たったひとりで伸びていったクレーンへと捧げる詩 - B-REVIEW
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きょこち(久遠恭子)

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きょこち(久遠恭子)

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きょこち(久遠恭子)

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衝撃を受けました

ベテルギウス。まずそれに注目する感性もですが、詩の内容が衝撃。 猫。木。家族。犬(のようなもの)。女の子……。など、身近にあふれている極めて馴染み深いものベテルギウスというスケールの大きいものと対比されているように感じられました。

二酸化窒素

ずっと待っていた

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たったひとりで伸びていったクレーンへと捧げる詩    

お父さん お母さん 見上げてください そして拝んでください あなた方の白痴の子は ただ一本をもって 遥かに透き抜ける大空へと伸びていきます 限りなく広がる空間に 鉄の身ひとつ 質量を伴いながら 欠けているように細いその首を まっすぐ無垢に伸ばすのです 垂れたワイヤーのその端で フックが寄る辺なしに揺れるなか 望むがままに伸び続けるのです その行動に思惟はありません あの子は全くの白痴なんです 親である人間たちが電力を与えてあげないと 動くこともできない子なんです まことに図体ばかりが大きくて ひとりでペンキも塗れないかわいそうな子なんです それがただ一本 たったひとりで空に伸びていきます どんどんと思惑うことなく伸び続けていきます 父兄の皆さま お願いです! 見上げてください! 舌が喉にかかって嘔吐しそうになっても 雲一つないあの青天へ 刺し入っていくあの子を どうか! 空は見えない血を噴き出しました あの子は何も考えていません ただの鉄の塊には考える脳などあるわけないのです だけど ああ実に尊い 見上げてください 日光に鋼管は燃えあがり 大いなる天上を切り裂いている お父さん お母さん あの子は神になりました ただ思うがままに伸びていって 私たち人間の頭上で鎮座しています 見上げてください そして拝んでください あなた方の白痴の子は 空を殺して 神になりました


たったひとりで伸びていったクレーンへと捧げる詩 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 20
P V 数 : 2961.3
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 4

作成日時 2018-11-27
コメント日時 2018-12-16
#受賞作
項目全期間(2024/04/20現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性11
可読性00
エンタメ11
技巧22
音韻00
構成00
総合ポイント44
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性11
可読性00
 エンタメ11
技巧22
音韻00
構成00
総合44
閲覧指数:2961.3
2024/04/20 07時03分11秒現在
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    作品に書かれた推薦文

たったひとりで伸びていったクレーンへと捧げる詩 コメントセクション

コメント数(20)
渡辺八畳
(2018-11-27)

写真もどうぞ https://imgur.com/a/3vsin5p https://imgur.com/a/hAVHOGj https://imgur.com/a/dGfqitO

0
環希 帆乃未
(2018-11-27)

渡辺さんへ。私自身は作られた物という工程等も含めて、物自体が生きていると思っています。白痴に違和感が有ります。差別用語を差別と思って使われているか使われていないか等は本人次第ですので触れません。人の手によって動かされるクレーンですが、動かすのに知識、経験、練習、無くしては、破壊する為の物に成り得ますね。なので操縦者ありきなクレーンです。白痴を動かすと考えると、観点からの着地点は白痴という言葉では無いと思います。クレーン全体の知識が無い。作品だと思います。知っていれば又違った作品に成ると私は思います。要約すると、詰めが甘いです。持っている知識だけで作品を書くのではないけれど。知識と思考がイメージに直結する部分があるので、この作品自体が不完全な作品だと言えます。白痴だけで動きます。クレーンは操縦者があっての、クレーンです。操縦は簡単ではありませんよ。 良い所、クレーンはたった一人で動きません。遠隔操作が組み込まれていても。一人では動けません。そう考えると、発想が柔らかいですね。 >空は見えない血を噴き出しました >空を殺して 神になりました の二点に何を感じるかでしょうね。私の神とは違いますね。空の血についても同じです。作品自体を、興味深く拝見させて頂きました。私に影響したのも良いと思います(どんなとかは、だってなんだかだってだってなんだもん)です。

0
渡辺八畳
(2018-11-27)

コメントの前半部分は文学極道に書かれたものと同じなのでスルーする。 後半は、まぁね、白痴なクレーンがひとりで伸びることができたって詩ですから。

0
環希 帆乃未
(2018-11-28)

※文学極道さんから一部転載。詩では無く、白痴を患った人を、主人公として扱った作品があります。白痴を差別として扱っていない作品です。無垢であったり、善良と表現して、主人公を扱っています。クレーンを機械ではなく、主人公として扱っていると見てみると、差別として扱っていないし。端的な機械という意味では無いと私は思いました。私が感じていた違和感が変わりました。白痴、操縦者も含めるとまた違った感じ方になりました。作品としての完成度は、前回の遺影(大賞投票しました。遺影は前衛的で、挑戦されてある作品です。投票結果の何故投票したのか、作品名を記載していない、作品名が表記されていないのでこちらに書いています)元がしっかりされているのも分かっていますので、すらりと読めますし。後味も悪くないです。なので、指摘できる点が今はありません(本当の感想っぽいのを三十日に載せます。他の方のお言葉で、具体的な感想っぽいの語られた場合は、書きません)

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環希 帆乃未
(2018-11-28)

あぅ、書き忘れです、文学極道さんで、渡辺さんへPM送ってます。反応云々は渡辺さんにお任せします。

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るるりら
(2018-11-28)

こんにちは わたしは、そもそもが クレーンだの消防のはしご車だが好きな読者です。よって、この詩も私にとって どストライクです。  そういえば、幼き頃の写生大会で 私は梯子車を描き、賞をとりました。私の伸びゆくものに対する愛と興奮が、大人にも見て取れたのでしょう。こんな私ですから、この詩のクレーンに対して 私の信仰となりえるかどうかを すこし考えてみます。どうやら この詩は ただの伸びゆくものへの偏愛では無さそうです。読者に「拝め」と言っているのです。  私の近所に たくさんのクレーン車が駐車してある場所があります。伸びる物フェチの私としては、突如 鉄骨を伸ばしてシンクロナイトスイミングのように踊ってくれないかと夢想せずにはいられません。しかし、この詩のクレーンとは違います。この詩のクレーンは 唯一のクレーンなのです。たったひとりで つきぬけていった なにかに選ばれしクレーンなのです。    行動に思惟がなく、思惑うことなく伸び続けるクレーン。空を殺して 神になるクレーン。 これは、おそろしい存在です。もしも 無機質であるモノが なぜか生命になったという話だったのなら、なにかしらの思惟が生じる気がします。たとえば、高木が枝葉を伸ばすのは より多くの光合成のためという理(一種の思惟めいた働き)があります。理がないの やみくもに巨大になる物体。しかも、私たち人間の頭上で鎮座する物体。私には、おそろしいです。 >お父さん お母さん 見上げてください >そして拝んでください 呼びかけで普通に思いつく言葉に「ladies and gentlemen」というのもあります。しかし、そうでは無い。読者に作者が望んでおられるのは、父母として もしくは父兄として このクレーンを自分たちの子どもとして愛を持って観ることです。我々人類が産み出したモノと言えば、今の世の中のIT化やAI技術の進歩のことを想起いたしました。 >あなた方の白痴の子は >空を殺して 神になりました 「空」といえば、仏教思想の空の思想を想いました。このクレーンには思い遣りなどという高度な思考は、ありそうもないです。わたしたちが拝んだところで、クレーンという無機質なもののが 私達に感謝で応えてくれる可能性もなさそうです。 しかし、私達は もうすでに無機質なものに、この身を既に委ねている気もします。IT化やAI技術のことを考えると、すでに私たちは、なぜだか伸びている巨大なモノを拝んでいる状況とも言えます。理のないものを愛しきったり信仰のような心境で拝んだりすることは、おそろしいです。 >空は見えない血を噴き出しました 空の見えない血を観る力を養うのが、詩を書く人の もっとも重要な仕事のひとつだと思いました。本作品は、私にとって刺激的な作品でした。拝読できてよかったです。ありがとうございます。

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三浦果実
(2018-11-29)

本作を投稿するところが素晴らしいと思う。禁句、他人への不快感、差別思想、などなど、覚悟された作品はそれだけで魅力がある。最低だなと思うのはそういった覚悟の無い匿名の中傷、誹謗、差別な作品、つまり軽薄で浅はかな作品。渡辺さんにはなんだったら本名晒して対マンで話しますか?という覚悟がある。なので、この作品は素晴らしい。詩の王道路線ももちろん好きだし、たくさん読みたいと思うけれども、暗黙の了解を犯す本当に意での斬新さ、詩の残酷さ、断絶を表す作品を読みたいと思う。広告主が思わずクレームを出してしまう作品が投稿されることを期待する。

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渡辺八畳
(2018-12-01)

花緒さん 「僕は詩にはメッセージはないという立場です。日本語を、いい職人が作った美しい細工のように、ある存在としてそこに置けるのが詩だと思っているんです。だから、まず美なんです。真・善よりも。美しい細工のように、言語を「存在」にしたいんです。なかなかそうはいかないんだけど、理想を言えば、詩を素晴らしい細工の小箱のようにそこに置いてみたい。その意味で相田みつをさんの作品はメッセージであって、詩ではないと思うわけ。」 谷川俊太郎、和合亮一『にほんごの話』(2010 青土社)P.168 谷川のこの言葉に私は同意です。 第一、詩って思想やメッセージを伝達するには不向きだと思うんですね。わざわざ詩にしないで素直に散文で書いた方が伝わる。 思想性云々なんて結局戦後のリベラル的ヒステリーで提唱されただけであって、それが詩の要とされるのはおかしい。詩とはそもそも真や善でなく美に特化した形式です。だからこそ意味性なんてどうでもよくて、ただただエければそれでいい。

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渡辺八畳
(2018-12-01)

るるりらさん この詩自体、一番最初に提示した写真の三枚目(https://imgur.com/a/dGfqitO)を撮って以降クレーンに興味を持つようになったから書いたものです。いいですよね、クレーン。あの極端に細長いフォルム。不安定で、だからこそ儚ささえ感じさせる。

0
エイクピア
(2018-12-01)

神になった子供。空を殺して神になったところがそれまでの詩文とあいまって印象的でした。宮沢賢治的なでくの坊的な発想もあったような。伸びて行くというのは猫の事もちらと思いますが、空に向かって伸びて行くというのがこの詩の眼目なのでしょうね。

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渡辺八畳
(2018-12-01)

みうらさん いや、これが覚悟の投稿になってしまうことにこそ私は抵抗を感じますね。 別に誰も傷つけちゃねぇじゃん。「白痴」なんちゅう現実の誰に向けられたわけでもない言葉を以てイリーガルとすることがおかしい。じゃああれだ、「桃」って漢字は俺が告って振られた女の子の名前にある字だから、以降この字を使う人は俺を嘲ていると判断するからな使った時点でお前はレイシストだ、って言いだしたらおかしいでしょう。それと同じですよ。

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完備
(2018-12-02)

アイデアはひとまずよしとするにしても、文体が雑、あるいは中途半端だと感じました。ある意味で古風な、「格調高い」とでも言うべき文体が似つかわしいのに、どうにもそのようなものには成り切れていないという印象を拭えません。

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渡辺八畳
(2018-12-05)

エイクピアさん でくの坊はそうですね、詩註中のクレーンはまさにそういったものを描こうとしていたものです。

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渡辺八畳
(2018-12-05)

仲程さん 神は当初から懸念点ではあったのですが、どうしようもなく尊いものの前ではひねった表現なぞ無意味で、ただただ「すごい」とか「きれい」とかしかでない。「神」もその類だろうという持論があるのでそのまま突き進みました。

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渡辺八畳
(2018-12-05)

完備さん 文体云々は以前より言われてはきています。それ言ってくる奴らが大抵過去の延長線、ありがち詩文書く人たちだから反発はあるけど。 文体ですがこの詩に関しては小学校(しかも低学年の受け持ち)の教師が保護者に訴えかけている、ってシチュを思いながら書きました。父兄とかまんまそれだし。

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渡辺八畳
(2018-12-05)

蛾兆ボルガさん 私は詩に教訓はほとんど求めないタイプです。ってのは先の花緒氏のコメント見てもらえばわかると思いますが。有難い言葉を求めてんなら坊さんの説法聞いてろよと。詩に教訓求めんのはお門違いだ。だからコメント内の立場そのものです。ですのでこの詩に教訓云々を言及されるのは意外も意外でした。

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黒髪
(2018-12-14)

詩全体が皮肉のように感じられるのだが、気のせいだろうか。

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ほば
(2018-12-15)

もう散々、コメントが出てるからあまり言えることはないですが、これはたまらなく好きですね。ただひたすらにクレーンがぼくのなかで膨れ上がっていきます。sf的にみたり、色々考えてしまいますが、読むたびに自分のなかで新しい解釈が生まれるように思う。

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黒髪
(2018-12-16)

上でコメントしましたが、私がナイーブになりすぎており、特に作品に問題はなかったです。創作 として、よくできておりますし、上のコメントは、返信いただかなくとも構いません。 言いがかりになってしまい、申し訳ありませんでした。

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渡辺八畳
(2018-12-16)

帆場蔵人さん 再読に耐えうる詩は書いていきたいですね

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