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絶景   

作成日時 2019-10-09
コメント日時 2019-10-22

師走の風が、水面を撫ぜる 波紋は 幾重にも広がり 水中に潜む 数百もの目玉を 一斉に躍らせる 水草が、 痙攣する指先のように、 ゆらゆらと 揺蕩う。 河川敷では、赤子が泣いて 涙は 母親が拭い捨て 眼球に潜む 自らの瞳には 一筋の水跡 赤子は、 水平線をなぞるように、 だあだあと 手を伸ばす。 肌をさす風に、隣人の温もりを思う 夕陽は 郷愁を誘う絵画のように、 水面を照らす。 明々と照らされた赤子を見た隣人は 「かわいい」 と、 明々と照らされた頬をほころばせ、 指先に力を込めた。 私の背にした水面には、 幾重にも広がった波紋が、 明々と、 照らされているのだろう。


項目全期間(2019/10/23現在)投稿後10日間
叙情性40
前衛性22
可読性21
エンタメ00
技巧84
音韻00
構成20
総合ポイント187
 平均値  中央値 
叙情性1.30
前衛性0.70
可読性0.71
 エンタメ00
技巧2.72
音韻00
構成0.70
総合65
閲覧指数:667.6
2019/10/23 19時36分05秒現在
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コメント数(3)
せいろん (2019-10-19):

とても惹かれる詩です。 指先に力を込める、という一見何でもなさそうな表現ですが、その前に赤子が登場している訳ですから、簡単には使えないようで、さらっと表現していて、技術を感じました。 全体的に読みやすく、読み手にとって情景が浮かぶ美しい作品でした。 良かったです!!

左部右人 (2019-10-22):

せいろん 様 〉情景が浮かぶ美しい作品 という感想、とても嬉しく思います。 お読みいただいてありがとうございました。

千才森 万葉千才森 万葉 (2019-10-22):

 お邪魔します。  わたしは、こっちの絶景の雰囲気が好きですね。記号を用いた作品は、ちょっとわたしには難解なこともありまして。  そして、これはどっちなのだろうかと、かなり悩みました。幸せなシーンで良いのだろうか? それとも不幸を予感させるシーンなのだろうかと。  無垢な赤子は何も知らず、朝日なのか夕陽なのかさえ知らずに喜んでいる。それは良いのですが、周りの情景がどうにも不穏と言いますか。単純に、わたしが単語をそのまま読むタイプだからかもしれませんけども。  師走の夕暮れ。冷たい風が吹く中、赤子を抱いて河原へ赴く。無数の目玉がこちらを向いて、水草が伸ばした手指のように揺れる川。わざわざ隣人と呼ぶ相手、その子供。 >指先に力を込めた。  この文の先に幸せが待っていた事って、わたしの記憶にないんですよね。  そして、最後の連。これが……。  うーん、読み違えたかな。  この雰囲気でしたら、風景描写に関しては目一杯美しく、郷愁を誘う絵画と書かれてますから純朴かな、そんな感じに仕上げても良かったかもと思いました。赤子と同じく純粋な物として扱うのもいいのかなと。もしくは、あくまで中間の位置に立っている存在として。読んだ印象としては、どことなく恐ろしさがありました。  あー、でも、風景って見る人の心理によって大きく印象が変わりますからね。うーん。  絶景。この漢字、改めて眺めてみると面白いですね。  言葉の使い方が巧みな方ですから、土台の安定感があります。ズレを深読みするんじゃなくて、仕掛けられた言葉や文を深読みするのは、やっぱり面白いなーと。間違えていたとしても、思考している道筋そのものが楽しいと思えますね。 

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