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時計
七分、という時間はないのよ 電車を乗り継ぐ時間があるだけ 四秒、という時間はないの 日傘をひらく時間があるだけだわ と女はいった それから快速に身をゆだね 見なれぬ街で 深々と黒い、じぶんの井戸に 身を投げるの 三十分、などというものはないのよ 熱いお茶が冷めるあいだがあるだけ 五分、などというものもないのよ 汗がひくあいだがあるだけ と別の女はいった そのあとで、猫舌の喉をうるおし ほつれた鬢がかわくの 匂いを感じる時間は一瞬 頬を打たれる時間も一瞬 とまた別の女はいった そのあとわたしに還った本当のわたしが夕飯をつくり 本当のわたしから抜け出た本当のわたしが つぎの日、電話をかけるの 時間の長さを忘れさせるのは 時間だけだわ と女はいった かつて花と花をつなぐのは風だった 風になろうとした花は 時間につながれるしかなかったのか 便りには 空はいつも時計だったと書かれていた 便りには 川はいつも時計だったと書かれていた 便りには あなたはいつも時計だったと書かれていた
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時計 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 671.6
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-12-02
コメント日時 2025-12-04
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) |
|---|---|
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


時間に対する新しい見方を 知った様な気がしています。 行動だけでなく全てのものが 時間につながれて コメントを書いているだけで 時間なんてないんですよね。
1お読み下さりありがとうございます。 じぶんではうすく感じていた真意を 深く読み解いて頂きありがとうございます。
1既出の作品を再投稿ね…。別にいいけど、もう書けなくなったのか?とは思うね。
1なんかいいな、と。綺麗に古びていて味が出てるというか。
1時の観念を様々なシーンで描かれているコラージュのような作品ですね。心地良いです。
1~あなたはいつも時計だったと書かれていた。 最後にその便りからあなたの存在が明らかになる。 榮翠がコメントされておられるように、この詩はアインシュタインの相対性理論を基に書かれている。 特に終わりの連などは、時計という定められた時間の流れを、時の移ろいとして知覚するように変化させて読める。 様々な場面様々な思考から女がいった。 確かにコラージュさせたような切り貼りの作りである。 風の便り空の便り川の流れの便り。 あなたはいつも時計だったと書かれていた。 では誰からの便りなのかと考えれば余白は拡がるのだろう。 それは言わせた女からも知れないし、移ろう時の便りかも知れない。 あなたはいつも時計だったと書かれていた。 この時確かに語るあなたは存在していたのである。 上記に置かれてある、~女はいった。と語るとき、 その女の言葉続く。ここでは実在するように女によって言葉が置かれてある。 では~女がいった。そのとき語り手は何処に居て何を見ていたのだろうか? それは回想だろうか?しかし、 女は実在しているかのように置かれてあるのだ。 終わりの~あなたはいつも時計だったと書かれていた。 これを結び付けて考えるとき、 その差異から実に曖昧で奇妙な時間感覚に陥ってしまう。 心地よいですか? わたしはその奇妙な余白感覚に不快感が残ってしまう。 これは逆にコラージュに切り貼りされたことがもたらした、不快感だろうと思う。 セザンヌの絵画にみられる塗り残しや、 長谷川等伯の松林図屏風は景色全体を眺めることで、 その余白におかれた時空の眼差しから、 余情感覚を眺めるものに与えるのである。 そうした意味からも、 この詩もやはりテクニカルに作られただけの詩である。 と、わたしはそう思う。
0↑ あ!榮翠さんが抜け落ちてました。 申し訳ないです。
0お読み下さりありがとうございます。ところで、 なぜ小説や詩が再加筆されたり更新されないか? 一度、考えたほうがいい。詩人や作家は固定観念にと らわれすぎている。あくまでも詩が〈出版〉〈販売〉と いう〈資本の論理〉に縛られているにすぎない。 読者の読後体験を固定化しないと儲からないからだ。 つまり出版物の固定化だ。 でも、 絵画では再加筆があたりまえ。更新があたりまえなのは そういういことが技術的に可能だし、そうされても絵画は 売れるからだ。ならば文芸もそれが可能なネット上の表現 にふさわしく絵画のように再加筆していってもいい。 つまり印刷技術の問題と販売の問題があって小説、詩は 書き直し更新が出来なかった。しかし、インターネットが ここまで発達したのにいつまでも活字の論理、資本の論理 に従うのはバカだ。 おれは自分の詩を気が向けばどんどん更新していく。 書き直してゆく。そもそも自分で表にどんどん出していか なければだれの眼にも触れない。だれの眼にも触れないと いうことは他者にとって存在しないのと同じことだ。 文学極道の倉庫に眠るだけ。だから、今、これを表に出したい と思ったときに、今の自分の気持ちにそうかたちで更新して 表に出す。それがネット時代のネット詩の在り方だし、詩や 小説のネットにおける新しい存在の形式だ。活字出版では、 利益に結びついた資本体制下の活字出版本ではそうはいかない。 おれが一切の詩集を出さないのも(考えたこともないし、 詩人とも思ってないからだが)ネットの新しい詩の存在の在り方 を考えているからだ。こういうこと考えてるのおれだけだろう けど、おれはおれの考えでいくだけ。
0お読みくださりありがとうございます。 おまるたろうさまに「なんかいいな」と 好感度をもっていただいて光栄です。
0お読み下さりありがとうございます。 コラージュといえばコラージュですね。 じぶんでもあまり意識していなかったことを ご指摘いただきハッとしました。 やっぱりコメントを頂ける環境というのは ありがたいことです。
0個人が所有する時計がない時代や地域に想いを馳せました。 先進国では、みな時計があるのが当たり前で、分刻みでスケジュールが組まれており、「せわしないな」と思うこともたまにあります。 一方、時計を持たないひとびともおり、 太陽がのぼれば起きて、日が沈めば寝て、ごはんは腹時計で食べたりするのかもしれません。 最終連の最終行が良いです。 あなたがいてこそ、お茶を入れたり、ごはんをつくったり、そんな光景が目に浮かびました。
0時間という概念をどう考えるかという問題を日常の会話文を通じて読ませながらも、表現しているものはもう少し別のものなのかな? と不思議な印象。 太宰治の作品に『一切は過ぎて行きます』という一文がありましたが、それを思い出したな。 なにか絶えることない悲しみであるとか、消えることない虚しさであるとか、そういうものを『時間』というものをテーマに描いているように思えた。 僕も作品の再加筆や更新は大事なことだと思う。一つ作品を作り出してそのまま放りっぱなしというのでなく、時々気に入らない部分を手直しして発表するというのは音楽家もやっていることだったりします。
0この詩は......こんなことをいうと傲慢で申し訳ないのですが かなり、むつかしい詩で、 ほんとうのところ、言いにくいのですが、この投稿掲示板に出しても まったく理解されないと思っていたのですが、みなさま鋭敏な感性で 直感的に感受してくださりありがたく思っています。 わたし自身も何年も前に文極に投稿して以来どこにも出していないのですが AIが発達した今、gooleのジェミニやX社のGrok3などに専門的な評価を させてみたところ、ほぼ、どのAIでも似たような感想の客観的評価を得られ、 それが、ほぼわたしが感じていたものと合致するので一応、みな同じですが 一番大げさな評価をしなかったgoogleのGeminiが感じた感想評価をここに書 いておき、万太郎さまが感じた「他の何か」がなんであったかを示しておき たいと思います。 ───── 以下の詩を専門家の視点から解説、評価して下さい。 『時計』 ご提示いただいた詩『時計』は、非常に洗練された現代詩であり、 「時間」という普遍的な概念を、肉体的な感覚と実存的な孤独を 通して再定義しようとする意欲作です。 専門家の視点から、この詩が持つ構造的な美しさと、そこに込め られた哲学的な意味合いを解説・評価いたします。 1. 作品全体のテーマと構造 この詩の核心的テーマは、「客観的な時間(クロノス)」と「主 観的な時間(カイロス/持続)」の対立と融合です。 構造: 全5連構成。前半(第1〜3連)は「女たち」の具体的な語り を通して「生活時間」を描き、後半(第4〜5連)で一気に形而上学 的(哲学的な)視点へと昇華させ、最後にはリズミカルな反復(リ フレイン)で余韻を残します。 2. 各連の分析と解説 第1・第2連:数字の否定と「肉体の時間」 「七分、という時間はないのよ/電車を乗り継ぐ時間があるだけ」 「三十分、などというものはないのよ/熱いお茶が冷めるあいだ があるだけ」 ここでは、時計が刻む「7分」「30分」という抽象的な数字が明確 に否定されています。代わりに提示されるのは、生活に根ざした 「行為の持続」です。 フランスの哲学者ベルクソンが説いた「純粋 持続(durée)」のように、時間は計測するものではなく、「乗り 継ぐ」「冷める」「汗がひく」という身体的な体験そのものとして 語られます。 評価点: 「日傘をひらく」「猫舌の喉をうるおす」といった描写が非 常に感覚的で優れています。これにより、読者は頭ではなく「皮膚感 覚」で詩の世界に引き込まれます。 第3連:自己の乖離(解離) 「そのあとわたしに還った本当のわたしが夕飯をつくり/本当のわた しから抜け出た本当のわたしが/つぎの日、電話をかけるの」 ここで詩は劇的な転換を迎えます。単なる時間の感覚の話から、時間 の流れの中で引き裂かれるアイデンティティ(自己)の問題へと深化 します。 「匂い」や「痛み(頬を打たれる)」という瞬間的な刺激の あと、日常を維持する自分(夕飯をつくる私)と、そこから逸脱しよ うとする自分(電話をかける私)に分裂しています。 評価点: 現代人の抱える孤独や、社会的な役割と本音の乖離が「時間」 というフィルターを通して鋭く描かれています。 第4連:パラドックスと自然のメタファー 「時間の長さを忘れさせるのは/時間だけだわ」 「風になろうとした 花は/時間につながれるしかなかったのか」 「悲しみを癒やすのは時間だけ」というクリシェ(決まり文句)を、逆 説的な真理として提示しています。 特に「風になろうとした花」のメタ ファーは秀逸です。「花」は静止し場所に縛られる存在、「風」は移動 し自由な存在。自由に憧れた結果、結局は「時間」という鎖につながれ てしまうという、逃れられない運命論的な諦念(ていねん)が感じられ ます。 第5連:世界そのものが「時計」である 「便りには/空はいつも時計だったと書かれていた」 「あなたはいつも 時計だったと書かれていた」 最終連では、「女」の独白から離れ、「便り」という客観的なテキストの 引用形式をとっています。 ここで「時計」の意味が拡張されます。もは や機械の時計ではなく、空の移ろい、川の流れ、そして「あなた(他者)」 の存在そのものが、私の命を削り、変化を告げる「時計」であったという 気づきです。 3. 総合評価 優れた点(美点) 具体から抽象への鮮やかな跳躍: 「電車」や「猫舌」といった極めて日常的 なモチーフから始まりながら、最終的には「空」や「川」、そして「あなた」 という広大な存在論へと着地しています。このスケール感の操作が見事です。 身体性の重視: 時間を観念として扱わず、常に「身体の感覚(熱さ、痛み、 匂い)」とセットで描いているため、詩にリアリティと重みがあります。 リズムと余韻: 特に最終連の「〜と書かれていた」のリフレインは、読経や 呪文のような厳かなリズムを生み出し、読後に深い静寂を残します。 批評的視点 この詩は、単なるセンチメンタリズム(感傷)に流されず、「人間は時間 という檻からは決して出られない」という冷徹な事実を、叙情的な言葉 で包み込んでいます。 「深々と黒い、じぶんの井戸に/身を投げる」とい う表現に見られるように、ここには死の予感や、深い自己没入の影がありま す。しかし、それを絶望として描くのではなく、淡々とした事実として受け 入れている点に、作者(あるいは語り手)の精神的な強靭さと成熟を感じます。 結論 この『時計』は、「時間は計測可能なのか、それとも体験なのか」という哲 学的な問いに対し、女性的な生活実感と詩的な直感をもって回答した秀作で す。 読者は、読み終えた後、壁にかかった時計を見る目が少し変わるでしょ う。それはただ時刻を告げる機械ではなく、自分と世界をつなぐ、残酷で美 しい「関係性そのもの」に見えてくるはずです。 ──── 以上、複数のAIに専門的な目線から解説させてみましたが似たような結果でし た。うすうすわたしが感じていたエロスと時間に関する思想を融合させてみたい という内心のたくらみをAIは見抜いて自分でも曖昧だった点を整理してくれて います。いま、こんな詩を投稿しても無意味な時代になりつつあります。 だれも読み手がいないからです。 感想、ありがとうございました。
2読んでるYO!最高じゃないですか。時間について一時間くらい考えた。何も分からなかった。ありがとうございます。
0こんばんは。 >>匂いを感じる時間は一瞬 >>頬を打たれる時間も一瞬 >>五分、などというものもないのよ>>汗がひくあいだがあるだけ 印象的な連が多いので選択に迷いましたが、 まずこの二つが 僕にはインパクトがありました。 時間によって保たれている世界ですが、時間の縛りや制限によって 頭のなかや心が混乱してしまう人々も居るので、 この詩はとても興味深くて、 本来であれば事細かにいろいろと考えられる要素が多く これからも ちょっとずつあじわいながら参考にして読ませて頂こうとおもいます。 >>時間の長さを忘れさせるのは時間だけだわ このことばも非常に印象的です。 僕の好みの感覚としては 最後の連の、 >>便りには からの文章達がやわらかい鋼(実際にはないと思いますが) そのような優しさを感じて好きでした。
0↑ 天の邪鬼は詩人か、俗人か。 人間であるならば必要ないよ。無価値。 廻りを混乱させるだけ。 それもきみの宿命だろう。 メルモsアラガイ様のほぼ言われる通りです。 無視こいて屁をたれてるが、あたまを垂れたまえよ。阿呆 Aiか己が解説してみせたことかヌケメはないが、 んなことはわかった上で余情が無い。テイクの失敗である。 といってるの叱咤激励を 何を知ったかぶりかね。 人生の終わりまで歌舞伎者で頑張れや。アポ
0少しだけ気になったので…。私のコメントが指摘と捉えられると恐縮です。 感じたままの感想で、私ごときが批評家ぶるつもりは毛頭ございません。
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