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ミイラ男は泳げない   

作成日時 2019-06-06
コメント日時 2019-06-12

たくちゃんやアーくんはとても 綺麗なフォームでクロールするんだ 彼らのように泳ぎたいわけじゃない 水と愛撫し合う幸せを知りたいだけ 包帯が水を吸って絡みつく 誰もお前は認めない、という声 ただ重く、体が沈んでいく ねぇ、なぜぼくを こんな風に産んだのですか? 泡にしかならない 人魚姫のような 言葉たちの悲鳴 たくちゃんやアーくんはとても 綺麗なフォームでクロールするんだ みな底の水はぼくを認めてはくれない 絡みつく包帯は歪みきった愛情 海藻みたいにゆらめき、みな底に根を張り 光る水面を見上げる日々、泳ぎたい 包帯を解けば泡になって消えてしまうのよ みな底の水が囁いてくる、けれど…… 包帯を振りほどき 不恰好に手足を伸ばせば ぼくという輪郭が泡となり 失われていく、包帯は哀しげに みな底でゆらめき嘆くばかり 泡と消えるまえに 出会った、あなた、あかいながれ 水を抱きしめてぼくという輪郭は 取り戻されていく、さぁ、どこに行けばいい わからない、けれどその迷いすら 愛しい水と抱き合い不恰好に泳げば 幸いでしかなかった、さよなら、包帯 さよなら、始めて愛してくれたひと ぼくはあかいほうへいきます


項目全期間(2019/06/18現在)投稿後10日間
叙情性66
前衛性00
可読性11
エンタメ00
技巧11
音韻22
構成11
総合ポイント1111
 平均値  中央値 
叙情性23
前衛性00
可読性0.30
 エンタメ00
技巧0.30
音韻0.70
構成0.30
総合3.73
閲覧指数:918.1
2019/06/18 00時09分10秒現在
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コメント数(10)
舞浜舞浜 (2019-06-08):

水を吸った包帯にからまる「ぼく」の表現が素晴らしく、胸苦しくなりました。「たくちゃんやアーくんはとても 綺麗なフォームでクロールするんだ」という語りによって、この詩の主人公は幼いひと、なのかと思わせられるのですが、読み進めるうちにもう少し成熟したひと?という気もして、そこがうまく自分の中で処理できず残念でした。 後半、出会った「あなた」によって泳ぐことができ、包帯に別れを告げる、までとてもぐっとくる展開でした。なので最後の一行はもっとぐさっとトドメを刺して欲しかった、などと思います。 ただ、どこかせつなく好きな世界観です。ミイラ男シリーズ?としても興味深く読ませていただきました。

帆場蔵人 (2019-06-09):

舞浜様 おはようございます、てもう昼でした。こんにちは。ぼくにすると珍しく一筆書きな詩、でして主体の過去と現在が入り混じりったようですね。たくちゃん、アーくんて表現がどうにも変えられなかった言葉でそこに違和感があるとしたら、前述した理由です。 ミイラ男シリーズ 笑。確かにそのつもりで書いたものです。ありがとうございます

渡辺八畳@祝儀敷 (2019-06-10):

ビーレビでのシリーズものは羽田恭氏のフィラデルフィアを連想させる。 前半は平易な言葉で書かれていたのにいきなり感じが変化したのには正直戸惑いを感じた。 「あかいながれ」「あかいほう」とはなんなのだろうかというのがこの詩においてひとつの重要なところだと思う。ミイラ男が持たない、生身の人の中にある血潮ととれるが、私は赤方偏移説も出しておきたい。異形の者だからこそ現世・現実からものすごいスピードで遠くまで行ける。

るるりら (2019-06-10):

こんにちは わたしの初恋さんは、たまたま水泳部男子で、しかも あだなが たくくんだったから、勝手に 胸きゅんでした。 包帯で 泳ぐなら、古式泳法でないと無理だから、クロールには 勝てそうもないですね。 あかいながれ なぞですね。オームなら攻撃色でしたっけ ミイラなら血がにじんでいたのかなあ。そのあたり もうすこし、書き込んでほしかったです。

帆場蔵人 (2019-06-10):

渡辺八畳@祝儀敷 様 うわぁ、そこに辿りつく人がいるとは。ひらがなである意味、どうとでもとれそに書いてみたわけでして頭の隅の一番、端にあった言葉にぶったまげている。しかも赤方偏移を出すならもう少し色の描写をするべきだったと反省していた矢先なんですが……コメント読むのが楽しいと改めて思いさた。ありがとうございます。

帆場蔵人 (2019-06-10):

るるりら様 恋バナが。ちなみにぼくの初恋は歳の離れた弓道してと従姉妹、て何を話しているのか。作品に戻りまして。 渡辺さんへの返信でも書いたのですが、ある意味想像にお任せしてはいるんですね。ただもう少し練りこんでも良かったのかもしれません。 どこまで書くのか、というのは永遠の課題な気がします。ありがとうございました。

ふじりゅう (2019-06-12):

拝見しました。 ミイラ男シリーズ第2弾かな、と想像しつつ。切ない流れるような詩句から一点、あかい、というワードの引っかかりがテクニカルな詩です。ただ切ないだけではない、少し恐ろしさを感じるような詩でした。おもしろかったです。

黒髪 (2019-06-12):

水って、不思議だなと思います。冷たいけど慣れるし。それに、孤独ですよね、水の中。底が深いとおぼれてしまうし。包帯っていうのが水と相性が悪いという、非常に独創的な比喩を使っておられると思います。包帯も、強いイメージですし僕には懐かしくて、なんか、やるせない気持ちになりました。でも、帆場さんの詩は、端正ですし、その端正さゆえに、表現者の心の強さを感じます。最後も、きちっとしめるというか、詩は誰だってまとまりをつけたくなるものですが、心の真実を作り上げられているように思いました。あかいほうへ、というところが、red hot chili peppersの、「Californication」というアルバムのジャケットを思います。

帆場蔵人 (2019-06-12):

ふじりゅう 様 少し恐ろしさを感じた、というのが新鮮です。自分でも読み返してみたいと思います。ありがとうございます。

帆場蔵人 (2019-06-12):

黒髪 様 リアルに幼い頃は泳げず水は恐怖でした。でも仰るように水は不思議で孤独を思いますが全身を包み込んでくれてもいるようです。ちなみに詩の端正さ?は臆病で崩しきれないからかもしれませんね。或いは黒髪さんが言われるようにせめて詩作だけは強くありたいという思いか。 red hot chili peppers 「Californication」 気になってたバンドです。聴いてみようかな。心の真実というお言葉、嬉しかったです。ありがとうございます。

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