B-REVIEW作品投稿掲示板


ばいぶる (短歌)   

鬱海 
作成日時 2018-11-03
コメント日時 2018-11-09

 

イヴだった頃に追いかけた蝶の翅 ピンを打つときふと思い出す 追憶のなかで私はユダである 今も似たようなことをしている 無残に切り刻まれた薔薇を足元に笑う 我らはカインの末裔 神の子を売り飛ばす 吸血鬼に血をあげる 地続きである我らの原罪 セックスをしたら 野に咲く白百合が死んでしまった 私の代わりに 永遠に純潔を守る恋なのに 彼も罪を背負っているのか かみさまに不可能はないはずだった 焼け焦げた我が家 見つけるまでは


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渡辺八畳@祝儀敷 (2018-11-03):

ビーレビで短歌も展開されてほしいって実は思ってるんですよ。現代詩投稿サイトだからあんま大きくそれは言えないが、「詩」の定義が曖昧な以上短歌も詩でいいでしょって論法で。短歌界隈は現代詩界隈より人口多いからさ、こっちきてくんねぇかなって。 鬱海さんは詩も投稿されているから完全な歌人ってわけじゃないんだろうけど、でもこの投稿が短歌をもビーレビが受け入れる一筋になったらなって思わずにいられない。 短歌本体だが、キリスト教的意匠があんまりしっくりこなかった。

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-03):

素晴らしい短歌でかんどうしました。

仲程仲程 (2018-11-04):

二句目は好きです。 あと、四句目の「地続きである」に、どんな思いを込めるかが個人的に好きなところです。

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-04):

ルミナスラインがありますね。学ばせて頂きます。

鬱海鬱海 (2018-11-08):

渡辺八畳@祝儀敷さま 一応短歌歴の方が長いのですが久しぶりに書いたらしっくりきませんでした。短歌もっとビーレビ でも読みたいので短歌人口が来てくれるとよいとわたしもおもいます。

鬱海鬱海 (2018-11-08):

オオサカダニケさま ありがとうございます。すてきな言葉まで。また機会があれば読んでください。 仲程さま 二首目はわたしは説明的すぎるし抽象的すぎるかなと心配していましたが評価いただけてうれしいです。四首目の 地続き にも言及いただきありがとうございます。コメントありがとうございました。

ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-08):

>イヴだった頃に追いかけた蝶の翅 >ピンを打つときふと思い出す  何気なくスクロールしていて、この二行のすばらしさにハッと目が覚める思いでそのまま読んでいきました。短歌を集めたものと気付かず、ひとまとまりの詩であるとばかり思っていたのです、迂闊なことに(笑)  さて、それぞれが完結した一首であることを意識した上で読み直すと、いろいろ物足りないところ、新たに気付いたことが出てきたのは面白いことでした。  第一首、これは実に魅力的です。ポエジーが見事に完結しています。  第二首、短歌と思って読むと「今も似たようなことをしている」の音律のゆるみに抵抗を感じますが、二行の短詩と見て(実際には存在しない)タイトルがその二行の前にあるものと勝手に想像して読むと、尾形亀之助あたりの凝縮されたポエジーをほうふつとさせる、余韻深い詩行と読めます。  第三首も、完結した短歌として読むと「無残に切り刻まれた」の音律がいかにもゆるく、だるく感じられますし「無残に」が説明的にすぎ、いかにもまずい。しかし、詩中の一行として読むとそのようには感じません。形式というものの面白さですね。  第四首。「地続きである我らの原罪」の句は、いい詩に膨らむ可能性を秘めた魅力的な句ですが、全体としてはやや生煮えの憾みあり。「血をあげる」は短歌としては無論、自由詩として読んでも拙く響きます。勿体ない印象。  第五首。発想は豊かなポエジーを内包していますが、「セックスをしたら」の音律のゆるさ、平板さがやはり短歌としてはいただけない。短歌ではなく自由律俳句、一行詩として、たとえば「セックスをしたら野に咲く白百合が私の代わりに死んでしまった。」と頭の中で読み替えると、私にとってはこの一首の着想が生きて響きます。 第六首。これまで述べたことと同じような感想になります。詩の中の一行であればこれで何の抵抗もなく読めますが、短歌として読むと「恋なのに 彼も」のスペース区切りは余計なものに感じました。  第七首のアイロニーは第一首に次いで魅力を感じましたが、詩の中の一行として用いられてこそ、そのポエジーが生きる詩句であるように思います。短歌として単独で自立・完結したポエジーを生み出すには至っていないという感想を持ちました。  結論として、私にとっては、短歌の集成ではなく、一篇の詩作品として読んだ方が面白く思えます。もしかすると、筆者もそのように意図されているのかもしれないのですが(笑)

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-08):

5個目はルミナスラインなので、天才です。何言われても気にする必要ないとおもいます。素人の独断による批評ですから。発想が優れてる時点で鬱海様の勝ちです。

永峰半奈永峰半奈 (2018-11-08):

三首目の「足元に笑う」がどうも道化として生まれたカインの悲しみ混じりの笑いに思えて仕方がなく、惹きつけられました。 一首目は完成された印象です。七首目も不思議な魅力があります。 全体を詩として読むと退廃的な雰囲気が漂いながらもギリギリのところで人間のしょうもなさ、「しょうがないね」と笑い飛ばすしかない性が失われていないように思いました。

ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-08):

鬱海様 あれこれと勝手な妄言を書き散らしましたが、オオサカダニケさんの仰る通り、素人の独断に過ぎませんので、どうかお気になさらず、素人が何を抜かすかと笑い飛ばされるか、黙殺なさって下さいませ。批評は常に後出しじゃんけんに過ぎず、真の勝者は常に作者です。次作も楽しみにしております。

鬱海鬱海 (2018-11-09):

ishimuratoshi58さま コメントありがとうございます。最初、詩として書いていたのを無理やり短歌の形にあまり考えずに直してしまったため、指摘してくださった箇所などに言葉のもたつき等が多々あって今読み返すと割と恥ずかしいです。 仮にそれが後出しジャンケンであったとしても、わたしは批評を求めていますし、また作品というものは批評を経て完成する面もあると思っています。ですので、また気になるところ等おありでしたらコメントを頂けると嬉しいです。

鬱海鬱海 (2018-11-09):

オオサカダニケさま コメントありがとうございます。5首目を褒めていただいてうれしいです! 永峰半奈さま コメントありがとうございます。 人間のしょうもなさとか敷衍して人間の弱さなどは多分わたしが書きたいテーマそのものだとおもいます。頂いたコメントの後半が、分かるような分からないような不思議な感覚でした。自分の作品と合わせて読み返していきたいとおもいます。 カインというモチーフについても言及ありがとうございます。人間が普遍的に持つカイン性みたいなのを文の中で突き詰めてみたいとひっそりと思っています。コメントありがとうございました。

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プライヴェートな【 接 触 】   

びいふじゃあきい・かもめ 
作成日時 2018-11-08
コメント日時 2018-11-09

 

―――プライヴェートな【 接 触 】 秋になれば何人も淋しい形而上学者か、 今日も靴を嗅ぎまわるフェチ犬の頭を撫でてやる。 [屈折率(n) 1.49度/媒質固有の屈折率] モブキャラの雑踏に手をこすりあわせて、 スタンダードなベストフォームでコートの襟を立てる、 (ニュートンのゆりかごのPMXモデルのモーフ値計算) ―――プライヴェートな【 接 触 】 眼の中で世界の波が砕け散るようなこんな夜は、 (夜は、冷たい心臓が空き缶のような音を鳴らしてる) 街灯が道や建物を仄かに青く照らし魚になってゆく。 ゆ、ゆく―――逝く春の・・忘れた、忘れた、 枝枝がきょうかたびらのように拡がってばたつかせて顫える、 さ・・・・・か・・・・・・な―――。 月の光やネオンやヘッドライトが交錯して、 明るさにいくつもの濃淡がある、発火点・・・。 (急停止した時にかかるG) 身体空間の遠近法。権利の自覚もなく、生の喜びも知らず、 おいで、フェンシングで串刺しさ! 周波数[Hz] と 波長[m] を変換する。 そんな飛び石をならべながら、いくつも煉瓦をつくりながら、 俺のニルヴァーナが生まれる。 ―――プライヴェートな【 接 触 】 この街のプログラム、この街の新しい法則。 況んやかの天才と称する連中の賎民根性の補強妄想のフーダニットみたいに、 あの焼き肉屋の看板にペインティングされてる赤い情熱の色。 噴出して、笑って、致命的なランナーズハイで俺が追ってゆく。 ギギイ―――ィィイッツ・・・軋み音を鳴らす、扉・・。 ―――プライヴェートな【 接 触 】 いつも不思議だけど、 身体の中に日光でも射しこんだような気がする。 (でもアーサー王の剣はもう抜けない。) いましも奴等のピイチクパアチクが聞こえてくる、 (「市民の」「都会風の」「国内の」「民事の」) 俺もおめでたい奴だと思うぜ。 [反応電流を電極面積で割って電流密度を求める] 天から落ちた鳥が『天使の眩暈』だって言うんなら、 砂浜で干上がった魚は『悪魔の不始末』とでも言うのだろうか。 大衆にマイクを向けるレポーターが話しかける場面は『匿名への階梯』 その人が誰かになるための晴天の霹靂。 森の木の葉は「オレンジ色」に「黄金色」に変わってゆく。 この街の汚れが染み入り易い夜。 『原色の鮮やかな液体の一滴』のため・・。 すでに裏側には層をなして沈殿している俺の色。 無意味な時間を削って、省略して、 最後に残ってるのは下らない感傷。 (軌道長半径を公転周期に換算する、) 簡潔な報告、そして手短な指示。 (たとえばそれは、一九七四年のアミティビルハウス的です、) 暴力は嫌われ、意味深な言葉は残らない。 屏風の薄れた絵・・・。 でも、そうやって感じた何かを、違和感を、 いまもずっと追いかけてい―――る・・。 森の木の葉は「オレンジ色」に「黄金色」に変わってゆく。 そして踏み潰されて「極彩色」に「黒色」に変わってゆく。 >飛行機操縦ヲ開始シマス。 Enter(key) ―――プライヴェートな【 接 触 】 大通りのフェーバリティズムが沁みる。 「沁」(み、)[る。] 手当たり次第に、バラバラに並んだ点を結び付けてゆくんだ、 無作為の抽出がいいぜ、そして中身なんかなくたって俺はもういいぜ。 微妙な差異のなかにある橋の下に遊歩道がつくられてる。 画鋲を探すように、車があった! 画鋲を探すように、人がいた! 焦/点/距/離 ―――プライヴェートな【 接 触 】 自家製模型組み立てキットのような俺の言葉にある機械の歯車。 風も遮ぎられて激しくはあたらぬ空の時を経た通りのひだに、蜘蛛の巣。 甲殻類のような言葉、石灰岩台地が浸蝕された凸凹の地形。 何一つ俺はまだわかっちゃいなかった。 そして俺はやっぱりまだ何もわからないまま古代劇の仮面。 >ストーカーが自分の全裸写真を送りつける。 ―――プライヴェートな【 接 触 】


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渡辺八畳@祝儀敷 (2018-11-08):

この詩の意図がよくわからない。 なんちゅか、核心に至らない言葉しかないし、語句と語句との相乗効果も発生していない。

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-08):

でもプロの作品ってこんなんばっかなので、プロになって大活躍できるのでは?プロに見せれば絶賛されるのでは?素人には芸術はわかりません

沙一 (2018-11-08):

かもめさん、おひさしぶりです。 今作も文体がかっこいいですね。 無機的な言葉と、叙情性のある有機的な言葉が、良い塩梅だと感じます。 ナンセンスな言葉の海に、ときおり魅せるルミナスライン(光る一行)が、都市の夜景の燐光のようです。

沙一 (2018-11-08):

追記: (◇引用) ◇無意味な時間を削って、省略して、 最後に残ってるのは下らない感傷。 ◇暴力は嫌われ、意味深な言葉は残らない。 ◇でも、そうやって感じた何かを、違和感を、 いまもずっと追いかけてい―――る・・。 ◇手当たり次第に、バラバラに並んだ点を結び付けてゆくんだ、 無作為の抽出がいいぜ、そして中身なんかなくたって俺はもういいぜ。 ……あらためて読み返して、作中のところどころに、今作の動機(もしくは詩論)があらわれているようにも見受けられました。 つまり、ナンセンスで過剰な言葉(暴力)と、そこから無作為な詩情の抽出。 どうやら私には、詩からの『プライヴェートな【接触】』があったようです。全裸写真を送りつけられた気分です。 といっても、まだまだ深く読んでいくこともできそうです。

びいふじゃあきい・かもめ (2018-11-08):

渡辺八畳@祝儀敷さんでいいのかな、逆にそれを僕は問いたい気がした。 オオサカダニケさんでいいのかな、素人って自分のことを言っているのですか? 沙一さんでいいのかな、あなたは、賢明だ。 僕は別に、こんな文体でいつも詩を書いているわけじゃない。 ちょっとノリで遊んでいたみたいなところがある。 ―――結論から言うと、「ここは駄目になった」 前に「ここ」へ来た時は、みんな、現代詩手帖のノリで詩を書いてたのを僕は記憶してる。 書き手が「希望」というか「発見」をしたいのだなあ、と思っていた。 そういう人達のきらきらした言葉の先にある情熱っていうのに、 書き手たちが啓発されながら、どんどん先へ進んでゆくのかなあ、という気がしていた。 僕はこれでも、そういうエネルギーの在り処みたいなのを感じながらやってきた。 でも「一昨日」あたりにここへ来た時に、すごく「失望」した。 「自浄作用」が働かないところは、どんどん「駄目」になっていくものだよ。 結論から言うと、僕はもうここに作品を発表するということがない。 もうここまで駄目になっていたのだな。 やっぱり一つには、本当に力のある詩人がいないから、こういう事態になるんだと思う。 しかし、短い寿命だったね(p_-) 現代詩フォーラムが僕見た所、四年ぐらい、文学極道は六年か七年、 そして、ここは一年か二年。 どうしてそうなっちゃうのか、僕はすごく聞きたい気がする。 よくもまあ、そんな変なところに眼をつけているものだと思う。 多分これから一年のあいだに、ここの空気はもっと悪くなると断言したい。 そして、揉め事がもっと起きるようになる、と断言したい。 お願いだから、有能な書き手をつぶすような真似はしないでくれないか。 お前らごときのレベルではかれるような奴ばっかりじゃないから。 お疲れ様であった\(゜ロ\)(/ロ゜)/

渡辺八畳@祝儀敷 (2018-11-09):

2017年12月に自作1つだけ投稿してあとはまったくだった人に、過去と現在を十分に比較できるとは思えないなぁ。現代詩手帖のノリなるものを志向しているのなら手帖投稿欄にでも送りなさんな。ちょっと否定的なコメントを入れられたからって場までも憎んでいるように見える。ビーレビは袈裟じゃないですよ。貴殿がもし「本当に力のある詩人」「有能な書き手」ならば良作を投稿し続けて評価を集め、さらに他者への批評をもって自らが良しとする方向性を広めることさえもできるだろう。それをせずにぶーたら文句言って屁ひっかけて逃げる貴殿からは少なくとも「情熱」は感じられない。情けねぇなぁ、自称だけの実力者は。そんなもん古びたラジカセでもなれるよ。天才とは存在でなく行動によって成るものだぞ。 ひとつアドバイスをすれば、貴殿のコメントにはやたらに「」が多い。その言葉に特殊な意味が含有されていることを示したいために使用しているのだろう。欧米でいうところのエアクォーツだ。しかし正直言って効果を成せていない。というのは「」でくくった語に全く表記上の意味以上のものがないからだ。明らかに失敗しているのは「一昨日」「自浄作用」「駄目」、一昨日に11/6以上の意味があるとは全く思えないし、自浄作用も駄目もこの駄文の中では表記上の意味以上のものがあるとは思えない。「希望」「発見」は貴殿がその語に対し独自の意味を付け加えた上で使用しているんだろうなとはわかる。しかしそれはもったいぶって「」なんて強調してしまわないといけないものだろうか。「」の多用は文を曖昧にさせる。ここでの「希望」「発見」というものが何を示しているのかちゃんと言語化すべきだろう。貴殿の定義する「希望」と一般的な希望とにはずれがあり貴殿以外は貴殿独自の用法を知らないのだから。 要は「」を多用すると馬鹿に見えるからやめとけって話。 コメントを見る限り貴殿もそこそこにネット詩歴があるようだ。少なくとも私よりある。評価も得られず長々とネットの海を漂流し続けても詮無い。ここでない別の場、己が「正当に評価される」場へ貴殿が辿り着けることを願おう。

藤 一紀 (2018-11-09):

こんにちは。(たとえばそれは、一九七四年のアミティビルハウス的です、)という箇所に、賢治のとある詩を思い出しました。 《眼の中で世界の波が砕け散るようなこんな夜は、 (夜は、冷たい心臓が空き缶のような音を鳴らしてる) 街灯が道や建物を仄かに青く照らし魚になってゆく。》の一連は特に好きです。 かもめさんの試みの一端を知っている者としては、フォントの大小や色が使用できていたらどんな具合にしただろうということを思い浮かべもしました。 ともかく、いつももう少しで触れることができそうなのに、触れることができなくて、やきもきするというかなんというか、うまいこと言えませんが、それだからこそまた触れようとして近づいてしまうようなところがあります。 例えば、 《でも、そうやって感じた何かを、違和感を、 いまもずっと追いかけてい―――る・・。》という感じで。

じゅう (2018-11-09):

拝読しました。リズムが好きです。特に「沁」(み、)[る。]のところがおおっ、となりました。

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透明なひとつ ※B-REVIEW杯不参加   

永峰半奈 
作成日時 2018-11-08
コメント日時 2018-11-08

 

ひとつきりの信号機が明滅する 信号機はいつまでも黄色で どこにも沈んでいかない 誰も見ていないというのに 言葉そのものに意味があると信じていた 子供は困惑する 地球語がわからない! 全く、自分はどこの星から来たんだろう しかもどこにも沈んでいけない 誰も見ていないというのに 誰も見ていない午前四時に 僕はふつりと目が覚めた 昨日の記憶がまだ体に宿っていて 昨日のつづきをしているようだった 人びとの孤独は クモの巣のように街に張り巡らされ 何かを捕らえようとひそんでいる コートの繊維から ネックレスの鎖から 透明な糸が無数に絡み合い、膨らんで 街を構成している 太陽が未明のイルミネーションを照らす 命をどこかに置き忘れてきたような 硬く白いばかりの木々も 誰も見ていないのに どこにも行かず、みずから輝くこともない 僕には海の輝きが熱かった 自然の木々の葉は分厚く、鋭かった 萎びた呼吸をくりかえすサクラの木や 空腹のまま眠り続けるクマは 永遠のような冬に身をひそめている いつか春が来たことは 記憶の彼方にあるのみで 今この身を刺すような風だけが 僕には永遠のものに思われた


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永峰半奈永峰半奈 (2018-11-08):

※こちらの作品はB-REVIEW杯不参加とさせて下さい。

永峰半奈永峰半奈 (2018-11-08):

なお、「記憶の川、真昼の星」を投稿した永峰半奈とは同一人物です。いたずらではありません。登録アドレスを間違えたため同じネームで再登録しました。(運営様の許可済)

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ここから見える景色も悪くないね   

なないろ 
作成日時 2018-11-06
コメント日時 2018-11-08

 

部屋の裸電球が 沈む夕日のように てらてらと反射して 放射線を描いている 空に寝そべる私は 10年前の映画を取り出して 低音がより響き 綺麗なものはより美しく 幼い頃に見た景色がこちらを見ている ここから見える景色も悪くないね


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みうら (2018-11-06):

これいいな。戦ってんな。 現代詩と(笑)。 充実した今と過去をコントラストにして裸電球にメタを持たせる表現がいいよ。 なないろ作品の魅力は自然体なところ。以前は背伸びし過ぎな表現が少しあってぎこちなさに読めた。今も背伸びし過ぎな表現があるんだけど、それが自然体に読めてしまう。つまり自由だ。君は自由を手に入れたんだろうな。少し行くとまた坂道になるかもしんないけど登り切るといい景色があるよ。この作品の通り。いい作品を読ませてもらった。

渡辺八畳@祝儀敷 (2018-11-08):

1連目は私がよくやっていた映像性重視の表現ぽいな、なんて不遜なことを思ったり。 その映像性のまま最後までいってもらったほうが私としては好みだった。「幼い頃に見た景色がこちらを見ている//ここから見える景色も悪くないね」と格言めいた結を入れてしまったことによってこの詩にメッセージ性が付与され、んでそのメッセージ内容は特に興味を持たせるものではないので、端的に言えばマイナス要素になっている。

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ホテル春光   

沙一 
作成日時 2018-11-08
コメント日時 2018-11-08

 

ひとりよがりの廊下の奥 花瓶に活けてある鬱金香 小さな窓から差す陽光が 病的にあかるい 404号室のベッドで 獏が惰眠を貪っている 土手っ腹を露わにして 揮発したウイスキーの匂い 安息を奪われた男は 徘徊せざるを得ない 暗がりで観る絵画に シュルレアリスティックな錯覚を期待して 花盛りの季節は なにもかも明瞭過ぎている ひとには湿った洞穴があることを 医者以外に誰が想起するだろう 夢をみせるのはシナプスの発火 それとも記憶の多重露光 象牙色の壁紙を這う蟻が 迷走神経を象る 明晰夢は鎖されて 麻酔がみつからない 血のいろをした絨毯が 非常口まで続いている


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社町 迅 (2018-11-08):

ホテルという異空間に何があるのか、そこに存在する物には何がなされているのか、そこにいる自分に何が起きているのか、という描写の精密さを感じます。ホテルの飾りさながらに、細工の行き届いた描写だと思いました。

沙一 (2018-11-08):

社町 迅 さま 当ホテルにお越しいただき、まことにありがとうございます。 館内の雰囲気に異空間を感じていただけたなら幸いです。 また、細部にわたる装飾を気に入っていただけたご様子で、大変嬉しく思っています。 またのお越しを心よりお待ちしております。

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無情の情   

らくがき烏 
作成日時 2018-11-07
コメント日時 2018-11-08

 

息を合わせる37兆 息絶え絶えの70億 でもどうやら君たちの代わりなんて腐るほどいるらしい。 それこそ、僕が腐り果てるまで。 季節の風とともにいつか消えゆくニューロンが発火した。 気づかれることなく、悟られることなく。 僕の体を動かす細胞 自由意志は行方不明。 1つ1つの歯車が忙しなく勤務 彼らによって秩序は保たれていたんだ。 僕という体も、この世界も。 そんな彼らにコンビニの募金で一口分の幸せを願おう。 今日も朝の朗らかな喫茶店で眺める ネットニュースに漏洩された誰かの不幸。 週刊誌に掲載された不埒なゴシップ。 今日もまたなんでもない一日が始まる。


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社町 迅 (2018-11-08):

37兆の個人も、70億の個人も、話に聞いてはいるけどあんまり実感がわかない。だって、目に見えない。という共通点が面白かったです。 数を思えば壮絶にも感じるはずなのに、(実感がないから)世はすべてこともなし。という流れに、共感があります。

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美しいと感じる時は(桐ケ谷忍さんの「罪人レプリカ」への返詩)   

まりも 
作成日時 2018-11-08
コメント日時 2018-11-08

 

赤いフィルターを通して世界を見れば 赤いものは視界から消えてしまうように 緑のフィルターを通して周りを見れば あるはずの緑が全て消えてしまうように 醜いものを通して世界を見れば 醜いものは忽然と消え失せて 美しいものだけに取り巻かれた 美しい世界が見えるのではないか 自分の中の怒りや憎悪 ねたみやそねみを 一枚のフィルムに引き伸ばし 心の外に張り巡らして それを通して世界を見渡す 自分の中の醜いものを 見なかったことにしようとする 無益な努力の反復をやめ 薄く引き伸ばして外に押し出す そうして世界を眺められたら どれほど美しい世界が広がるだろう 人として生まれてよかったと ため息をつく瞬間が そこにはあるに違いない フィルムを外してまっさらな目で 世界を静かに見つめることも、時には 必要なことかもしれないが それだけでは足りない 他者の内なる醜さは 自分の内なる醜さである 重ね合わせて消して補い ゆるしあった後に現れる 美しい世界とその様態に 真実、こころ動かされる時 その美しい一瞬があればこそ 人は、人として希望を失わず 生きていくこと 生き続けていくことが できるのではないか ―美しいと感じる時は 見る人の心が美しいのだ― 生涯かけて 気品あふれる麗しい人を彫り続けた ひとりの人間の言葉を想起する 世界に美醜があるわけではない 私たちの心に映る 虚像の世界に美醜があるのだ 美しいと感じる気持ちに 「うつくしい」という名前を付けた 最初の人は誰であったか 「うつくしい」という言葉を 何百年何千年と受け継いで使い継いで 「美しいと感じる気持ち」を守り継いできた人間の奇跡 世界が美しく見えるように生きていこう 「美しい」という言葉を 「うつくしい」と感じる心を 絶やしてはならない


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まりも (2018-11-08):

桐ケ谷さんの「罪人レプリカ」を読んで、思い出したので投稿しました。 以前、『ユリイカ』に投稿して「佳作」になったもの。彫刻家は舟越保武です。 佳作、になった理由は、おそらく、あまりにも理屈っぽい、ということでしょう。 今の私も、同様に判断すると思います。 でも、論理や理屈、が隠れてしまうと、伝えることが難しい「思い」や「考え」もある・・・ それを「詩」として表すべきか。エッセイや評論など、散文にすべきか。 いつも迷うところ、なのですが。 情感のみ、を伝えるのが「詩」なのか、といえば、これまた異なる。 「漢詩」のグループトークが立ち上がっていますが、「漢詩」は「述志」も重視する。 ・・・それにしても、最後の一行、「~ねばならない」が、なんとも青臭い、と赤面しつつ。 このストレートさ、初心忘るべからず、という言葉もあることですし、直さないまま、載せておきます。 ※ビーレビュー杯不参加作品、でした、書き忘れました。

桐ヶ谷忍 (2018-11-08):

こんにちは、まりもさん。 これはまた…驚くほど拙作と対照的な作品ですねえ。 陰陽でいったら私のが陰でこの作品は陽といったところでしょうか。 ただ、やはりというか、当然というか、まりもさんの作品の方が奥深い! 「世界に美醜があるわけではない」以降とかもう感嘆しか出ません。 別々に書いたのに表裏のような作品が出来上がるって面白いですね。 思い出していただけたお陰で良いものを読ませていただきました。 どうもありがとうございます~!ぺこり。

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触れ合う   

帆場蔵人 
作成日時 2018-11-07
コメント日時 2018-11-08

 

右の頬を叩かれ 左の頬も叩かれ まったく叩かれてばかりだ 女に叩かれ振られ 男に目つきが悪いと叩かれ ふらふらして肩がぶつかり叩かれ まったく叩かれてばかりの人生だが ぼくだって毎日地球を叩いている 歩いて、走り、たまに密やかに 人知れず踊ってみたりする そうすると地球が叩き返してきて 鼓動は高鳴り、どこまでも飛べそう しかし雨だ、雨が降ってきて 百万回は叩かれて ふらふら 肩がぶつかり叩かれる あぁ、まったく上手く出来ている ひとは大地を耕し、牛馬が草を食む 工場地帯の黒雲はいつか嵐を孕むだろう 生命は叩き叩かれ、どんどんと草木の芽は 息吹いてゆき、密かに交わされる密談が マンホールの蓋を揺らして、ひとが落ちる まったく上手く出来ている ふらふらしてたら だれかにそっ、と抱擁されて鼓動が 打ちあい、心臓の歌が聴こえた 下水道やそこに生きるどぶネズミの糞 街かどでだれかが無造作に咀嚼するパン 死にゆくひとの吐息から 指さきにふっ、と止まる 秋茜のように ちろちろ、萌えて掠れて ひゅるりら、ひゅるりら、流れ 流れ、流れて、雪崩れ、泣かれて 心臓はなる、歌え心臓、耳を地に落とし あまり無造作に地球を 抉らないでくれ、奪わないでくれ 垂直に地球を見下している ぼくらが言うことなのか あぁ、わかっている同罪なんだ なんもしてねぇ、からさ だから、せめて優しく叩いて 叩き返されよう、それは抱擁になるのか? 昔の偉い方が 右の頬を叩かれたら、左の頬を 差し出しなさい、などと言われたので 叩かれてばかりなのである そんなわけでぼくはちぃ、と ばかし馬鹿になってしまい 馬鹿だから、とりあえず悪賢い考えも 浮かばない、人畜無害なやつに なってしまえたら、どんなに幸せだろうか 優しく頬を叩きたい、叩かれたい いつだってそっ、と差し出すのだ


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桐ヶ谷忍 (2018-11-07):

こんにちは、帆場さん。 叩く、という行為はそれこそ前半に書かれているように、物を、こころを、関係を壊すものでしかないと思っていました。 でも後半の、この優しさに満ちた叩く、はとても斬新な発想の切り替えで、おお!と目を見張ってしまいました。 なるほどこういう叩き合うという「触れ合う」があるのですね。 前半はタイトルとギャップがあり、後半はタイトルに即し、とても面白かったです。

帆場蔵人 (2018-11-07):

叩く、にもいろいろな意味がありますよね。ハグして背中を叩きあったり、赤ん坊をあやす際にも柔らかなタッチをする。また詩の前半のように拒絶としての叩く。触れ合うときに肌で感じる鼓動とか。叩く、は触れ合うことにもつながっていくのだろう、と考えながら描きました。若干、とっ散らかったかもしれませんが楽しんで頂けて嬉しく思います。

ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-07):

人間同士の関係にとどまらず、物質宇宙はなべて「やって-やられる」「行って-来い」「作用-反作用」の連鎖にはまっておりますな。目には目、歯には歯のこの地上世界こそまさに無間地獄。なればこそ「右の頬はたかれたら、左の頬差し出したったらええやんか」というのはキリストの天才的な飛躍だったわけです。 悲しき人間の性をしっかりと自覚しつつ、それを超越する力を(神か仏か分りませんが何者かから)与えられている人間の良識への信頼が、ユーモアただよう実直な語り口から自ずとにじみ出してきます。薄っぺらなヒューマニズムでもなく苛立たしく傲慢な社会批判でもない、人間性への平明な視線と愛情が静かな感動を呼ぶ作品でした。

帆場蔵人 (2018-11-08):

ishimuratoshi58 さま コメントありがとうございます。作用、反作用の連鎖。読みながら、なるほど!と書いた本人が勉強させてもらいました。そうですね。ぼく自身がヒューマニズムなどの言葉を安易に使うべきでなく、あるがままを見つめたいという思いが常にあります。そういう眼差しで詩を描きたいと思っています。

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眠気   

蔀 県 
作成日時 2018-11-07
コメント日時 2018-11-08

 

虫がちょろちょろしている 叩きつぶした 今のが映画だったらどうだろう カメラは忙しない虫を捉えている 虫は病院の領収書の上をちょこまか動いている 急に 曇天のような影が よぎったと思うと 衝撃音! 次の瞬間にはいっさいが闇になる 暗いまま ジーッというフィルムの音 …… ここ最近の夜はほんとうに冷えこむ


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ishimuratoshi58ishimuratoshi58 (2018-11-07):

すぐれた詩は常にロジック(何かが理に適う、適わないという合意の体系)を超え、その小宇宙内の独自のロジックを提示するものですが、この作品はそのみごとな一例です。むろん、結尾の一行「ここ最近の夜はほんとうに冷えこむ」の意表を突く飛躍のこと。 虫を叩きつぶすというふとした行為から発して、その瞬間への想像が展開する部分の簡潔、正確な叙述も魅力的ですが、想像が「……」で締めくくられ、あまりにも自然に洩らされる末尾の「冷えこみ」という感慨が、実に動かしがたい実感をもって読み手に沁みこんできます。 無駄なものは一切なく、語られていないことも一切ない。小さな詩宇宙ですが、すべてが所を得た、したたかで完璧な小宇宙がここには存在しています。名品です。

蔀 県蔀 県 (2018-11-08):

ishimuratoshiさん コメントありがとうございます。過分な評価をいただけて、恐縮しております。

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オオサカダニケ 10月 選評 大賞のみ   

オオサカダニケ 
作成日時 2018-11-07
コメント日時 2018-11-07

 

三日月に 岩垣弥生様 この詩には「風に馴染んだ旅人の睫毛」というルミナスラインがある。ルミナスライン意外の、技巧、言葉選び、斬新な形式などは、ルミナスラインを思いつけない人間の言い訳だ。この人の他の作品にも一つだけルミナスラインがある。この人を見習いたい。この人から学ぶ。この人を模倣する。みんなも彼女を模倣すればいい。本作の「風に馴染んだ旅人の睫毛」をそのまま模倣してもいいと思う。 創作は模倣から始まる。 シェイクスピアもデビュー後しばらくは模倣していたらしい。なにがなんでも


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stereotype2085 (2018-11-07):

オオサカダニケ様、度々失礼します。運営のステレオです。現状、一作品だけの「選評」はフルキュレーション扱いにならず、このままではオオサカダニケ様の「選評」はワンポイントキュレーション扱いになってしまい、ご指名の作品は「推薦」となります。今一度岩垣弥生様の「三日月に」を大賞候補に推していただくには、フル選評を書いていただき、優良三作推薦四作を目処にあげていただきたく存じます。その旨ご理解のほどを。よろしくお願い致します。

オオサカダニケオオサカダニケ (2018-11-07):

わかりました、推薦でいいです

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