知識は体系である
それにもかかわらず
トリビアリスト達は体系を啄む
虫食いの葉のように
虫は柔らかく美味しい葉だけを食べて
葉を支える茎には目にくれない
知識は有限である
それにもかかわらず
エピキュリアンは知識を蝕む
大地に広がる青カビのように
学者気取りのカビ達は自らに酔狂し
植物の実りを妨げる
知識は自由である
それにもかかわらず
イデオロギストは知識を覆う
蓮にまとわるミドロのように
ミドロ達は知識を我がものにしようとし
知識の蕾を抑え込む
知識は植物である
それにもかかわらず
ニンゲンは
育てたものを放棄して
不味いからと言って吐き捨てて
何も生み出さず腐らせる
語るに落ちたこの愚行
滑り落ちたこの跛行
どこへ行っただろう
実りを得た果実
どうしたものだろう
実りを願うこの気持ち
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 237.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2025-12-04
コメント日時 2025-12-04
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:237.8
2025/12/05 15時28分38秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
我々人類が蓄えてきた知識とは果たして有用に働いているのだろうか。 一部の傲慢な人間たちによっては、その知識も有害に作用してしまうのではないのか。 といった人間社会に向けたメッセージにとれますが、 青カビはご存じのようにペニシリン発見の立役者でもあり、 放線菌などは有機物の分解にはなくてはならない菌ですね。 有用なカビもあれば、もちろん有害なカビもある。 もう少し配慮してくださいませ。 青カビちゃん。すべて悪者にされては可哀想です。
1感想ありがとうございます。 本当に私たちは蓄えてきた知識に有用に使えているか、向き合えているか再度向き合い考えていきたいですね。 ちなみにご指摘通りもちろん青カビも有用な面もあり詩の中のような醜悪な存在ではありません。 これは虫もミドロも然りで生態系などの重要な役割を果たしています。 決してこれらを蔑んでいる訳ではなくあくまで比喩表現なのでご理解いただけたら幸いです。
0こんにちわ。 わたしは中卒で学がなく従ってこんなことを いうと何なのですが、リンゴは──ま、あの、 どうでもいいし、必要があればその都度ネット から仕入れればいいという立場です。 それより批評ですね。現代には批評が欠けている。 哲学もまったく欠けている。インテリジェンスというものを 本を読んで知識をたくわえることだと誤解する バカが山のように増えた。これも日本の詰め込み 受験競争教育のせいなんでしょうね。 本を読むことが、その内容を暗記してだれかに 開陳することだと思っている。笑 本であれ詩であれ読むのじゃなく批評しつつ 考えることが読むことであることを忘れている。 だから東浩紀がいうように「日本人はこの五十年 で底なしのバカになった」。 そんなことをこれを読んで感じましたね。 長文失礼しました。
1感想ありがとうございます。 タイトルの「リンゴ」は、アダムとイブの知恵の実の象徴性が合うと思い、拝借しました。 私自身、詩の中では「知識を蓄えることそのもの」よりもその知識をどう扱い、どう考えるかという部分を問いとして書きたかった気持ちがあ ります。 手段と目的が反転してしまうことへの違和感も、 まさにその一つですね。 読んで広い視点で受け取っていただけて嬉しいです。
0