かつて
土に還ることを恐れぬただの生き物だったはずが
いつしか瞳に映る自分を「人」と呼びはじめた
彼らは言う
理性こそ戴である、と
文明こそ楽園である、と
しかし眼は
他の命を「保護管理」と記し
自影すら「最適化」と称し、削ぎ落とす
彼らの歩むところ
草は地にしなだれ
水は番号を与えられ
風でさえ「誤差」として訂正される
これは病だ
寛解を知らず
熱に茹だるほど
刺欲に身を委ねるほど
染み込んでいく
天に手を伸ばしたその掌は
もはや祈りではなく
占有の印を刻むための器官となり
彼らは耳を塞ぎ
人間であることを麻酔とし
「人間病」という甘い毒を喘ぎ続ける
陰圧の洞窟へと閉じこもる
夜が来る
地球は何も語らず
ただ回転し続ける
この尊大な小さな空洞を乗せたまま
作品データ
コメント数 : 9
P V 数 : 518.8
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投票数 : 1
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作成日時 2026-01-08
コメント日時 2026-01-11
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/01/12現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:518.8
2026/01/12 09時21分29秒現在
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こんにちは。 文明化社会の人間の傲慢さが上手いこと書かれていると思います。 >人間であることを麻酔とし >「人間病」という甘い毒を喘ぎ続ける この部分、良いですね。 人間であることが病気だと良く分かります。 こんなに他の生き物を無視して、 私はその内、地球に逆襲されるのではないか?と思いますが。
1かなりの反近代の気概がこもった詩
1選語のレベルが嵩い。そこはいい。
1感想ありがとうございます。 挙げてくださった部分は、人間であることが安心や正しさの根拠になってしまう危うさを意識して書きました。 地球からの「逆襲」があるかどうかは分かりませんが少なくとも人間が自分を中心だと思い込む姿は、かなり歪んで見える気がしています。 そうした違和感を共有していただけて嬉しいです。 また読んでいただけたら幸いです。
1感想ありがとうございます。 近代そのものを否定したいというより、 「正しさ」や「進歩」が自明のものとして扱われていることへの違和感を書いた詩でした。 もしかすると、私たち人間の「正しい姿」は反近代的と呼ばれるような原始のあり方に近いのかもしれませんね。 また読んでいただけたら幸いです。
0感想ありがとうございます。 語の重さや冷たさが伝わるよう意識していたので、その点を拾っていただけて励みになります。 また読んでいただけたら幸いです。
0進歩主義の危うさをうまく書いていて、小林秀雄の進歩史観に対する批判と似たものを感じました。非常に鋭い知性を感じました。
0作品内での理屈がしっかりと練られていたため、迷子にならず最後まで読めました!タイトルが人間病ではなく流行病なところに、人間病自体がいつかは収束するかもしれない病だという風にわたしは読みました。読ませていただきありがとうございました。
0地球ではなく 人間そのものを 小さな空洞と評したところに 底力を感じます。
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