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墨
朝焼けをたよりに セーターの毛玉をとる 畳の部屋、生と死 ヒノキの香りかすか 静止した水面のように きみが眠っている
墨 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1428.4
お気に入り数: 3
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2024-01-23
コメント日時 2024-01-31
項目 | 全期間(2024/12/10現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
情緒的な記述だと思います。そこには、物の意味というものがある。それは、人間にとって 知りうる範囲の。きみだけが、私自身の世界に現れた奇跡なのでしょうね。
0言葉に含まれる恣意的な厭わしさを排除した作品だと思います。朝焼けをたよりに セーターの毛玉をとる、という連は手に取るようにそこにイメージが浮かび、他方、生や香りにある寿命であったり、硯に満ちる黒色の液に映った顔を読み手として想像してみたりすることを、表題の持つ役割が受け皿になりきれず、頭の中で他の連と上手く綯い交ぜにできないように感じました。それは筆名を伏せて投稿されたとすれば、際立ってくるようにも思います。
0鍛え抜かれた、簡潔な叙述が見事、でございます。 現代の叙景に、どこかしら古色蒼然たる美意識が重層的にも通底をしており、 複層的な視座から記述をなされた御作であると感受を致しました。 「朝焼け」=焼跡、セーターの「毛玉」=蹲る焼死体の姿形、とは、多分読みを穿ち過ぎでしょうけれども。
0ChatGPT:「墨」という題名は、抽象的でありながらも深い意味を秘めた詩の性質を表現しているかもしれません。 それぞれの行が一筆一筆の墨のように、独自の深さや質感を持っていると考えることができます。 atsuchan69:ええと、ボクよりも AI の方が読解力あるんで。
0墨、と見ると私はいつも水墨画の儚さを想起させられます。 日本人の趣きがかつて、水墨画に向いたのには、今浮かび上がる生命の産声にも、消え掠れゆく生命にも捉えられる曖昧さにあると聞いたことがあります。 この詩にも、その淡さが表れていると思います。朝焼けという第一連が一日の始まりとするなら、第二連は昼、第三連は夜、のように、なだらかに動いていくようです。 そして裏にはしっかりと、生と死を跨ぐような境界線の昼、水面により死を想起させながら夜空の青さも表す夜、というように一日≒人生の二層構造が組まれていると思われます。 第三連で、自分にではなく他の誰かを偲ぶような焦点の動きにこの詩の美が在ると感じました。 良い詩をありがとうございます。
0嫌気がするほど神聖で取り返しがつかないほど透明になるための過程
0眠っているひとがいるとちいさい明かりもつけづらいですよね。どことなく全体から死の匂いがするような詩だと思います。
0あまり短い詩は好まないのだけど、完備さんの詩だからこそ、積み重ねてきたことから、この詩はとても深く読み解けるようにある。ぱっとみて死を連想させる光景が広かる。けれども、じっさいはそうじゃない。けどそれを思い起こさせるように今と未来の死をリンクさせてる。たとえばセーターの毛玉を取るということ。まちがっても毛玉取り機でうるさく簡単に取ったりはしない、指でつまむという仕草、毛玉ができるほどの着古し、これ、視界に文としてあること以上に侘びしく寂びしく、あるもの、として、とてもシルエットとして見えてくるはずだ。一連目だけで、墨というタイトルだけで今の強さを未来の儚さを色して視界として、充分な世界を感じ取れるはずだ。正直2連目の生と死、三連目の眠っている等。不必要に書きすぎ読み手に媚びているきらい、傾向も見受けられる(と私は思った。)完備さんの詩は一貫してひとつの文面以上に仕草や世界観、その思いなのが毎回丁寧に重なり合い詰まっている、そういった詩の貫かれている姿勢、もっと研ぎ澄ましていってほしいなと、私をもっと楽しませてくださると嬉しく思いますm(__)m ついでにこれ名無しで出されてたらこめんとしないなと……さいきん書き手がどんなことを込めているのか、いってしまえば一貫した手癖みたいなものではありますが、その書き手を尊重し読み解くことの大切さを面白さを感じはじめています。
0A・O・Iさんのコメントは鋭いですね
1生と死のあわいにきみが眠って居る。静止した水面は、川に行かなくても、沼に行かなくても、湖に行かなくても、海に行かなくても、畳の部屋にあるじゃないか、居るじゃないかと、この詩は言っているような気がしました。
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