お知らせ

初化粧   

作成日時 2019-05-08
コメント日時 2019-05-23

ぼけた雲がニヤニヤしながら見下ろしている 2~3時間の命しかないロウソクが 辛うじて火柱を存命させているような 静かな私たち 線香花火の真ん中で 大海を泳いでいる 誰も助言なんかしちゃくれない 遊び疲れて眠りだす家々 言葉でしか伝わらないこころを 言葉以外で伝えようとしていた いなか電車がことんことん 遠くを過ぎるけど 静寂を一層駆り立てている 空想のキャンパスにありったけのバカな恋を描いて 君と私は今まるで火影のようだ ほっぺを見たら正常な世界が爆撃されて 最後の火花がゆっくり散る様を 焦りすぎて見えてもいなかった バケツから終わりの鐘が鳴る クローズアップされた土の粒 ぐちゃぐちゃの臓器から 捻り出した言葉「おわっちゃったね」 恥ずかしいほど若やかな 葉っぱが風を作る 熱気を持っていく 薄ぼけた月が眩しすぎるのは あの雲のせいなのでしょうか 夏祭りの余韻でぼけた空 雲は 「いつも」の分子と混ざってまろやか 片隅に残っていた初化粧の粉を 拭き取った母のほほえみは 水道の音に溶け込んで分からない いってきますが叫ばれる まだ焦土のままの脳みそで また扉を開け 母親の影を追っていく


項目全期間(2019/08/25現在)投稿後10日間
叙情性1915
前衛性91
可読性128
エンタメ81
技巧129
音韻11
構成74
総合ポイント6839
 平均値  中央値 
叙情性2.13
前衛性10
可読性1.31
 エンタメ0.90
技巧1.31
音韻0.10
構成0.80
総合7.66
閲覧指数:1545.9
2019/08/25 07時34分00秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。


コメント数(12)
沙一 (2019-05-08):

初化粧、艶やかな言葉ですね。 作中話者は女の子かなと思いました。 私は化粧をしたことはありませんが、洒落っ気のあることを初めてしたときの気持ちは、共通しているように思います。初めての恋、初めてのお酒、初めて読んだり書いたりした詩、など。そうした初々しい感性を、思い出させてくれるような読後感でした。

せいろん (2019-05-09):

2つの単語が真逆のイメージの(美・醜 のような)ものを持っていて、たとえばそれは空想のキャンパスとバカな恋、ほっぺと世界の爆撃、のように 絶妙にバランスを取っている感じがして、ふじりゅうさんの才能を感じました。 内容は難解で自分の読解力のなさを思い知らされますが、読んでいて面白くて良かったです。

ふじりゅう (2019-05-10):

沙一さん、ありがとうございます! この詩は初々しさのど真ん中を狙って書きました。タイトルが初化粧なので、主人公は女性です。 私は男なので分かりませんが、恐らく初めての化粧をする場面というものは特別なのだろうと思われます。また、想う異性の前では出来るだけ綺麗でありたいものだと。初化粧には、そんな女学生の、自分をよく見せなければならないという焦り(=化粧)を表しています。

ふじりゅう (2019-05-10):

せいろんさん、ありがとうございます! ありきたりな言葉の繋がりがつまらなさを産むと思っておりまして、新しいものがどこかにないか探してしまいます。絶妙、と仰って頂きありがたいです。 世界の爆撃ですが、初恋の想い人と二人で線香花火。そんな状況でなんとかアクションを起こしたくて、彼の頬を見るわけですね。すると自分の中の理性(=世界)が、まるで爆撃されたかのように壊れていってドキドキがとまらない、みたいな。そんな感情をあらわしてみたつもりです。 実は同じテーマで4作ほど書き直しをしていまして、最初はもっと訳が分からない作品でした。なんとかわかりやすさを重視して作ったつもりだったのですが、中々上手いことはいかないですね。だからこそ、詩作は面白いです。

八朔三 (2019-05-10):

何となく夏休みの始まり〜終わりまでを丸ごと読んだような詩だと思いました。爽やかだけどよく見たら不穏さが散りばめられていて素敵だと思います。何度か読み直してしまいました。

ふじりゅう (2019-05-14):

八朔三さん、ありがとうございます! 雲の様子はたしかにそんな感じもしますね。 不穏っぽさありましたか。出来れば初々しく、お花畑な初恋を捉えた作品なので毒っぽさを抜きに抜いたのですが、クセが出ちゃいましたね。いやしかし、結果オーライかもしれないです。 何度も読み直して頂けるとは、ありがたいです。是非とも過去作もよろしくです 笑

tOiLeT (2019-05-14):

若い頃ってまだ自己も確立してなく(大人もそうかも知れませんが)、 それ故なにか確からしいもの(愛とか?)を求めたりするけど、 どこか地に足が付いてない危なっかしさだったり、 でもそれが無垢ってものでもあり美しくも儚いものなのかな?などと思いました。 自分もどこか不穏な印象を持ちながら読みましたが、 たぶんそれは自分がある種の喪失感を持ちつつ読んでしまうからかも知れません。

ふじりゅう (2019-05-15):

tOiLeTさん、ありがとうございます! 仰る通りです。自分の表現したいことは、ほとんどtOiLeTさんが話されている通りです。 喪失感、なるほどです。初恋的な描写に対する喪失感。詩が一本出来そうですね 笑 ただ、本作は不穏感を排除してキュンキュン出来るように、という予定でしたので、狙った場所からは遠く離れたどころかガーターみたいな作品になっていたようです。 さておき、お読み頂けてありがたいです。がんばります!

芦野 夕狩 (2019-05-20):

ふじりゅうさん、こんばんは 投稿された時から、気になってはいたのですがなかなか時間がなく感想申し上げるの遅くなりました。 ここに書かれたる感傷はそれ自体、とりたてて特異なるものとは感じませんが、その書きように少し瞠目いたしました。 この詩って、ものすごく「視線」或いはカメラワークが複雑で、1連目は俯瞰からはじまり、 「私たち」の秘め事であるはずの花火が、まるで衆目に曝されているかのように描かれていることを異様に思いました >辛うじて火柱を存命させているような >静かな私たち 例えばこのような描写も、私→あなた、という視線ではなく。客観されておりますね。 さて、ここからは単なる僕の空想なのですが、作中主語であるはずの「わたし」とこの作品の目線が合致しないことがとても奇妙な印象を与えて、僕はこの詩を知らぬうちに「死者の回想」として読んでいたわけです。ああ、つまり自分を後頭部の後ろから見つめるような視線だ、と。 もちろんそれは比喩として書かれた「爆撃」「焦土」「ぐちゃぐちゃの臓器」という言葉を敢えて言葉のまま読んでみた、というのも大きいのですが。 僕はこの詩とても好きです。とても不気味で。 失礼しました あしや

ふじりゅう (2019-05-21):

夕狩さん、ありがとうございます! 本作はど真ん中の恋愛詩です(私としては)。なので、一人称で書いてしまうとかなり痒くなってしまう気がしましたので、あえて俯瞰的に、回想的に書いてみました。(それでも痒いです) 視点はかなり意識しました。広い場所から線香花火の火へと移り、君の頬、脳内、そしてまた広い描写へ続く様子にこだわりました。 また、聴覚も意識しました。風が止んで、電車も過ぎ去り、彼へ心臓の音すら聞こえてきそうなほど静かな場所から「おわっちゃったね」が響き渡る、と同時に風が吹き出してだんだん「いつも」が戻ってきます。 反省点としては、回想的に、俯瞰的に書いた割に主観的なものが混じってしまっていて、極めてややこしくなってしまった点です。 ただ、〈初恋〉というかなりありふれた凡庸なテーマ、〈線香花火〉に切なさを見出すというこれまた凡庸極まりない表現で、彼にドキドキする女を(自身が)俯瞰するという痒い骨組みで、自分がそこそこ納得出来る作品が出来たのは良かったかなと考えています。 正直めちゃくちゃ難産な作品で、何回も何回もやり直してやっと出来たものだったので夕狩さんにコメント頂けて(もちろん他の方からのコメントも同様ですが)大満足です。ありがとうございます!

エルク (2019-05-23):

ポエジーが宿っていると思います。最近だとポエジーって言葉はあまり誉め言葉にならないのかな。

ふじりゅう (2019-05-23):

エルクさん、ありがとうございます。 褒め言葉と受け取らせて頂きます! あまりポエジーを意識して書いてはいませんでしたが、宿っているようで良かったです。

投稿作品数: 3