スノーマンの札幌公演のために東京から来た親子連れがその費用に五十二万円を使うと、テレビニュースに映っていた。妻が言う。「あんなのどこがいいのかわからない。下らないことに金を使って。馬鹿じゃないの」。私は答えた。「そうかい。じゃあ、俺たちはどんなことに金を使っているんだい。俺たちは子ども食堂に金を出したかい。児童福祉施設に金を寄付したことが一度でもあるというのか」。妻からの返事はなかった。
私たちは他人の無駄に見えるような金の使い方、金持ちの道楽に対し、厳しい視線を向けがちだ。「少なきを憂えずして、等しからざるを憂う」ということなのだろうが、まずは。自らの考えと行動を憂えるべきである。他人を批判するとき、自らに置き換えて検証しないと、その言動の底の浅さは見透かされてしまうものだ。
私は亡き母の考え方には常に反発していたが、一つだけ正しいとしているものがあって、それは、「人間の本性は極限状態になった時に現れる」というものである。私たちは全てが上手くいき余裕があるときには人々に寛容だが、そうでなくなると、途端に不寛容になってしまう。貧しさから富裕になった人が大らかになることはままあるが、貧困になった人が心広くあることは稀である。人格は生来的なところが大きいが、環境によるところもある。しかしながら、環境の影響によらず矜持を保ちたいものである。
私は最近声高く叫ばれる外国人問題については、「共感」するところが大きい。実のところ、非難されるべきは日本ではなく、迫害のある彼らの本国だろう。「真の解決」のためには、その国の人権状況を改善するしかない。しかしながら、私が彼らの立場だったら、いかに考え、いかに行動しただろうか。そのことを思うと、安易に彼らを批判することは難しい。また、自らの生い立ちを顧みると、忸怩たる思いに駆られることも確かである。
私たちは、ことさらに違いを強調しがちだ。だが、私はそれぞれに同じところを見つけ合うべきだと考えている。思想やアイデンティティによって人を峻別すべきではない。この社会には格差がある。スノーマンに多額の金銭を使う人もいれば、明日の食事に困る人もいる。でも、それが人間社会というものなのだろう。そして、その社会で生きる私たちは、社会に問いかけるのではなく、自らを問うべきだと、私は思う。
作品データ
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作成日時 2026-01-09
コメント日時 2026-01-10
#現代詩
#縦書き
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2026/01/12 17時09分43秒現在
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くずメディアが垂れ流す綺麗事の空疎なニュースをそのまま なぞった表面的な倫理。それを予定調和的に開陳しただけの つぶやきに聞こえます。 なんの新味もないし深い洞察もない。ある事象について(こ の作品なら国民の同意を得ない強制的移民政策)について一 通りの背景や勉強もせず、まったくのうわっつらをなぞって なにかとても良い人であることをみなさんにアピールしてい るだけという感じでがします。 移民なんて大昔からあるけど何の問題にもならなかった。それ は歴史や社会の自然な動きにそって移民が動いていたからです。 問題になったのは国民の総意を問わず一方的に経団連の 廉価な労働力要求に応えて社会をむちゃくちゃにしてでも 無理強いで移民をいれたことにあります。倫理の問題じゃ ないのです。しかし入れてしまったら責任がある。ところが国家や 大企業はその責任をとらず、厄介事をすべて市民大衆に押し付け 文句をいう人間を差別者扱いしている。移民によって必ずその国の 文化や安全は崩壊します。 この問題は巨大企業と結託して綺麗事をいっている新聞社やサヨク ファシストたち、 そのお仲間の作家、詩人、映画関係者などの知的エリート主義の 欺瞞にもつながる。移民なんかこのままほっておいたら日本社会は 廃墟になります。きれいごとをいってられるのは今のうちで、 社会の上澄みで生きている連中(億ションに住んでいる玉川徹だの、 億ションを所有する望月衣塑子など)は平気だろうけど市民国民 大衆は地獄に陥りますよ。そうして日本が壊れたところに中国が 侵入してくることが連中や巨大企業の目算です。
0どことなく左派にはよらず、だけど庶民に寄り添うタイプの良心的穏健保守……と表現すべきなのだろうか。 >私は最近声高く叫ばれる外国人問題については、「共感」するところが大きい。 としながらも >安易に彼らを批判することは難しい。また、自らの生い立ちを顧みると、忸怩たる思いに駆られることも確かである。 とするところに、watertimeさんらしい、きちっと踏みとどまるところがあるというか。 >社会に問いかけるのではなく、自らを問うべき ここに保守の良心性を感じた。 そうなんだよな。いや、左派の社会に問いかける姿勢もわかるんだけどね。 1991年に一度は失敗したとはいえ、マルクスのような社会に厳しく問いかける左派も必要だし。 でも赤尾敏のように社会に問いかけはしつつも「一人一人の思想の革命が必要だぞ」的な感じの自己にも問いかけを求めるような姿勢もまた必要なんだよな。 ……進歩的文化人以来の人文学はそれに失敗してしまった気はする。
0今年は円安なので東南アジアへ旅行してきました。(親子四人連れ) 年明けのニュースを見ていつも思わされるのが、 あああ、みんな余裕があるんだなあ、ということ。 みんな?みんなでは無いでしょうね。 程度稼ぎも安定している人たちでしょう。 上の阿呆の方が何やら論として面白味が味噌ほども無い。 と批判していますが、これは論として書かれたものでもない。 個人的な意見を反映させた私見の雑文です。 とはいえ、雑文にも良いものは有り、国内のコンサートに向かうための費用を記述に出されたことには意義がある。 すごいなあ。と私自身驚いたからです。 お金持ちに向けては私のような貧乏人の妬みは確かにある。 そんな貧乏人も租税という法律によってさらに貪り取られている。 これは社会という共同体の中で最低限の安定した暮らしを営むからには仕方ない。 と、真面目な納税者は、できるだけ誤魔化さず国や地方に申告いたします。 問題は、収めた税金の、その後の使い途にもあるわけですが、 よくよく自分自身を振り返れば、お金に関してかなり無駄づかいをしてきたなあ。 これは誰にも思い当たる事象でしょうね。 ずいぶん死銭として無駄づかいをしてきた。 昔の私のことで恐縮ですが、 40才を過ぎた辺りから少し余裕ができたのか、何故か洋服とか小物とかブランドモノには執着心を持つようになり、それが過ぎれば今度は夜の世界でドンチャン騒ぎ。オネエに貢ぎ物。笑。何処にでもいるバカ殿様。 そして年は流れた何年か前。半年前に買って一度も使ったことがなかった13万円のバックを、わずか2万円で中古屋にショボショボ売ったことがあります。(緑色ハンティングワールドなので叩かれてしまった) 後で友人から惜しがられましたね。 ~なんで!俺にひと言相談しなかったのか…俺なら3万円で買ってやったのに…と そのようにして還元されたお金もいまではあちらこちらに散らばるフィギュアちゃんやミニカーとかアイドルのポスター。小物に姿を変えています。 ああああ先は限られているというのに、この無駄づかいの癖は一向に治りませんでしたが、今年からは性根を据えて保険や車検のために貯めておきます。長々とすみませんでした。
0↑ 書いてるうちにティムくんが間に入ってきてるけど、 上の阿呆とはきみではないからね。笑
0了解です!(「新しい通知も来ていないのにコメントが一気に2つも増えてる……作者からの返信ではないはずなんだがな……?」と思って見に来た)
0私も若いころは、かなり左派的な考えを持っていました。 年齢を重ねるに従って薄れて雪はしましたが。 左派的な主張(理想主義)は経済成長を前提としているところがあり、 現代日本のように経済が停滞すると、なかなか上手くいきませんね。 マルクスは具体的ですが、今の左派は理念的な傾向が強すぎるような気がします。 社会と自己は双方向の関係ですから、そこに気が付くと左派的な思想の復活もあるかもしれませんね。 進歩的文化人以来の人文学は経済、工学系について「素人」ですから、具体的な改革は 抽象的になりがちで、そこが弱点です。 そして、それに気が付くには、自己への問いかけが必要なんだろうと、私も思います。
0私も貧しいので、金持ちに対する僻みはありますね。 表に出さないようにはしていますが、まあ、自然な感情であります。 お金の使い方は、私もそうですが、結構無駄遣いしてきたと思います。 もっと計画的に使っていたら、今の生活はもっと楽だったろうになあと、よく考えます。 私も結構趣味に金をつぎ込みましたが、まあまあ「必要経費」だったのかなと、 自己弁護しています。 ただ、これからは収支がかなり厳しくなりそうなので、私も性根を据えて節約に励みたいと思います。
0スノーマンって雪だるまかな?アイドルかな?って思いましたけど、 すぐに思い当たったのはなぜか雪だるまでした。 自らを問うこと、難しいです。
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