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夢だったんだね
夢は記憶を整理するもの そんな話を聞いたけど 嫌なことは何も忘れてくれないし 覚えたいことは勝手に忘れる 夢を見た。 クラスでいちいちイジられて いつも万引きさせられて 財布の中身は空っぽで キモいキモいと罵られ 最後は窓から飛び降りた。 でもこれは事実じゃない。 夢は記憶を整理するもの。 夢は記憶を改変するもの。 夢は記憶を夢にするもの。 あの頃の僕は、無視されてた。 夢だったんだね、 誰かにイジってもらうのが。 夢だったんだね、 誰かにかまってもらうのが。 夢だったんだね、 いじめられても無視されるよりはマシなんだね。 夢だったんだね、ぜんぶ。 夢の世界から帰ってくると 灰色の世界にひと筋の光がさしていた。 僕は慌ててカーテンを閉めた。 夢だったんだよ、ぜんぶ。
夢だったんだね ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1080.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-11-14
コメント日時 2018-11-19
項目 | 全期間(2024/12/13現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なかなか難しいぞこれは。 いわゆるポエムな雰囲気を纏いながら、夢というものの考察を踏まえての詩構成があり、覚めた後の行動も示唆的。
0渡辺八畳@祝儀敷さん>コメントありがとうございます! 夢って「将来の夢」という使い方と「寝ている時の夢」という使い方と違う意味だなと思っていて、さらに「夢の世界」ってたいていものすごくポジティブな事を思い浮かべるものですが、ものすごくネガティブな事も夢になるのかな?とも思い始めて、それを整理する過程でこのような形になりました。 カーテンを閉めるという行動には、朝日を遮断する=現実の世界の訪れを拒否する=また夢の世界に戻っていくという意味を込めてみました。「夢の世界」のほうが少年にとってはマシでしょうからね。
0何だろう。詩歴はまだ浅いと聞いていたのに、物凄く現代詩の面白味を柿原さんは突いてくるように思う。願望としての夢と、夜見る方の夢を巧みに使い分け、過去のトラウマや心の痛みをエンターテーメント、つまりは読めるものとして完成させている。このテクニックはなかなかのものだと思う。これからもビーレビをその向上心で盛り立ててほしいと、運営の一人としても思ったステレオさんでした。
0stereotype2085さん、コメントありがとうございます! 上手く昇華出来ているみたいで安心しました。 ビーレビのおかげで新しい自分の発見や昔の自分との向き合い方がだんだん分かってきたような気がします。これからもよろしくお願いします!
0私は小学生から高校生までいじめを経験しましたが、「イジってもらったりかまってもらうことが無視されるよりもマシ」という感情が新鮮でした。 「灰色の世界にひと筋の光がさしていた。」という行で、私は『この少年は夢から覚めるのか』と感じましたが、少年はカーテンを閉め再び夢の世界に戻っていくのですね… ありきたりな言葉ですが、これは深海のように深い詩です。柿原さんの「夢から覚めなくてもいいんだよ」というやさしさを感じました。 ありがとうございました。
0alice1017さん、コメントありがとうございます! あまり良い思い出ではなさそうなものを思い出させてしまったようで少し申し訳ないです。 本当は現実世界の方が楽ではあるんですよね、多分。でももしも「夢」の方が「夢の世界」ならば、僕はきっと覚めなくても良いよ、と言ってあげるでしょうね。本来望まないことを望んでしまう、矛盾したおかしな感情なのかもしれませんが、それこそが人間らしさなのかもしれないなと思います。 深海に潜るように、深いところまで潜って、戻ってこなくても良いんだよ、と言ってあげたいです。
0拝見しました。 貴音さんの選評の時から勝手に敵視してきたワタクシですが、これは、その実力を認めざるをえません。素晴らしい作品だと思います。 複雑な技術を用いた詩がスパゲティプログラムの様なものだとすると、これは適切に簡潔に、かつ緻密に計算して作られた非常にスッキリしたコードのようです。 夢だったんだね、の連呼は置かれている現実からの逃避のようにしつこく、粘着的に続きます。その様は主人公の置かれている現実の厳しさを如実に表しており、連続した語のテクニックを巧みに使用出来ているように思いました。
0ふじりゅうさん、コメントありがとうございます!素晴らしい作品といっていただけてとても嬉しいです。 まだまだ複雑な技術がどのようなものなのかも分かっていないですが、逆にそれが良い方向に向かったみたいですね。安心しました。 夢だったんだね、の部分はふじりゅうさんの仰る通りで、夢だったんだねと言いつつも夢じゃなかったら良かったのにと思っているのをイメージして表現してみました。
0ふじりゅうさん、コメントありがとうございます!素晴らしい作品といっていただけてとても嬉しいです。 まだまだ複雑な技術がどのようなものなのかも分かっていないですが、逆にそれが良い方向に向かったみたいですね。安心しました。 夢だったんだね、の部分はふじりゅうさんの仰る通りで、夢だったんだねと言いつつも夢じゃなかったら良かったのにと思っているのをイメージして表現してみました。
0良い。 だけど、嫌い。 それもかなり。 昔を思い出した。 最初に思い出したのは 吃音の私が文化祭の合唱コンクールで 熱の入りすぎた同級生に呼び出され言われた事 「私達が勝つ為に歌わないで欲しい」 私は結局体育館のステージで口パク そして、優勝。 先生に頑張って歌えたなと褒められたこと 別に歌ってないのにね。 一部の人は感極まって泣いてんの。 楽しい文化祭過ごしてたの。 ほんとに、色んな場面の嫌な事を思い出しましたよ。 私にとって、この詩は強い感情を動かします。 私の人生は今後なんか面白いことが有るのかさえ疑問になるくらいに。 この詩に書かれてるような経験の類いがもし無いのなら 羨ましいし、ちくしょうです。 繰り返しになりますが この詩は私の心を動かした詩 良い だけど、嫌い。 私の人生、こんなんばっかだった そして、この先も困難ばっか…
0貴音さん 良い、でも嫌い。率直な感想をありがとうございます。すみません、嫌な思い出を思い起こさせてしまいましたね。ちょっと罪悪感。ごめんなさい。
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