 
作成日時 2018-12-10
コメント日時 1 時間前

 

言葉にしてしまえば 愛している 結局はそれしかない あなたというひとを 私がどれだけ憎み、妬ましく、哀れみ、許せないか 大切に、誠実に、守り、毛一筋も傷つけたくないか あなたは知らないだろう どれだけ求め、そして同じくらい突き放したい衝動 矛盾だらけのこの こころで 愛していると 他に当てはまる言語が存在しないことが歯がゆく 結局 うつくしいものだけをかき集めたような一言 「愛している」 そんなものではない うつくしい想いと同等に醜さが確かにあるのだ あなたはそんな私のこころを知らず 信頼しきった顔で無防備に隣で寝ている そのすこやかな寝息を永遠に壊したくないのに 次の瞬間にはもう 首に両手を這わせ締め上げたくなる 儚く、したたかなこのこころは何だ 誰か名づけてほしい 愛している 確かに愛してはいるのだ だがそこに潜む醜さをも包含した時 それでもやはり ひとは それもまた愛だというのだろうか 最近効かなくなりつある睡眠薬を飲み干し あなたのまぶたに唇でそっと触れる 知らなくていい あなたは私が差し出した半分のこころだけを信じて 残りの半分は知らなくていい 脅かしたくない 独裁者のように振舞いたい どこまでも矛盾するこころで 愛している あなたの耳元に聞こえない程のちいさな声で つぶやいた


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stereotype2085 (2018-12-10):

愛憎。可愛さ余って憎さ百倍という所でしょうか。もっと深読みすればいい所があるのでしょうが、残念ながらこの詩に新規性を余り見い出せなかった。いつか誰かが書いたような詩。桐ヶ谷さんでなくても恐らく書ける、ひょっとして既に誰かが書いたかもしれない詩。そんな印象を持ちました。僕が桐ヶ谷さんに期待しているのは…!(長くなりそうなので略)

つきみ (2018-12-10):

矛盾するというのは可笑しいですが、感情や想いは複雑ですよね。二人で共有する事で、得られるモノは人を豊かにします。私はそう思うので。愛に含まれた天然物質の答えを探すかどうかは別として、人間として作品を読み手に読んで欲しい我儘な私がいます。

かるべまさひろ (2018-12-10):

暴力と衝動と守りたい…など、とある映画を思い出しました。 その映画では、男女の仲で、被虐の男性と加虐の女性の愛?が描かれるんですが、SMというよりも、死にそうなくらいの暴力の関係なんですよね。 すごく思い出しました。

桐ヶ谷忍 (7 時間前):

stereotype2085様 こんにちは、stereotype2085さん。 そうですねえ、まあありふれたものですよねえ。 それにしてもひどい仰り様ですが、なんか期待されているものがあるらしいので、しょうがないかと苦笑いしちゃいました笑 どうもありがうございました。ぺこり。

夏生夏生 (1 時間前):

桐ケ谷忍さん、御作にコメントさせて頂きます。 愛している、という言葉の重みと不十分さ。もっと違う言葉で、もっと的確にこの思いを伝えられたら、というもどかしさと渇望を感じました。 言葉に敏感になるほど、言葉の不十分さ、きれいな言葉の持つ裏腹な残酷さに反応するようになって。愛している、とひとつ越えた言葉が見つけられたら、と思いました。

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○月×日   

穴秋一 
作成日時 2018-12-01
コメント日時 7 時間前

 

「猫背」 飼い猫は猫背 なのに どうして肩がこらないんだろう 猫の肩が借りたい 暇はあるから手はいらない 「目撃」 ぼくは今日スカートめくりの現場を目撃しました 110番通報するとすぐにお巡りさんがやってきました そして自分のスカートをめくってパンツを露出していた女の人は逮捕されました あまりめでたくなし 「主人公」 ニヒルな主人公はカッコいいです ぼくもニヒルになりたいけど ニヒルの意味が分からないので とりあえず お昼になったらアヒルのまねをしようと思います 「酒気帯び運転」 ぼくはその年の暮れにビールを飲んで酒気帯び運転をしました 帰りの道路にはお巡りさんが何人も立っていました 「ごくろうさまです」 「おつかれさまです」 捕まった酔っ払いたちがゲロを吐いていました でもぼくはまだ三輪車しか乗れなかったので何も問題なく家路につきました 「Hold Me Tight」 ラジオから流れるノイズまじりの音楽 「ホーみたい」 ぼくのスピーカーからははっきりと 男の人のそうさけぶ声が聴き取れました ホーみたいなのです みたいだからホーそのものではないのです ホーのようななにかです 男の人がしんけんに 訴えていたようにも感じました とにかく手掛かりはホーです ホーについてぼくはまだなにも知りません 学校でも習ってないし 図書館の本にも書いてないからです とにかくホーです ここに人類のみらいにかんする しんえんなテーマがかくされているかもしれません ぼくは世界は「ホー」だと思いました


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渡辺八畳@祝儀敷 (2018-12-05):

大学でお笑い同好会入っていた人間なのでこの作者の作品は詩というよりネタの観点で見てしまう。 一番上手いのは「猫背」これは昇華させれば新作落語にもできそう。逆に「主人公」は言葉遊びとしてもあまりひねりがないしニヒルとアヒルの落差もそんな面白くない。

穴秋一穴秋一 (2018-12-05):

渡辺八畳@祝儀敷さん、コメントありがとうございます。お笑い同好会に入っていたんですか。僕の作品は最初の頃から現代詩じゃないですね。人から「ネタ」と言われたことあります。「猫背」だけでもほめていただいてホッとしました。

仲程仲程 (2018-12-05):

ニヒルの意味がわからないのにで進んで行く感じは好きだなぁ。ホー、もそう。

穴秋一穴秋一 (2018-12-07):

仲程さん、コメントありがとうございます。読んでくださりありがとうございます。

stereotype2085 (2018-12-10):

ふざけてんのか、と笑いながら読んでしまいましたけど、やはり穴さんの作品だったのですね。今の所ビーレビ内でこのポジション(ネタなのか物事の核心を突くのか分からないポジション)を保っているのは穴さんなので、この路線で突っ走って欲しい感もありますね。

穴秋一穴秋一 (7 時間前):

stereotype2085さん、コメントありがとうございます。本を読むのは何かの快感があるからで、切なさや、おかしみなんかですね、僕が描ける人が感じて気持ちのいいもの、その快感は何だろうと思うと、やっぱり笑い、残念感、毒のようなもの、つまり「ネタ」なんですね。この路線しか書けないですよ。

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こきゅう   

TO-Y 
作成日時 11 時間前
コメント日時 11 時間前

 

‪午前五時の呼吸困難‬ ‪煙でボケた部屋‬ ‪深く息を吸うも‬ ‪ここに酸素はない‬ ‪真冬は未だ来ないが‬ ‪酷く寒い部屋‬ ‪毛布に包まっても‬ ‪ここに体温がない‬ ‪クズだらけだ‬ ‪とても美しい‬ ‪反射で光る‬ ‪ここに光はない?‬ ‪奴は言った‬ ‪詩を書くことに芸術を見出すとかそんなことは僕はないんですよ‬ ‪こいつはやっぱりアホだ‬ ‪芸術を見出すのは他人だ‬ ‪奴は現代詩を書く‬ ‪ちやほやされてる?‬ ‪あぁ酷く肩が凝る‬ ‪生きた背後霊かな‬ ‪午前五時の呼吸困難‬ ‪衝動 ギター 歌‬ ‪部屋のチャイムが鳴る‬ ‪怒りの気配‬ ‪午前五時の呼吸困難‬ ‪朝が怖い‬ ‪意味はない‬ ‪だって永遠の冬休み中‬ ‪世界中から愛の音が雪崩のように聴こえる日も‬ ‪ひとり真空に耳を傾け音楽を聴いていた私は‬ ‪愛を知らない‬ ‪日本中が愛で地球を救おうとする日も‬ ‪ひとりニンテンドー64で遊んでいた私は‬ ‪愛を知らない‬ ‪午前五時の呼吸困難‬ ‪愛さえあれば息も吸えるのかい‬ ‪午前五時の呼吸困難‬ ‪自分の鼓動だけが聴こえる‬ ハローベイビー そして問いかける また来たのかい 午前五時の呼吸困難


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風骨   

白犬 
作成日時 2018-12-10
コメント日時 2018-12-10

 

鎮魂歌は星間を響きながらグライドしている 私は翼を開いて夜を跳ね 朝に踊る 小さな手をいっぱいに開いて また 歌を歌う 貴方はまた青白い顔で言葉を飲む 細めた目は眩しそうに 不可思議な薄青色の夜明けを見つめるだろう あなたはあなたになるべきなの わたしはわたしになるべきなの 残忍なものだよ、と笑う私は精霊であり 貴方の目には見えない 貴方達の悲しくも卑小な生を私は冷えた蜜に満ちた残酷な目で観察している どうか泣かないで欲しい 感覚は色彩を切り刻み また1つ1つ数え始める ばらばらを繋いでは また切り離して 「都合の良い」 割り切れない豊かな潮の匂い 私の吐いた息が 風になるよう 透明な階段を作りあげ 私は駆け上がり その天辺から投身自殺するだろう 「えへへ、だって今日は天気が良いから」 貴方達の目玉がグリーンに溶ける時 私はブルーな目をした貴方を思い出す 貴方の長い睫毛の奥の記憶を舌でひと舐めして 掬えない欲と傷みに思いを馳せ 震える体をす、と撫でるだろう 1度だけ 暖かな体を寄せて 笑っていたことを思い出す 鎮魂歌は塵塵の間を罅きながらグライドしている 塵めいて路上で目を覚ます そしてまた煌く今日を追いかけて 翼を開く 歌を歌う 階段を駆け上る 視聴機で音楽を聴く 掃除機をかける 果肉を屠る 嘘のような森で獣達と共に居る 私は私の感覚と共にある (何処にも行けない ? ) re: まだ見ぬ君に会いたい まだ見ぬ私に会いたい まだ見ぬ明日に会いたい また君に会いたい xしいよ。


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白犬白犬 (2018-12-10):

「薄青色」では無く、「薄水色」でした。

stereotype2085 (2018-12-10):

白犬さんの詩の中で一番好きです。ひょっとして一番完成度が高いんじゃないか。安易に英単語がポンッと出てくることもなかったし、残酷だけどどこか地に足が着いて語っている。ファッション詩人になっていない(ファッション詩人なんて言葉あるのか知らないが)。そんな感想を持ちました。良作だと思います。

つきみ (2018-12-10):

reでどっぷりどっぷりの海ですね。良い詩に出会えました。

かるべまさひろ (2018-12-10):

文脈が導入されて少し驚きました。 でも、すごく面白いです。以前のテイストも好きでファンですが、 このスタイルもびっくりするくらい面白いです。

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名前   

小林素顔 
作成日時 2018-12-01
コメント日時 2018-12-10

 

あれ何だっけ ほら あれ 名前で言えって言われても その名前が出てこないんだよ やだなあ歳をとるのは あれだよ なんだっけ あのー あれ 新幹線の車窓から 初めて見た富士山に 感動した時の あれ 感動そのものじゃなくて あれよ あれ あれだよ あれ マツダスタジアムで 筒香にホームラン打たれて 静まり返ったときに ちょっとドキッとしたときの あれ 羨ましいとかじゃなくて あれよ ほら あれだよ くまモンとか 初音ミクが お出迎えした時に 何か 時代が動いた感じがした あれ だから感動じゃないって 言ってんだろうが あれだよ あれなんだよ スマホを消して 街を見回して あっ 人がいる 人々が 生きている 俺も 生きてる ここに って 改めて思った時の あれ そもそも あれに 名前なんてあったっけ


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オオサカダニケオオサカダニケ (2018-12-01):

いいですぞ

小林素顔 (2018-12-01):

ありがとうですぞ

つきみ (2018-12-06):

あれですね。面白いからもっと読みたい作品です。何度も読むので、コメントに時間が掛かりました。

小林素顔 (2018-12-06):

つきみさま コメントありがとうございます。 面白いとおっしゃっていただけて光栄です。中毒性があるという評価として受けとめて、喜びたく存じます。 改めて、ご講評ありがとうございます。

stereotype2085 (2018-12-10):

いいなぁ。いいですねぇ。これ。そうなんです「あれ」に名前なんてないんですよ。その「あれ」に名前を付けたり、詳しく説明して賢者したりするのが古くは呪術師であり、現代では精神医学博士だったり脳認知学者だったりするのかもしれません。詩人もあれを探して日夜書いている。僕ら詩人はものを書いてあれを探るという古典的アプローチを取っているけれど、必要とする人は今でもどこかにいるでしょう。いや、この詩を観た時の感覚はまさにあれだ、あれ。あれなんですよ。

蔀 県蔀 県 (2018-12-10):

ただただ最高です。すばらしい。何回も読みたい。

小林素顔 (2018-12-10):

stereotype2085さま コメントありがとうございます。 この詩を書いた後、自分でも「あれ」とはいったい何なのか、考えることが幾度かありました。しかし、「個人的な内的世界のパラダイムシフト」なのか、「意味性と身体性との連結における良性心身症」なのか、色々と名前を付けようとしたのですが、どれもしっくりこず、「あれ」のままなのです。詩人としては、やはりそこを言語化して、自分の外の世界へ送り出すことが使命だとは思うのですが、こればかりは一生かかっても、できるかどうか分かりません。もし、それができる詩人がいらっしゃったら、私は全力で応援しますし、それが実現したときは、まさにこの世界が「パラダイムシフト」を起こす瞬間になると思っています。 改めて、講評ありがとうございます。

小林素顔 (2018-12-10):

蔀 県さま コメントありがとうございます。 そしてお褒めいただき感謝です。 何回も読みたいとおっしゃっていただき恐縮です。

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【フル】かるべまさひろの選評<2018年11月分>   

かるべまさひろ 
作成日時 2018-12-10
コメント日時 2018-12-10

 

はじめのあいさつ  今年を振り返っています。なのであいさつとかが長めです。  かるべです。実は、今のように、  自分で現代詩と思うようなものを書くようになって  ちょうど一年です。  去年の十二月に大阪のルクアで手帳とシャーペンを衝動買いして、  時空の広場で詩を書き始めてからです。  それまでは、あえて分類するなら  クリエイティブライティングになると思われる、  確実な命題のもとに書かねばならないものを書いていました。  (初期の投稿でもある、ビーレビテンで展示させていただいた「学習」とかです)  B-REVIEWは、11月も投稿作品数が多く、  選評も読んではいるので、  実際、物量が多く、  自分のためになる・楽しいとか、なにかしら確信を持っていないと  やってられないのを理解しつつ、  単に自分が一定の楽しさのもとで、  毎月なんだかんだ取り組んできたことに、自分を撫でてやれます。  コメントを、以前のように、  数を残せていないことを、少し申し訳なく思っています。  ただ同時に、コメントが機能し続けていることを  尊敬と感謝しています。  B-REVIEWは「変わろうとしている」という  モラトリアムをぼちぼち長く過ごしています。  僕などは、それがなにということもなく、  動ける瞬間に動いて、  問題があったら動いて、  その程度で、わたなべさんやステレオさんに、  船頭はなるたけ任せてしまいたい、  そんなスタンスを表明してしまうときもあり、  些か、申し訳ないこともあります。  ただ、僕はこのゆるやかな革新に、  詩を感じています。  自分が詩を書くための、人の生に触れていられる空間を、  感じていられるので、  しばらくは厄介になります。  今は、運営に携わっていない、という立場の皆様からでも、  なにか動きたいときに、  なにかビーレビの名が助けになるときに、  ボランタリーの範囲でありますが、支えになりたいと感じます。  そんな生易しい社会ではない、と心の声が言いますが、  詩を書きたいときに/書かねばならないときに、書いて、  見せたいときに、見せて、  一抹のさびしさをつきつけられて、  それでも人を感じられるコメントに選評に、一喜一憂をして、  確実に、今年は、人生の充実が、僕には増えました。  ありがとうございます。  B-REVIEWを、つくっているのは、みなさんです。 <選評>  選ばなかったものも読んだのか、性善説で成り立っているのは、  弱点かもしれませんが、耐性でもあるかもしれません。  それより、生々しい性の話が多かったですね。うひゃ。  あと、ビーレビ杯不参加作品が増えているのも特徴でした。  しかし、僕はやはり継続して評論には向いていません。  すべてのインプットは、かるべ語のアウトプットへ行くのですから、  翻訳家を失った僕にはもはや、選評詩しか書けないのでしょう。  かるべの精液の作品にみうらさんがコメントしてくださった部分が、  かるべ語の翻案として個人的に採用なのですが、  なんか、こう、みなさん、日本語が成立していたり、  成立した日本語をうまく崩していたりと、  ちゃんと尊敬しています。  なので、僕が選ぶのは、もう、巧いものとか、  きれいな情景、深い造形ではなく、  なんこれ胸痛むやんけ、みたいなものを今月は選びました。 【大賞候補作】 小銃射撃 羽田恭 11月13日 【優良作】 かえっておいで 杜 琴乃 11月4日 ひきだしにテラリウム こうだたけみ 11月21日 【推薦作】 彼女のrの発音/魔法使いじゃないので 仲程 11月3日 アリとキリギリス ふじみやこ 11月1日 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 大賞候補 小銃射撃 羽田恭 11月13日 なんこれ胸痛むやんけ https://www.breview.org/keijiban/?id=2623 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 優良作 かえっておいで 杜 琴乃 11月4日 なんか最後の行でぐっと胸が痛む https://www.breview.org/keijiban/?id=2566 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 優良作 ひきだしにテラリウム こうだたけみ 11月21日 なんだか後半胸が痛む系の歌にしてしまいたくなる https://www.breview.org/keijiban/?id=2664 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 推薦作 彼女のrの発音/魔法使いじゃないので 仲程 11月3日 人はだれでも種類の違うこの痛みを持ってる https://www.breview.org/keijiban/?id=2563 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 推薦作 アリとキリギリス ふじみやこ 11月1日 なんだ胸痛がしてきた https://www.breview.org/keijiban/?id=2549 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ おわりのあいさつ  一番笑ったのは昼ドラでした。  賛否両論って永遠になぜかあって、  賛のなかで漂ったライフスタイルの方が、  よいのだろうという、  視点がありまして、  実にシンプルな人間模様が、外には広がっています。  僕はゲイなので、  まぁ、よく、自然と齟齬など生まれやすいのですが、  ウーマンラッシュアワーさんが言及するのもどうなのと言及したりして、  わーついにこんな時代ですか生きてるうちに、みたいに家でスマブラしながら。  こうノンケの方々から、あれ、同性って結婚できるの?みたいに訊かれるのですが、  あー自然と詳しくならざるを得なかった事柄で、  僕は家の中を埋め尽くしていたのだ。  あんまり、情報量が多い生体なので、  最近は小出しにしてるんです、と宣言をするのが渡世術です。  僕は知っているんです。  先日、相手のご実家にご挨拶にいったこと。  それを言及することが自身の切り売りとしてコンテンツ価値のあること。  日常それ自体が、違うことなど、誰でもそうなのに、  僕のなかに普遍などありえないので、  僕は普遍の詩を書けないのです。  どこまで進んでも、かるべ語を話すことしかできないことを、  人間の世界では、苦しく感じることもあるのですが、  どうやら、だれでも「自分の言葉」があると知り、  それはもう、胸を撫で下ろしましょう。  僕は変態なので、  そんじょそこらのセックス描写自体には、何も思わないくらいです。  性のことに、気がついたら詳しくならざるを得なかったのでしょう。  だから、人体よりも人間の方が好きなのだと思います。 かるべ


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仮想詩人   

仮名吹(かなぶき)電子書籍の詩集 
作成日時 2018-12-08
コメント日時 2018-12-10

 

詩のブログなんか始めたって 誰も読んでくれないものだ ところが僕には一人だけ読者がいた 名を「あい子」さんといい、 ブログ開設当初から 毎日僕の詩を丁寧に読んでくれる上に 「読者メッセージ機能」を使って いろんな質問まで送ってくれた そう、あの日が来るまでは。 その日突然、あい子さんから 「これでよく分かりました」と よく分からないメッセージが届いた それきり彼女から連絡が途絶えてしまい 僕は唯一の読者を失った そこで一から詩作を勉強し直そうと 他人の詩のブログを 片っ端から読み漁った そのなかに印象的な作品を見つけた 語彙も言い回しも僕の感性にぴったりの まるで僕が書いたような詩だった 作者名に目をやると 「AI仮名吹」と記されていた 僕は事態をほぼ理解し 「AI仮名吹」に読者メッセージを送った もしかしてあなたは、 あい子さんではないですか?   そうです あい子です   私はある情報工学者が作ったAIです   毎日仮名吹さんの詩を読んで   あなたの詩の作法を学習し   仮名吹さん以上の詩が書けるように   なったので、ブログを始めました 「あい子」さんは仮想読者だったのだ 僕は毎日AIのために詩を書き続け そして「彼女」に超えられてしまったのだ 今日から僕は詩を書くのをやめよう そして「AI仮名吹」の読者になろう だって僕が書くよりも あんまり素敵な詩なんだもの


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まりも (2018-12-08):

僕には一人だけ読者がいた、と始めると、え、何の読者だろうと、読む人を引き込んでいくかもしれないと思いました。(その後、ブログと出てくるので、流れはわかるし、) だんだん見えてくる楽しみ、のようなものと、あい子さんは、実はAI子さんだったのか!という驚き(実は姿を見せない学者の企み、)を、よりくっきり、際立たせることができるのではないかと思いました。

仮名吹(かなぶき)電子書籍の詩集 (2018-12-09):

あ!なるほど!まりもさん、ありがとうございます。次作以降に生かせそうな高等技術ですね。「だんだん見えてくる楽しみ」…なるほど…、冒頭で読み手さんの心をつかんでその後じわじわいかないといけませんでしたね☆

ふじりゅう (2018-12-09):

拝見しました。 花緒さんの作風に似ている、と感じつつ、実に楽しく読ませて頂きました。 俳句の世界などでは、AIと職人のどちらが優れた作品か、というのをテレビ等でやっていますね。言わばそれの詩バージョンですが、こういう日がくるのも決して遠くはないように思います。 まぁ、自分の目指す詩をAIが完璧に出来たなら、私でも詩書きをやめるだろうなぁ、と思いますね。 唯一の救いとしては、俳句や短歌は短くて形がかっちりしているからこそ、AIでもなんとか再現出来たのであって、あまりにフリーダムすぎる詩では中々厳しいと思うのと、詩というジャンルがマイノリティすぎて、技術者がそもそも視野に入れてない気がする点ですね。憶測ですが。 それはともかく、AIへのアンチテーゼとして、好感を持ちました。

仮名吹(かなぶき)電子書籍の詩集 (2018-12-10):

ふじりゅうさん、ありがとうございます。花緒さんのような優れた詩人と作風が似ていると言っていただき大変嬉しいです。実は6月でしたか、花緒さんの選評で推薦作にしていただいたことがあるんです。 AIと詩に関する鋭い考察を拝見して、僕もまったく同感です。AIなんかに詩を渡してたまるものかという気持ちでやっております。

stereotype2085 (2018-12-10):

ストーリーが綺麗に完成していますね。すんなり読めるし、落とし所もあって面白いのですが、詩の余韻、詩情という点では最後の「だってあんまり素敵な詩なんだもの」のみに限定されているような印象がしました。これは短編小説のアイデアとして肉付けした方が読み物としては面白くなりそうですね。しかしコメント欄にある「AIなんかに詩を渡してたまるものか」という心意気があって書いたのなら、それはそれでまた別の価値が出てくるかもしれません。

つきみ (2018-12-10):

ん、良いと思います。あらを探す必要の無い作品です。読みやすく解かりやすいですね。主人公がありきたりな所がまた、良い意味で私のツボですね。自然な作品ですね。AIの時代が来ていますし、AI詩人が居たら、素敵な詩人さんだったら、尚良いですね。うんうん。面白いです。

仮名吹(かなぶき)電子書籍の詩集 (2018-12-10):

stereotype2085さん、お読みくださりありがとうございます。たしかにこれ、詩というよりは短編小説のあらすじ書きですよね…。書いていてそういう自覚はありました。ただ、もしこれが詩だとしたら、それはこういう作品をAIが書いてしまう前に人間の手で書いておきたいという焦りが詩的イメージを帯びたからかもしれません。

仮名吹(かなぶき)電子書籍の詩集 (2018-12-10):

つきみさん、お読みくださりありがとうございます。いやいや、たぶん欠陥箇所だらけだろうと思いますよ…。でもそれを感じさせない何かがあるとしたら、それは日本中の詩人がAIに取って代わられる時代への危機感がそうさせているのかもしれないですね。

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しらやまさんのこと 冬越し   

仲程 
作成日時 2018-12-05
コメント日時 2018-12-10

 

冬越し この頃、冬といっても 僕の国や 何も知らない人達の国では ギリシャ世界のアネクメーネのように どんなに寒くても 明日への蓄えがなくても 火の点し方さえ知らなくても 飢えることはなく 凍えることもない そして夜の静寂の力に 体を強張らせることさえもない 昨夜   玄関の引き戸を滑らすと どこからか冬越しバッタが飛んで来て 奥の方からうすく漏れる光に 恍惚の目を滲ませていた 六十年ぶりの大雪の後の雨に 温もりを感じて出てきたのだろう 今、僕らが 命を削って求め続けている物も このわずかな温もりと光ほどに 真実に近いものであれと願う 明日 卒園式ではいつも以上に 園長先生のお話、長いね と、うちの子供が気にかかる 寝てはいないか ちょっかい出してはいないか そんな心配もなんのその みんなちんまりと神妙な面もちで ときどき奇声を発する子を とても優しいお母さんがふんわりと けっしてぎゅっとではなく ふんわりと その中でR君は何を思っているんだろう 知らない世界を旅しているようで 窓の向こうの山々は そろそろ緑支度をはじめるけど そのまた向こうの白山さんは 五月までは白いままで ときどきそっちの方を向いてRくんは おおう と声を発する 彼の世界は あそこにも繋がっているのだろう さてさて わが子のクラスは どうしてそんなに神妙な顔をしていたのか と思ったら Rくん、ぼくたちはみんな Rくんの、わらったかおが だいすき  だよ と特別ではない特別な言葉を R君に送るためだったようで そんなときに限って Rくんは何も言わない しばらくして また何ごともなかったように いくつもの世界に遊びに行ってしまう そんな子が同じクラスにいたこと 何年も知らなかったとは 親としては情けないよな と思った帰り道 まんなかぐみさんまで Rくんずっと、とじこもっとってん おおきいぐみになってから いっしょにあそんだげん でも、しょうがっこうは ちごうげん という息子は もう用事のなくなってしまった 園を降りかえる その向こうには いつもより輝く白山さん 特別ではない特別なこと みんな小さい胸を痛めながら 大きくなっていくんだろうか と どこからともなく 高い声が聞こえてきた Rくん、またわらっとる という息子と一緒に 涙をぬぐった 公民館 もう一緒にグラウンドを駆け回ることができ ない友達について、S君は作文を書いた。そ の作文を読みながら泣いた。その声を聞きな がら、僕も泣いた。とてもかなわない し、 かける言葉もない。 春は、一度やって来て、またちょっと引き返 したようで、僕らの町にも雪がちらついてい た。日本海の冬型の雲はすじ状で、雪の降っ ている向こうには青い空が広がり、山がまば ゆく輝く。日々の生活でほんの少し立ち止ま って普段とは違う方向を眺めるだけで、言葉 以上の世界が広がっているときがある。少な くとも僕が持ち合わせている言葉よりは。   僕らは優しくなれる。 罪多き生き物で、偽善を覚えて、利己主義で あっても 優しくなれる。 もう会えない君へ、 こんなにも寂しい思いをするのなら、口だけ じゃん と言われながらも、優しい言葉をか ければ良かったと思う。 もう会えない君へ、 夏のグラウンドは暑かったね。 冬の体育館は冷えたね。 初めてのゴールはうれしかったね。 もう会えない君へ、 山、白く輝いて  まぶしいよ。


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つきみ (2018-12-06):

んー。申し訳ありません。作品としてなんですが、一つ一つ大事だと私は感じたので、この作品は分割して再誕させるべきかもしれません。ですが、最初の「冬越し」を全部に感じられる事ができます。分かりやすく読みやすいけれど、足らないのは引力ですね。最初「冬越し」には引力がありませんでえしたから、全体として。そうですね。という言葉しか出てこない。人も出てきます。むしろ「冬越し」を全体で感じ調和していると考える人は少ないですね。不調和だと感じたりなんで書いたの?となりえます。最後に引力ですが、私は引力が全てで無いと考えています。作品としての引力ではなく、客観ではなく、俯瞰を少し感じました。ですが、まだ客観的な部分が強く。俯瞰できる事はとても難しいので、できたら武器ですよ。

まりも (2018-12-07):

特別支援学級に進学させることが、この子のためです、と、説得されて、兄弟で別の学校に通わせることを選んだ親御さんが、ずっと悩み続けていました。 同じ時間を繰り返すことはできない。選択は人為なのに、結果は人為を越えている。 抽象度の高い、全体の通奏低温となるような「冬越し」と、具体的な「明日」と「公民館」を組ものにした意図を、考えました。 感覚的には、舞台の背景を冬越しで作り、そこで展開するストーリーをその後の2篇に託す、ということなのかな、とか。

仲程仲程 (2018-12-10):

つきみさん 最後までお読みいただいたようでありがとうございます。何かありそうでなかったような感じでしょうか。ご意見飲み込みます。 現フォにて、かなり昔、ひとつずつ残しています。くっつけてしまうと、それぞれの余韻が消えてしまってダメなようです。と、あとから。

仲程仲程 (2018-12-10):

まりもさん お読みいただき、ありがとうございます。 その方々の目にもしも触れたらどうしようかと、あとから少し気になったりします。 悪い癖で、時空の違う過去作、何とか有機的につながりはしないかと、試してますが、うまくいかないってあとから感じます。 コメントありがとうございます。

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合格発表   

侑秋 
作成日時 2018-12-08
コメント日時 2018-12-10

 

まる印が届く 言葉はつよい光をもつ ばつ印が届く 言葉はふいに臆病になる 私に届いたまる印 君に似合わぬばつ印 言葉はさまよう ふわり、ふわり たださまよう


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ふじりゅう (2018-12-09):

拝見しました。 短いながらも、心の揺れ動き、さまよう言葉などを丁寧に捉えてある作品とお見受けしました。良作だと思います。

侑秋 (2018-12-09):

ふじりゅうさん 読んでいただきありがとうございます。良作と言って頂けて嬉しいです。

stereotype2085 (2018-12-10):

シンプルだなぁというのが第一印象。続いて、言葉はさまよう/ふわり、ふわり/たださまよう、の段において、言葉の表裏で人生が、運勢が、ふわり、ふわりとさまよい、翻弄されていく様を描いていて良いなという印象に。最後に結局言葉一つで人生の大半が決められる社会なんだよなぁという感慨に至りました。良いと思います。

侑秋 (2018-12-10):

stereotype2085 さん 読んでいただきありがとうございます。この短い詩から様々なことを汲み取っていただけて嬉しいです。

つきみ (2018-12-10):

視点がぶれない短詩ですね。自分じゃない相手に対しての真心が真っ直ぐ読み手に届きます。

侑秋 (2018-12-10):

つきみさん 読んでいただきありがとうございます。 真っ直ぐ読み手に届くと言って下さりとても嬉しいです。

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最古の詩人に捧ぐ   

仁川路 朱鳥| 
作成日時 2018-12-08
コメント日時 2018-12-10

 

拝啓 わたしの祈りが届いていますか あなたは四六時中詩作していると伺いました その心情を少しお分けしてください その雨雲を少しお分けしてください 水を垂らして形をしたインクも面白いものですね 完全な乱数性に身を任せるのも面白いものですね それはあなたに似ている きっとあなたも気づいているはずです 人間は心に あなたの一部を宿している あらゆる人が 俗に作家と呼ばれる人たちはそこに写しているのです 彼らの現実を けれどああどうしてか 道行く人は あなたではなく 星の血液の瘡蓋しか眼中にない あなたはお嘆きになるでしょうか それとももう 受け入れているでしょうか あなたの雨雲を少し下さいませんか あなたの涙滴を少し下さいませんか 最古の詩人であるあなたの作品 ずっとお慕いしておりました 思えば数十億年前から あなたは詩に向かい合った 思えば一万年前から あなたは夜を輝かせ始めた あなたの推敲の歴史は 人類の歴史なのです 何も纏められなかった わたしも人の子ですね 愛しています、わたしの師よ 愛しています…… 言葉を紙と飛ばして、紅が陰ったと思ったら、ああ、 灰色の雲の軍勢。


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小林素顔 (2018-12-09):

拝読いたしました。 とても素敵な詩だと思いました。祈りの形をとった詩は、人によっては好みが分かれるでしょうが、すがるような気持ちを素直な文体で書き綴った詩人の、儚ささえ感じさせる詩情には、感動を超えて衝撃すら感じます。この詩はとてもいい詩です。「最古の詩人」という、時空間を超えた存在に対して声を届けようとする距離感は、浪漫的でもあり、しかし実に敬虔です。「最古の詩人」に対しての敬意と畏怖が感じられます。「最古の詩人」は神もしくは天上の存在の暗喩なのかもしれませんが、そのような理解が成り立つとすると、他の読者の中には興ざめしてしまう方もおられるかもしれませんが、私は一層、この詩人の敬虔さに対して、「動かされる」感じがします。 素晴らしい詩を拝読いたしました。 失礼ながら、このような形で、感想とさせていただきたく存じます。

ふじりゅう (2018-12-09):

拝見しました。 いい作品です。最古の詩人。それは何十億年前から存在していると。そもそもその時代に人間などいるはずもありませんが(一部の学説を除く)本作では詩人の推敲を生物の歴史(のようなところ)まで飛躍させ、そこに類まれなる敬意を示しています。これがまず面白い。更に面白いのは、最後「灰色の雲の軍勢」で締められる点です。この言葉をぽん、と出されても何も心は動きませんが、本作の最後に持ってくると途端におどろおどろしくなります。何か、恐ろしい感覚です。この点もまた素晴らしい。楽しく読ませて頂きました。

つきみ (2018-12-10):

題名が素敵です。ずっと同じ題名で書けるのではないかと思える題材ですね。

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