別枠表示
被暑地
少年の濃い影、 隠れようともせず 手際よく 蜷局を巻いた積乱雲 農機具小屋のトタン屋根に 鮒の眼、抉り捥いで 雑に投げ込む 抉つた痕、弐、ギザ十、埋め込む 紅い鰓が、 血泡に溺れてゐた 此の一連の儀式は 少年の、 ひと夏の、 密かなたのしみなのだ さうださうさう、さうだらう、 鮒の眼は、 灼熱のトタンの上、だ 蒸滅しかけの 白濁したレンズ部分に 少年のきれいな笑顔が 逆さまに、 映つていた これら一部始終を 連れ込み旅館の二階から 私は慶尚南道の女と眺めてゐて 履き直させた黒い下着を また脱がせにかかつた
被暑地 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1240.7
お気に入り数: 0
投票数 : 5
ポイント数 : 0
作成日時 2025-03-05
コメント日時 2025-03-11
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


これは凄い。 儀式のように魚の眼を抉り取る少年。 それを連れ込み旅館の二階から眺めている私。 最後の二行がたまらなくキマっています。
1こんにちは。 良いですね。 少年の少年である所以の残酷さ。 そして、第三者の「私」が覗き見、発情する様子。 印象が鮮やかだと思いました。 ありがとうございます。
0いきなりなにやら講談の入りのような力強さ。ですが、笑。終わりの聯にある私は~で話しはまだまだ続いていく過程に読めてくるのです。 さうださうさう、さうだろう~古文表現に長けた作者なので、さすがに眼を惹くおもしろい言葉の掴みが続くのですが、 、ちょっと語り手(作者)目線の意識だけが強くて、読めての印象としてはやさしく伝わってはこない。上段のどこかで少年に対する語り手(作者)の印象を解説として挿入する。それも必要になってくるのではないか、とも思いました。
1ケイ紅井チャマ!いつも一番乗り嬉しい限りでありまっす!紅井ケイは(クレナイケイ)なのか(クレイケイ)なのか(べにいけいBENNY' k)なのか読み方分かりませんがいつしか分かることでしょー最後の2行は降りてきましたね降りてきました。まだギリギリのLINEを探ってるとこですかねー誰もが通るエログロナンセンス!アングラ!ガロ読んでたからねーありがとうございました。
0どーもどーも、感想コメントありがとうございます。そーですか、よいですか、よかったです。概ねストレートには伝わったようなので戯作人三明十種としては上出来でしょうー
1おおアラガイさん!入り講談wそーですよねー二代目広沢虎造のダミ声で唸ってほしいですねーまあ親切な作りではないですよねー世界観の押し付けになってるかもねー(詩?の中で状況説明するのもあれですもんねー)今後の課題ですかねー課題はいつも棚上げですけどねーアラガイさんのようなご感想ご意見がないとココ(鬼の棲み家)らしくないですもんね!ありがとうございました。
1時代背景を「ギザ十」からわりだし「避暑地」や「慶尚南道の女」と繋いでみる。title「避暑地」ということを踏まえ、話者は富裕層であることが伺えた。さて少年の儀式について、まずそんな儀式はない。で、ソレを儀式と知っている。その時代では子どもが持てる金額でもないものを、残酷な儀式とともに、毎年嬉々としてやっている。のを見ている話者がいる。この文面を紐づけた結果。 この作品が現実に沿ったものだとして進めていく。連れ込み宿の二階から少年の儀式を見ている話者。これは読み取れることだなと。 で、問題は3・4連目をどう解くかだと思った。 まずそんな儀式がある世界線として考えるとかなり面白い。だけで、おわってしまう。ので、深読みしていくわけだけど。この儀式自体が仕組まれたことだとすれば、この話者の道楽ぶりが、かなり伺える。と直感で思った。 女も、少年も。すべてこの話者のてのひらの上のできごとで、話者の目線で騙られ、話者自身が語ることは暗喩も含めて、話者のザレゴトみたいなイメージが一番しっくり来ると思った。 結果的には、避暑地で少年をだまし、妙な儀式を教え込み、鮒の眼球が浄滅するのを見ている。のは、実際、としても。暗喩として。鮒の眼球自体が赤線の慶尚南道の女だとすれば、鮒自体の暗喩もあるのではないかとおもった。 鮒の暗喩として――鮒って泥の中にいる。口パクパクしてるイメージある。餌くれーとか、息できねえーとか、喘いでいるよね、そういう暗喩。避暑地で儀式というと、盆が浮かぶんだけど、だからあとは鮒の目に十円玉を二枚つっこむこれが、冥土の渡し賃だとして。この話者はそういうのをざっと儀式の意味として教え、でっち上げ少年に教えた可能性もある あとは、その儀式の意味をそのまま暗喩として鮒=女に当てはめる。泥沼みたいなイメージもあるかなと。実はこの女に対し本気でいる話者ではあるが、でも赤線を抜けるすべがないから、目に金を刺すのはコレで封じるみたいな、見なくていいから、ヤるだけみたいな、あとは冥土で会いましょうみたいな願掛けか、自分に呵してるのかもしれんよね 逆さまに見えるのは自分が語っている今が、本当は違う意味を持つことを示唆する騙りで――とかとかたのしく考えた。非常に奥深く勝手に誤読しまくって、とっても面白かったです。めっちゃ雰囲気ある、めっちゃ好みの詩でした、一票
1ここではっきり公表しておくと、「ベニイケイ」が正解です。
1おおお!AOIさんだー(ほんぶんよりボリューム有り)深読みの深読みしていただき恐縮でーす!作り手(仕掛け)側からしてみれば「ギザ十」に着眼していただけたことは嬉しいですねーあと「弐」のところ、こういう気付きを書いてくれるのはすごく嬉しい。書き手にそんな深い思惑はなく(登場人物たちに)板の上で演じてもらうだけでねー表層で展開している(のかもしれません)でも話として破綻するのもあれなので繋がるようには整えますが、僕もあれですよ、詠み手の方々に楽しんでいただけたら本望ですね。それが戯作というものですからね。(内情明かしますとこの作品?かなり書き直したのですよ。僕はめったに書き直さないのにね。)ありがとうございました。財布の中にギザ十あるかもしれませんよ!
1了の解!べにいけい様でございましたのね!くれい、くれいと読んでいましたのよ!今度からケイBENNYチャマかベニーケイチャマ(←こっちはクリスタル・ケイの発音)とお呼びします!
1やはり季節は夏なのでしょうね。 三明十種さんは、夏の詩人だ。 こどもの残虐性を、淡々と。 作者自身が述べている通り、 確かにガロ系の世界観を彷彿とさせる。 つげ義春は、僕のヒーローです。 鮒の目玉を抉りとり、その痕にギザ十を埋め込む。 それは少年だけが知る、独特な、秘密の儀式行為だろう。 その行いが、実は「私」と「韓国人女性」という大人達に目撃されている。 この構図――萩原朔太郎の『蛙の死』を思い起こさせる。 こどもの秘密なんて、大人にはお見通しだ、と言わんばかりな。 けれども、この作中の大人達は、こどもの残虐極まる行為を、 ただ淡々と眺めているようだ。 そのあたりに、作者のニヒリズムというか、 アンニュイな視線を感じる。
1類チャマ!ありがとう!そーですね、あれですよ、ガロ精神は受け継がれていかねばならんのですよー貴方にも受け継がれていると思うんですよねー(実は何を書けばいいんだろうと迷ったときにはつげ義春作品のことを思い出したりしてます)構図的にはよくあるものですよねーなんてゆーか俗っぽいものを書きたいんですよねーハードポエマー宣言ですw
1少年の秘かな儀式。蜷局を巻いた積乱雲。全てが象徴的に、現象をかき混ぜます。眺めていた「私」が詩を異界に連れ込みます。
0エイクピアさん、ありがとうございます! 象徴派には密かに憧れがありますけど、到達出来そうにはないみたいですねー浪漫チックに白樺の並木道を歩けそうもなく、まあこの戯作の道を行こうかと(何処に向かおうとしてるのか分かりませぬ)(何処に向かえとも言われとりません)
0