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ゆく
うすいろに光る午後の裏口まで となり街の長い雨が 後ろ姿にくっついてくる あなたの不在に慣れるより早く 引かれるカーテンは幕のようで 立ち尽くしていた気がする いつまでもはじまらない舞台で 言いたい台詞があったことも 忘れていたかもしれない どうして優しくできなかったのだろう あなたはわたしを あれほど愛してくれたのに どうしてあなたを 傷付けてしまったのだろう 明日の天気を確かめる振りをして、 たましいの裏で繰り返す声が とおくまでひびくのは 霧が濃いからか あなたのお母さんに貰った あなたの〈祈りのノート〉のコピーを 付箋を貼りつつ読み進めれば 「ゆいが悲しくありませんように」 というひとことに打ちのめされ、 手を洗えば 爪の間だけやたらと冷える (汚れをすすぐための水も (宇宙のどこかで光るのかなあ あなたが飛び込んだ駅のホームで お互いの人生で一度だけ 目が合う他人とすれ違い 通過する特急がきりさく風の強さに 目を細めてゆくさきを見ている
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ゆく ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 811.7
お気に入り数: 0
投票数 : 4
ポイント数 : 0
作成日時 2026-01-01
コメント日時 2026-01-04
| 項目 | 全期間(2026/01/06現在) |
|---|---|
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


完備さんの詩はどこか落ち着きがある。 今作と同じくかなり静けさに満ちた気品の『定義 』や、名前がちょっとぶっ飛んでるけど、まるで粗野さを感じさせない『sex, sex, sex,』、『sex friend』に至るまで……。 >たましいの裏で繰り返す声が >とおくまでひびくのは この部分が今作では結構好きな表現。
0なんだろう。 今回の詩は、完備さんにしては、出来が悪い感じ。 繊細さがたりないのか、褪めて書いているのか、 ことばの震え方が弱い。
0耐え難い喪失が、落ち着いた筆致で描かれている。作中話者の現実逃避としての手洗いが、ひと回り大きい世界へと読者を導いたあと、喪失の核心が描かれ、読者は、冒頭からの情緒纏綿とした心理描写の理由を知らされる。 良いと思います。
0恋人が自殺したのかもしれません。ホームからの飛び降り。「祈りのノート」が印象的で、形見の品を通じて見えて来る二人の絆みたいなものが、象徴的でした。
0こんばんは。本当は僕などがコメント出来るような言葉は見つからないのですが、魅力的なので。 >>(汚れをすすぐための水も >>(宇宙のどこかで光るのかなあ この瞬間を見たいですね。 >>あなたが飛び込んだ駅のホームで この連からは言葉にできないような慟哭というのか悲哀というのか ながれこんで来ます。 >>お互いの人生で一度だけ >>目が合う他人とすれ違い この付近の描写。 あのホームに居る瞬間の、あきらかな胸がひりつく痛みというのでしょうか。嗚咽。それも静かで見えない滝のような汗?泪 心臓に胸に青いまま冷たいまま ぬるいまま滴る… >>目を細めてゆくさきを見ている 「それでも、いきる」 という側に立つ覚悟、でもなく 決意、でもなく なにか別の倔いもの。確かなもの。でも、壊れるかも知れない。 そういった繊細な 小さな羽根のような想いがぎゅと集まって 特急に乗ったまま呼吸を攫ってしまいそう そんな気持ちで読ませて頂きました。 本当に言いたいのは 良い、一言 それで済む話なのに書いてしまいました。
0詩にある あなたが飛び込んだ駅のホームで という一節がとつぜん「極限の自己承認欲求」 ということばに名を変えて、 通過する特急の轟音とともにひらひらと、風 におあられてどこかへとんでいった。 人はなぜわざわざ駅まで出かけて頭から列車 の前に飛び込むのか。自殺にふさわしい場所 がすぐそこにあるという利便性、自殺の所作 の簡易性、自死成功確率の効率性といった現 代社会の利便性や効能優先の特性がすべて 「駅の飛び込み」にはある。そして大衆の瞠 目、大騒ぎ、規律正しい運行計画の破綻とい った管理社会への一時的報復がある。しかも 列車だ。どこかへ人を連れて行く鉄道。 詩的でもある。ほんと「飛び込み自殺」って 現代社会をまるごとパックにした世界だと改 めて気づいた。そしてこの詩は意識的にか無 意識にかその背景を浮き上がらせて、なにか 悲劇的な出来事をさらに深くしているような 気がした。
0完備さんの書く魂が「ゆく」ところって 何処なんでしょうね~不思議な余韻が残りました。
0「他者の喪失」というものをこれ以上もなく書かれていて感動しました。
0ChatGPTが書いたような感想だなぁ
0本人が書いてます笑
0あら、ごめんね。
0素敵な感想をありがとう
0無駄な言葉がほとんど見当たらないというところが、いつもすばらしいなと思います。 >お互いの人生で一度だけ >目が合う他人とすれ違い ここは切ない、詩的な表現でさらりと書かれていますが、とてつもない悲劇を内包している箇所だと感じました。 そのさきに続く表現も読ませますね。
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