早朝の飯田橋駅ホームで
警察に保護された
黄色い線の前で
放心していたらしい
係官の取り調べにも
まったくの上の空
妹が駆けつけた昼下がりには
親指の爪を嚙みちぎっていた
どのみち残されているのは
付録みたいな余生だから
辛い仕打ちには一通り遭った
あとはお迎えを待つばかり
新宿駅に着いたら
トイレの中に立てこもって
両親の眼を盗んで
改札口へ逃げ込んだ
病院と実家との往復
自傷と薬漬けの日々
心安まる居場所は
東中野の安アパートだけ
差別されても友達作った
虐待されても恋人許した
洗脳されても仕事続けた
魔法が解ければ元の木阿弥
団地の十一階の外廊下から
夕暮れの郊外が見える
ぎざぎざになった爪を嚙むと
手すりの上に立った
ここは一体どこなんだろう
私は一体誰なんだろう
電車はどうして来ないんだろう
心に「死ねスイッチ」の入る時
作品データ
コメント数 : 22
P V 数 : 1363.8
お気に入り数: 0
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-15
コメント日時 2024-11-30
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/12/10現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1363.8
2024/12/10 17時52分04秒現在
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これはコメントは慎重に書かねば、と(ならコメント書くなよってユー話ですが、でもこの詩には何かしらコメントしておきたいなーと思いまして)前々作のカラオケボックスの詩を再読してこの「からっぽの世界」拝読しましたよーこれが回想であられることを願ってやみませんが、なんですかねー紅井さんに「読みましたよー読んでいますよー」って事を伝えたかったのですよ、はい。20年前も、10年前も、今現在も特にNET詩界隈では傷だらけの詩が産まれては流されて産まれては流されての繰り返し、まあ僕もその中のひとりなんですよねー1960年代後半に活動していた早川義夫率いるジャックスが「からっぽの世界」って曲やっていましたねーまた多弁のわるいくせが出てしまいました、はい。
0迫真、と存じ上げます次第でございます。 記述になられた感覚は――過去のものであれ現在のものであれ――、何処まで行こうとも(多分)消えませんよ。 それは、私自身の精神も、同じ処を漂泊しているからでございます。 われわれを地獄に貶めた、貶め続けるものの正体を、佳く見極めなければなりません。 それは「豊かさ」の雁衣を纏った「貧しさ」であり、「自由意志」の袈裟を纏った「操り人形」であり、「保護」の警官服を纏った「収奪」であり。 或は、「大義」の法衣を纏った「悪徳」なのかも、知れません。 生存の本質は、「殺害」なのであると致しましても。 即刻過剰な「殺害」畢竟「競争市場」なり某かの「構造」へと駆り立てる思考からは、距離を取るべきでございましょう。 復讐には、未だ未だ猶予が、残された時間がございますから。 憎しみを――作品を、御深めになられる事を推奨致します次第でございます。 自由の敵に、自由を許すな。 是非、歌誌「帆」へと――その時が満ちましたならならば――ご応募を下さいます様に、お願いを致します。
0やるせない気持ちが胸に迫ります。生きている意味を探している多くの人たち、その懸命な 生を、何ものも否定できません。生きがいを見つけるなら、どんなことが待っているのでしょう。 世の愛や、希望が、勇気を駆り立てて、生きることが無駄ではないと感じるようになれるよう、 修行を続けるべきだな、と私は感じます。切ない気持ちに胸をふさがれて、嘘ばかり繰り返した 人生も、もちろんどんな人生も、今から救っていけるのでしょうね。
0コメント、有り難うございます。 カラオケボックスの時にも言ったのですが、 自分の作品はどれもほぼほぼフィクションですので、 妙な心配は無用です。 ただ、三明十種さんの声はしっかり届いてますよ。
0コメント、有り難うございます。 この作品は(実体験が多少入っているにせよ)半分くらいは創作です。 ですので、今すぐ死のうとか、他人に害をなそうとかいう気は一切ありません。 多分、最後の「死ねスイッチ」云々のところが引っかかったと思われるのですが、 これは昔知人から、心に病のある人間には、高いビルなどに上った時、 いきなり「飛べ」とか「死ね」とかいう声が頭の中に聞こえてきて、 呆気なく飛び降りてしまう場合があるらしいというショッキングな話を聞き、 ずっと覚えていたせいです。 だから、その点は安心してください。 最後に、歌誌「帆」とは何でしょうか? サイトに入って間もないのでよくわからないのですが、 ビーレビの雑誌みたいなものなのでしょうか? また機会があれば教えてください。 では。
0コメント、有り難うございます。 以前、黒髪さんに「ポジティブな詩以外は書きたくない」みたいなことを言われ、 自分のような者は嫌われているのかなとずっと思っていました。 しかし、素晴らしい愛の歌があるように、素晴らしい別れの歌もあると思うのですが、 こんな考えは間違っているのでしょうか?
2ポジティブな詩以外は書きたくないという気持ちは、自分を守り、自分のためになるために 持ったものでして、現在もその気持ちは変わっていません。ですが、一方で別れの歌を、 素晴らしく歌う必要があることも、よく認めます。私は、眼に欠陥があったので、価値観に 幅が狭く、人と詩を受け入れそこなったところはあります。より広い心をもって、全ての行(身・口・意の三業によってなした全てのこと)に 意味があるととらえるようになりたい、悲しみの歌もうまく歌えるようになりたいと思っています。あなたのお考えは、 全く間違っていません。この詩も、苦悩と悲しみの結実した優れた、読む価値の高い詩であると 評価しています。
0ストリートを彷徨う孤児の身体性ですね。文体はそっけない反面、過剰な部分が滲み出ていて、そのバランスが心地よいです。実際に住んでたものでして、東中野の安アパートが心休まるってところもグッときます。この話者に「この世で一番怖いものって、何だと思う?」って質問したら、なんと答えるのだろうか?と考えました。
0コメント、いつも有り難うございます。 おまるたろうさんも東中野に住んでいたのですか。 中野ブロードウェイ、まんだらけ、中古レコード屋……。 みんな、懐かしいですね。
0中野ブロードウェイ、まんだらけ、中古レコード屋... あとジャックロードと亀吉。笑 ほんと、懐かしいですね。
0Bennie KのDreamlandをいま聞いています。なぜか聞きたくなりました。サブリミナル効果? 紅井ケイさん、こんにちは。ゼッケンです。 じつは「おまえがほしい」のときにかっこいいな、と思ったんです。女性が女性を性的な意味で見ると、こういうところを見るのか、って。いや、作者さんの生物学的なジェンダーやクラスはべつになんでもいいんですけど、この「おまえがほしい」と言っている作中話者は女性だなって思いました。で、花園カノン、甘い生活、と、お遍路のような女性詩文体めぐりが始まって、面白い企画だなといつも楽しみにさせてもらっています。詩は読ませたもん勝ち。何を武器にしたっていいんだと思います。 次はBetter Daysを聞きます。
0背中を屈め虚ろな表情で踏切の前を行ったり来たりしていた中年の婦人。死んだような虚ろな眼をして何かに取り憑かれたような表情で働いていたレコード店の主人。後で聞けば自殺していました。危ないな。という人間は一目見てわかるものです。表情にも活気がなくて、魂の脱け殻のような状態が見て取れますからね。 そういうわたしも将来的には安楽死希望なので、これもまた自殺願望といえばそうでしょうね。でもなかなか死ねないですね。まだ生きたという微かな希望が持てるうちは。 入院などしていると機械だけに生かされている人を見かけます。あまりにも淋しそうなので近づいて見ても眼は閉じられたまま身動きひとつしない。哀しくて胸が締め付けられてきます。 死ねないですね。絶望したままでは。 人間を精神的な生きものだと解釈すれば、どうしようもない絶望こそが生かされている理由だとわたしは思います。その時がやってくるまで。
0コメント、有り難うございます。 「おまえがほしい」以来ずっと読んで頂いているとのことで、光栄です。 二番煎じ、三番煎じのようなことはなるべく避けたいので、 毎回違う作風で書きたいと思っている次第です。 (正直、「甘い生活」では皆ドン引きしたみたいですが) ちなみに、ベニーKで1番好きなのは「サンライズ」です。
0コメント、いつも有り難うございます。 「死」とは一体何か? 自殺とは、自殺する時とは、 例えばビルの屋上から飛び降りようとするまさにその瞬間に、 人は何を感じ、何を考えるのか? そんなことを思いながら、書きました。 また、病院で何年間も植物人間状態というのもゾッとしますね。
0死について触れている方が多いため、私からは主体が見ている「場所」や「景色」、「視界」について。 「駅ホーム」、「トイレ」、「病院」、「実家」、「安アパート」 書かれたこれらの場所の中で、唯一心休まるのが「安アパート」ですね。その他の場所はみな、何かしら他者の圧を感じる場所だと思います。 見ているものはどうでしょう。 「黄色い線」、「上の空(比喩)」、「夕暮れの郊外」、「手すりの上」 ここら辺が私は重要なのかなと。というのも、最後に「死」に近づこうとする時、全て既に名前が付けられてる境界線が見えてくる。最終連のような「ここは一体どこ」という感覚を、現代では滅多に覚えませんよね。必ず答えがある。どんな場所も開拓され尽くされて、命名されている。 全てに他者がいて、意味がある世界から、「からっぽの世界」に行きたいということ。単なる「死にたい」という希死念慮の裏には、そういう思いがあるよなぁ、と、よく現れていると思いました。
0相変わらず鋭い分析、有り難うございます。 駅のホームの「黄色い線」(正確には点字ブロック)は昔「白線」で、 「白線の内側にお下がりください」なんてアナウンスされていたものです。 だから、最初は「白線」の方がムードが出るかなとも思ったのですが、時代遅れなのでやっぱりやめました。 現実世界から別世界への逃避願望。 思えば、「花園カノン」を書いた時も、同じような指摘をした人がいました。 あの頃からあまり成長していないのかも知れませんね。
0放心する程の強い何か、仕事であろうと、世の中のエゴを背負っている様に感じました。死ぬスイッチは自分で押すのではなく、ある意味電車に押されるという表現も面白いと感じました。
011階建てとかなり高層だけどマンションではなく敢えて団地にしたのは、容易に建物内に入り込めるからかななどと、やはりリアルに読みたくなるような詩だなと思いました。 外階段と書いてしまいそうですが外廊下。 子供たちが上京していた頃は、いつもスマホで人身事故のことを気にかけていました。 東京に限らず本当に多いですね。 たまに東京に行く時などは、満員電車が人を吐き出していると思って見ていました。
0コメント、有り難うございます。 「死ねスイッチ」は誰もが持っているものだと思います。 しかし、大半の人はそれを使わない。 それでも、毎年2万人もの人がこのスイッチを押してしまうのかと思うと、恐ろしいですね。
0コメント、有り難うございます。 若い世代の死因のトップは自殺。 そんなのは先進国では日本だけらしいですね。 飛び降りや電車への飛び込み、果てはネット心中……。 逆に、外国ではどうして若者が死なないのか聞いてみたい気がします。
0「保護」の言葉が重いです。「お迎え」の意味。「トイレの中に立てこもって」の深刻さ。東中野は東京都中野区内に違いないと言う確信のむなしさ。「からっぽの世界」にがんばれとしか言えない自分の無力さを思います。
0コメント、有り難うございます。 がんばりたい。 でも、がんばれない。 死にたくない。 でも、生きるのはもうしんどい。 そんなことの繰り返し。 まあ、それが人生なのかも知れませんが……。
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