ネオンを隠すストロー状の冬眠と、秘密を灯す蝋燭の影で
吐息は祈りに触れられた
牙の目覚めは降りゆく雪から
錆びたミネラルを垂らす、足跡
あおぎ去る、頬の温度に、墓標
かわき、金属の、かゆみ
それは、一欠片のクレヴァーを失う前
報復の明かりが撫でる毛並みの
フラジオが彼らのモノクロを強くする
穢れた、星を、強くする
また白を、ふぁむふぁたる、ふぁむふぁたる
逆算して裂ける風の中
焼き上がる愛の輪郭の黒さに気づいたのは
アゲハの地上絵
土は、子供のように過去にしゃがむ
ざらべ、ざらべ、ざらべ
礼儀を忘れていく舌と、プネウマの性行為を
ただ眺める沈黙の重さ、も、魔女は歌の痕にしまい込んだ
岩肌を見て、剥がれないお腹は減る、回る
燃え上がる葉脈にマーキング
ノウサギも、虚栄に痺れながら逃げる、一匹、二匹
立ち止まっては、立ち止まり
息を嗅ぎ分け合いながら
歩いて、歩き、止まり歩く止まる
いつまで輝きが獣を承知するのか
確かめる夜の、ほてり通る透明なカーテン
落ちている人の気配を拾う
粘った群れの頭たちを
拾う、拾い歩く拾う、握力に芽吹きながら
満ちる
動き続けた鼓、言伝ての飢餓
たわむれ吊るされ
衝き突いた自らの慰めのボルトを、英字に変えて
手繰る駆く手繰る駆く手繰る駆く
冷たいキリンたちの静脈を
覚える
白い髪が右回りに抜けていく
後ろで扉が閉まる音に重なる瞬きのアパチュア
妖精の卵の気室はすべて南に向いて展示される
正義を食べてしまったのなら叫び
ハエトリグサのプレートの翻りを契機に
水銀の槍が刺さることを
想いながら
寄せる熱い波の眠りにつく
一匹の白熊の義眼にはりついた、大きな大きな結晶を拭う
真っ赤なグリスを塗る唇の、道徳な満ち、虚け、満ち、
作品データ
コメント数 : 11
P V 数 : 1100.6
お気に入り数: 0
投票数 : 7
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-19
コメント日時 2025-09-15
#現代詩
#縦書き
#受賞作
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
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| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1100.6
2025/12/05 21時15分36秒現在
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多彩な色彩が色鮮やかに渦を巻き、 息が止まってしまうほどの奔流となり襲いかかって参ります。 女性の感覚で極めて広いワードレンジからことばを探し、 男性の感覚でアウトプットしているように思います。 こんなことができるのですね。 (推薦文を書きたくなりました) この詩には返詩で応えたいのですが、 内容を把握するには、 この多彩さが、邪魔をしてしまいます。 だけど、こんな凡人のコメントは置き去りにしてください。 ひとつ気になったのが、 タイトルに即しているからだと思うのですが、 徹底して地を這う詩であること。 “翼”を得て、自由に羽ばたいている詩を拝読したいと思いました。 ありがとうございます。
2ゲーテのファウストに出てくる魔女たち「ヴァルプルギス」の夜会。 なんで野生機? 物語はどこから来るのか。をコンセプトにしてる『野生の神話機械』って民族音楽を融合させたようなアングラグループがあるね。おどろおどろしさ。 その音楽を聴いてトリップ感を自動的に書かせてみた。ような印象だけど、 わからないよ。
2あー、こりゃ、最初から最後まで、 sexそのもののような気がして来ました。 おとことおんな(ファム・ファタール)の性的駆け引きの一部始終。
1「野生」とは、詩中でさいさい登場する、 ノウサギ、キリン、白熊といった獣のことでしょう。 それらの獣が織り成す「機」。 時であったり、カラクリであったり、模様であったり。 もっと言えば、奔放に愛し合う男女の「野生」。 機は、やっぱり、時であったり、カラクリであったり、模様であったり。 そして、推薦文のコメント欄で述べているのですが、「夜性器」であるのかもしれません。
1https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=391780 私が書いた拙い詩です。 私の詩中の >最初のおとことおんなは >どれほど熱く愛し合ったのだろう みたいな部分に、何か「野生機」がオーバーラップしました。 読まれている筈などないと思うのですが…
1参りました。
1更に解釈を付け加えたいと思います。 狩るものと狩られるもの。 うさぎは狩られるもの。 平和裡に生きるもの。 キリン。 白熊は、絶滅するもの、でしょうか。 それは、人間の描写も同じで、 おんなは娼婦でしょう。 そして、名前はセレネーなのかもしれませんね。 狩るものでありながら、狩られるものであり、 最終行に >虚け とあるように、おんなは虚しく欠ける思いも感じている。 読むほどに、ある意味、恐ろしく、畏れと共に、何度も読んでおります。
1発想も文体も眩しい。羨ましいくらいの断絶を憶える。ただこの詩は断章を切り取ったように見え、最初と最後がもの足りない。なにか作者像を叩きつける詩句が欲しいところだ。
1詩としてよむというよりも、抽象画をみているような感覚でした★ まるでアート! ファム・ファタルを「ふぁむふぁたる」と表記している部分やいくつか見られる言葉遊びが面白く、センスを感じます★ 色々参考になりそう!ありがとうございます★
1牙の目覚めにハッとします。詩語や有名な事実が躍って居ます。ノウサギと言う獸。そしてふとタイトルのヴァルプルギスとは何かと思いました。サバトだとかありきたりの言い方では、納得のいかないワードだと思いました。
1途方もなく欠けていると叙事された上で、意志には徹底して触れないのが瞑想的な思考だと思った。
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