白い靄のかかる空にフラッシュバックが。
予祝か、祝福そのものか、
僕の目に飛び込んでくるのはツバメの群れが、
一斉に北上する、天井画にも似た、
自然の美。
ゴミ箱の転がる路地裏を抜けて
暗がりから急くように飛び出した、
暗喩めいた孤児としての僕らは、
蒼穹の歓迎を受けるべくして受ける、
予言者の末裔。
アナタハイママデヨルノカタスミニウズクマル、
ルロウノオトコデシタネ、
デモモウタメラワナクテイイヨ。
朝方のアーケード街には、
もう音楽がけたたましく鳴り響いている
まるで動き回る都市を称えるかのように。
もし乱雑な言葉が連なり
脳髄をぶっ壊すことだけが目的の
淡白なポップソングに
熱狂する群衆がいるとして。
だとしても、
ほっとけよ、そりゃ奴らの勝手だ、
代わりに僕も好きにさせてもらう。
∮ 夜通し飲んで酒の抜けきらない、
どこかの起業家がスマホ片手に悪態をついてる。
奴がネットで喧嘩してるのが
鏡に映った自分自身の醜い本性だとしら
それほど滑稽なことはないね ∮
追従者のイエスマンだけを侍らせたいなら、
そばにいるのは、AIだけでいいじゃねえか。
2025も終わろうとしているのに一向に、タイムリーパーの世直しは終わらない。まるで循環する悪夢のように、それは続いていく。憂うつな夜更けは過ぎたというのに、まだまだ僕らは笑顔になれそうにない。
騙し絵に満ちた世の中で、社会構造の中で、
ただ一つ僕にもたらされるものがあるならば、
それはただ一人、君に寄り添う力。
騙されても騙されてもおそらく、
妙に偏屈な、
変わらない、もの。
作品データ
コメント数 : 22
P V 数 : 1165.4
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-12-20
コメント日時 2026-01-03
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/01/15現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
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閲覧指数:1165.4
2026/01/15 03時23分25秒現在
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センスある選語といい、冒頭部分から入っていける作りですね。 何よりもこのタイトルが反語的にいい。 と僕が感じたのは「大空に余剰」 青空に白い雲。 もともと色のない空間を光りによって我々の眼は騙されて眺めているわけだ。 そんな世界を覆う空間にははじめから余剰だらけなのだ。 それはシステマティックな社会も同じことで、 我々は常に夢や希望を持つことを与えられている。という、 騙し絵と知って絵の中で騙されている快感という喜びの矛盾。 僕らには選択の余地もないのだろうか。
0アラガイさん、コメントありがとう。この詩はひさびさに快心の作品ができた、と思っていて、印象的なフレーズ、言い回し、そして多くの「意味」が散りばめられていると自分でも感じるんだけど、中でもめだたないが重要なのが、「君に寄り添う力」を「妙に偏屈な」と形容したことだと思う。もしこの一節がなかったら、騙し絵に満ちた世界をうんだこの詩自体も「騙し絵」になっていただろう。この妙に偏屈な、というフレーズはとても誠実だし、刺さるほど正直だ。この詩が成功したとしたら、詩の完成度プラスαの、この誠実さにヒントが秘められている。 にしても、この詩は快心の出来だったんだが、アラガイさんの何かを考え込んだような深みのあるコメが、今のところ一つ。それが色んな意味でとても象徴的だと思う。
0> 暗喩めいた孤児としての僕らは、 かっこいいワードですね。作品全体の雰囲気も個性的でした。読ませていただきありがとうございます。
0この詩を読んでいると自分が重なってくるのです。 大空を飛び交う余剰。 一昔前まではワイヤードとか言って、まるで未来へ開かれた神のように崇めていた。 それがいまでは誰しもが簡単に掌に掴み、必要以上に混乱を強いるだけのネット空間に陥り、 況してや生成AIの出現というフェイク模様に彩られ、我々は何を確信に生きていけばいいのかという。 その中で取り残されるのは、わたしのような使い道のないゴミ溜めなのです。
0ハツさん、コメントありがとう。暗喩めいたというフレーズが、ただのたとえや暗喩に終わらせない何がしかの効果がありますよね。嬉しいです。
0アラガイさん、再度のコメントありがとう。昨夜はM1の決勝を観て、本当に楽しくて仕方なかったんだけど、人間には陰陽がある。M1のような光り輝く場所もあれば、陰りのある場所もある。どちらも双方、適度に注視しなければ人間の全体像は見えない。そう考えるとこの詩はやはり暗い。陰りのある部分から発信されている。だが陽の部分と根っこは同じだと感じる。アラガイさんが自分と重なると言ってくれた部分は、どこか、いつか、日の当たる場所と繋がっていると僕は信じている。それほどこの詩には強いエネルギーがあると僕自身感じる。それはアラガイさんに「取り残される自分」という視点を持たせるほどのエネルギーだった。AI、フェイクそしてネットという巨大な居所に僕らは寄りかかっている。そこに是々非々が入り込む余地がないほどに。日常。僕らは新しい日常に生きて、そして生きながらえなければならない。そんなことまで深刻に考えてしまった。「創作」のパワーは強い、とあらためて感じる。
0おーっ!カッコいい! これは黄昏ロックって感じ。 カタカナ部分が予言になってるんでしょうか。 クールだ。
0レモンさん、コメントありがとうございます。グール。クールですね、たしかに。この詩を書いていた時は心情がとても安定していて良作が書かれるべくして書かれたという印象でした。つまるところも、破棄するところもほぼなく、という。いい出来だったと思います。
1えーと。 クール。英語で「カッコいい!」をクールと言います。
0ありがとうございます。誤字ってしまいました。
1ツバメとかよくわからなかった。 愚痴のようにも読める。 ツバメって自然の美なんでしょうか?イメージ掴めず残念でした。
0お久しぶりです。視覚的にとても綺麗だと思います。 メッセージ性が淡い分それがよりクリアに見えます。
0それは残念でしたね、また今度。
0リンクスさん、お久しぶり。コメントありがとう。視覚的にとても綺麗だ、この詩は。実はメッセージ性は潜んでいるんだが淡いように見えたのなら、ますますこの詩は上手くいった。そういうことだと思う。例えば声高に政治的発言を詩中でしても、それは作品の完成度という点では乏しい場合もあるからね。この詩はよくできてる。満足している。
1ひさびさに快心の作品ができた、と思っていて、 印象的なフレーズ、言い回し、そして多くの 「意味」が散りばめられていると自分でも感じるんだけど、 中でもめだたないが重要なのが、「君に寄り添う力」を 「妙に偏屈な」と形容したことだと思う と 投稿者が満足しているのだから何もいうことはないね。 おめでとう。
0takoyoさん、コメントありがとう。 takoyoさんの暗に秘めた手厳しいコメント、感謝する。
0自信たっぷりな発言にはちょっとな、勘違いしてるんじゃねえの、とか、 普通は思うんだけど、いいよ。本気ならそれでいい、唯我独尊を通せばいい。 僕は先日アルゲリッチのラフマニノフピアノコンチェルト3番を聴いてそう思ったよ。 彼女普通に弾いてないんだ。 技術はもちろんだけど、驚くほど個性に弾いている。 まるで音楽の精霊に取り憑かれたような凄まじい演奏だった。(動画は古いし録音も佳くはないけどね)。 それでも音聖の魂を伝わってくる。 フェイバリット!彼女はそう言って二度と同曲は演奏しなかったらしい。 普通を目指しちゃ駄目なんだね。 大法螺吹くくらいの自信。 大事だよ。
0アラガイさん、3度もコメントありがとう。2回目のコメは俺も昂って、言いすぎたかなとも思ったけれど笑 アルゲリッチさんのエピソード、印象的ですね。よく言われる根拠のない自信、とか確信。大事ですよね。それがこの詩にはあったので力を入れて、強めにコメをしてしまった(特に2度目笑) でもこの詩の大きな収穫の一つは、アラガイさんと真剣にそして何より丁寧に、二人面と向かって話し込むようにやり取りできたことだ思う。いい時間だった。
0寄り添う事で形作られる人間愛を感じました。
0最初の二連の空の描写が印象的で、この詩に入っていけました。三連目の片仮名だらけの連。夜の片隅に蹲る流浪の男。四連目で音楽が都市を称えている。五連目にはJPOPに対する批評意識が感じられました。六連目の悪態をつくスマフォ。七連目の奴を通じて鏡に映った自分の本性を探って居るのか。八連目は自嘲のようにも、AIに辟易して居る様にも見えました。九連目、世直しのタイムリーパー。笑顔になれそうにない僕ら。十連目、騙し絵と君に寄り添う力。十一連目、騙されても騙されても、十二連目、偏屈で変わらないもの。何か羅列しただけのような評言になってしまいましたが、この詩を概括できたような気がしました。
0欄干さん、コメントありがとう。人間愛にまでたどり着けばいい、だけどこの詩ではおそらくまだ一人の愛する人を支えるで留まっているかもしれない。だがそれがリアルだ。
0エイクピアさん、コメントありがとう。明けましておめでとう笑 うん、この詩は構成的にも凝っているし変転にも満ちている。音楽でいうならば変拍子や、転調がいくつも配置され、なおかつ構成的に整っているという印象の詩だ。概括してくれたおかげでまた見えるものが一つあった。自嘲はなかったと思うが、そういうちょっとしたやさぐれ感を出したのは確かだ。ありがとう。
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