靴は揃えないまま直接シャワーを浴びた。
洗面台を横切る時、鏡といつも目が合う。
浴槽に足をかけバルブを捻りながら明日を思う。
「また知らないふりして」
もっと気の利いた言葉をかけても良かっただろうに。
逃げ込むように入ったはずのユニットバスは、やがてボテボテと理想を語った。
「景色になんかさせない」
指先がちょうどよくなったことに安心して髪を濡らす。鏡はじっと私の方を見ていた。
自身の可能性を信じることは自身の不可能性を信じないということではない。逆も然りであり、これらは明白である。だのに人は過去を切り捨てることと受け入れることを同時に行おうとするのである。
「頑張ってね。応援してる」
さて、裏と表、つながりとしがらみ、鏡の外と向こう側。今は一体どちらの側に立っているだろうか。
嘲笑と自己嫌悪の渦の中に、また夜は私を置いていった。
作品データ
コメント数 : 12
P V 数 : 949.3
お気に入り数: 1
投票数 : 9
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-18
コメント日時 2025-08-19
#現代詩
#縦書き
#受賞作
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:949.3
2025/12/05 20時33分13秒現在
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ここで相談するのも少し場違いかもしれませんが、私は小説を書いてみたいと考えています。しかし中々筆が進みません。もし可能であれば、どのように始めればよいか、アドバイスをいただけますでしょうか。
0実によく考えられた詩ですね。ほとんどプロが書く質に達していると思います。目の付け所が良く、 知らないふり、景色、応援。自分とモノの対話。過去を切り捨てることと受け入れることは、 確かに同時にしています。人間のやりがちなこと。そこに注目することで、表と裏という 制限から、飛躍、脱出しようとしているようにも感じられます。
1おはようございます。 前作の幼馴染、よく読み返させて頂いております。 小説を書くことへのアドバイスでなくてすみませんが、 幼馴染は >>あなたは悪人であった。 という冒頭から惹き込まれました。 今作では >>「また知らないふりして」 >>指先がちょうどよくなったことに安心して髪を濡らす >>だのに人は過去を切り捨てることと受け入れることを同時に行おうと>>するのである。 >>さて、裏と表、つながりとしがらみ、鏡の外と向こう側。 >>今は一体どちらの側に立っているだろうか。 という部分に魅力を感じます。 人の瞳を引っ張る感性のある方だなと応援しております。 失礼致しました。
1「私」とは他者である(ランボー)
0>ここで相談するのも少し場違いかもしれませんが それな
0そうですね。 月並みなことで良いのならば。 まず、主人がどんな人物なのか設定します。 年、性格、など、出来るだけ詳細に。 次に、何について書きたいのか、テーマ(主題)を設定します。 あとは、実際書いてみましょう。 (小説は、原稿の書式があるらしいので、注意してください) 主人公のイメージが固まっていて、 場面の設定ができていれば、 あとは光景をうつしとるだけで、自然と流れていくと思います。 この程度のふんわりしたことしか言えませんが、 実際、高校生の時、歴史SF浪漫小説を、原稿用紙100枚書いた経験から言えば、 まず、難しく考えず、書いてみた方が早いです。
1あ、ごめんなさい。 「主人」ではなく「主人公」です。
1ありがとうございます、参考になります
1titleに内容が書かれているようなものなので、本文と照らし合わせても作者様は物語は見えているように思う。1からきれいに書こうとすると難しい、だから見えた断片をこの本文のようにたくさん書いては、並びかえ、また書いていってあいだを詰めていくようなかたちだと、収まるのかなとおもいましたが。ちな私、小説は書けません!もう諦めた人です!!!だから読み流してね!!!
1好きな作家はいますか? まず模倣から入るのもアリだと思います。
1みなさんありがとうございます。まずは手を動かすことから始めたいと思います
1「さて、裏と表、つながりとしがらみ、鏡の外と向こう側。 今は一体どちらの側に立っているだろうか。」 こんな二行が印象的です。この詩の総括部分ではないのかもしれませんが、今に対する認識が詩を先鋭化させるのかもしれません。
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