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自立する水色の娘
1. 彼女はいつも 水色のワンピースを着ていた 豪雪の日でも着ているんじゃないかというくらいに それはもう徹底していた その朝 枯れ木から一滴の雫が落ちた、 空は青い― ―「いつの間に…」と彼女は指で アスファルトに落ちたそれを掬おうとするも それはもう紋になってしまっていた 2. 季節は巡り 夏が訪れようとしていた 昼下がりに2人畑を歩いていると 気づけばアゲハチョウが右後ろから舞って来て やはり水色の隣で揺れながら離れない 呆けたように固まる彼女 そっとその白い左手指を 盗むように触る僕 もっぱら一方的になぞるような そんな初めての手繋ぎ(?)だった 3. 湖畔に行きたいなと彼女が言うから 大津市の地図帳を買って見せると 彼女は急に泣き出してしまった 僕は意を汲んで 今度は彼女の右手指をしかと包んで 夢見る湖畔の話を始めた たくさんのさつまいもが"成っていて" 白や茶のウサギたちが膝元へと寄ってくるんだ 次の日彼女に会うと "そんな湖畔はどこにもないのね"と彼女は言った 相も変わらずワンピースは水色だったけれど その瞳は冬の湖面のように澄んでいた 4. 冬がまたやって来た 遅々として進まない関係に 今や僕の方が虚ろになっていた 雑踏のさなかを歩いてきたのと言われた夕刻に 彼女は悪びれもせずに男の影を纏っていた 冬枯れの街で水色を汚した視線を 掴まえることなどできっこない "なんだかぼんやりとしてるね?" 樹氷のような瞳は憎らしいほどに 美しく自立していた
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自立する水色の娘 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 611.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-12-20
コメント日時 2026-01-08
| 項目 | 全期間(2026/01/15現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


こんばんは。 徹底していつもおなじものを着るというのも 一つのルーティンというか 心理的な平穏を求めてのことではないかと 考えたりするのです。 >>樹氷のような瞳は憎らしいほどに この表現 きりりとしていて良いなと思いました。 >>その瞳は冬の湖面のように澄んでいた この水色の娘の内面の描写と言うんでしょうか、彼女の視線、だろうか、または"僕"から見た視線なのかもしれませんが なにやら闇の匂いも感じてしまいます。 氷柱のような 刺さる 水色の娘の心境を受け取りました。 例えば誰にも 触れられることなく 彼女は自立して居たいのだろうか? そんなことも考えました。
1いま振り返ると、"樹氷のような"と言ってみたかった的な作品かなぁと(苦笑) ただご指摘いただいたように、自立への希求についてはそれなりに表現できたというか、そういった折りにつきものである、自立と孤立の混交といったものも匂わせることはできたかな、とは思います。ただやはり、いかんせん読者に投げすぎな感じを受けるのです。
1お返事ありがとうございます。 以下は 横槍の風船のたわごとと 聞き流していただければ幸いです。 僕の場合は、もしも "樹氷のような"が自分の中で強いイメージで残る場合は、それ自体を一本の物語の筋として、 樹氷を中心に 何作か違うテーマやお題を決めて書いてみたりします。 その時、題名にインパクトをもたせようと 樹氷を絡めて キラー/パワーフレーズを探したりします。 1. 樹氷で恋愛ものを書く 恋愛と言っても悲恋もあれば片恋もあるし 成就するまでを書き切るものもある。ハッピーエンド、メリーバッドエンド、バッドエンド…みたいなイメージです。 2.樹氷で優しさについて語る 優しさに限りませんが、感情と絡めて表現できないかは、探ってみます。 3.樹氷と他のイメージを繋げてみる 冬だったら 例えば雪だるまや手袋やマフラー あえて火のイメージと近づけてみたり。向日葵とか季節違いのイメージと繋げてみたりもするかもしれません) そうしていると自分の中で これはかならずこの作品に必要 削れないフレーズが出てくるので、 それは動かさない。 あとは気に入らないところ(文章やフレーズ)をヤスリで削って削って形をさらに自分の思う詩のかたちの 丸みに近づけていく。 この時に全体を見回して構成をチェックしていないと、足したり削ったりした時に アンバランスになることも多くて 僕はかなりそれに苦労します。 樹氷は僕の破れた恋をちぎり絵にして笑っている ライターで樹氷を焼き切った。 雪だるまの隣に聳え立つ樹氷は 憎しみで育ったんだろうか。 なぜ樹氷の隣に 向日葵なんか咲いているんだろう。 こんな感じで 一個一個は 連結していないですが 納得行くまでまずは この一個一個の フレーズを考えるのを、僕はよくしています。 自分の書く時の感覚をお伝えするのがあまり得意でない(言語化が苦手なので) 分かりづらいと思いますが そこはすみません。 僕も長文であれこれ書いてしまう性質なので、長いかな、と感じたら思い切ってばっさり削って、全体のバランスを 考え直して あれはいるかも、やっぱり入れたいな、でもこれは妥協して読み手に委ねてみようか、と 探り探り書いています。 なかながと失礼しました。 単なるお節介ですので 気を悪くされませんように、 はちみつさんが読者に投げすぎと感じておられるようなので、 僕なりの文章の書き方を飛ばしてしまいました。 ※返信はなくても大丈夫です。 お節介失礼致しました。
1何度もありがとうございます。夢中で拝読しました(!) >全体を見回して構成をチェックしていな>いと、足したり削ったりした時に アン>バランスになることも多くて >僕はかなりそれに苦労します。 僕などなんというか、作詩時間の8割ほどをこれに費やしている感じなのですが、それでもバランス感覚をイマイチ獲得できてません(笑)最新作も長くなってしまいました(汗) ごく軽いものから始めてもうすぐ7年になりますが、その道の険しさに、ときに唖然としてしまう今日この頃です。めげそうになることもありますが、何より楽しいので続いています。日々を彩ってくれる大切な友として、気長に付き合っていければと思います。 とくに3が、いまの僕にとって課題かなと思いました。新規でありながら腑に落ちる、そんな繋がりを求めていきたいですね。
1色を使った表現が独特で素敵だと思いました!特に最後の2行も良いなと思いました。
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