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星の内臓
空中に吊るされたバイオリンが 夜の風に脈を打っていた 誰の手にも届かぬまま 心臓の弦が、ひとつずつ切れてゆく 沈黙は 砂漠に似ていた 音のない雷が 頬を裂く 「ここは夢か」問うた声だけが 現実に帰れず、崩れて消えた 燃える星の内臓が 空にひらいて 無限の悲しみが 流れ落ちてく 僕の名を知らない この宇宙の果てで ただ、喪失だけが 真実を語る 歩くたび 影が遅れて泣き出した 鏡のなかで老いた僕が まだ産声をあげている 「始まり」を知らぬまま、終わってゆく あらゆる言葉が 意味を手放し 重力のない祈りが浮かぶ 君の「さよなら」が聞こえた気がして 耳をふさいだら、音楽になった 燃える星の内臓が 空にひらいて 崩れた過去たちが 渦を巻いてく 未来も夢もいらないと泣いた夜に ただ、喪失だけが 僕を許した そして、空は裂け 時は逆流し 生まれたての死が 僕を抱いた 「ありがとう」とつぶやいた声が 誰にも届かず、美しかった 燃える星の内臓が すべてを呑んで 孤独の銀河が 心に落ちた 崩れゆくすべてに 意味はないとしても その無意味こそが、愛だった
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星の内臓 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 201.7
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2026-01-11
コメント日時 2026-01-11
| 項目 | 全期間(2026/01/12現在) |
|---|---|
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


あー、好きだな、こういう詩。もう僕は多分書こうとしたらストップしてしまうタイプの詩かもしれないけれど。基本こういう詩、タイトルの星の内臓にしても、老いた僕がまた産声をあげる、にしても好きな表現。ただ綺麗にまとまりすぎて、あるいはちょっと書き尽くされた部分があるのか、それは僕にも分からないが、発見がやや乏しいように思う。発見というのは、こういう着眼点があったのか、と読み手が驚くフレーズ、表現のこと。ひょっとして作者さんは、書きたいことがまだあふれてるもしくは書き始めてそんなに経ってないのか、どちらかと思った。何れにしても推測。これからもドンドン書いてください。期待してます。うまく言えないけれどこのタイプの詩で発見がたくさんあったら、それはもう名作になると思うんですよ。宇宙とか、銀河とか出てきたら何か言う人は必ずと言っていいほどいると思うんだけど。究めて欲しい。
0この詩、良いなあ。とても佳い。 宇宙の終わりと始まりがあって、 それが愛に帰結しているところとか堪らない。 随所に光る表現が目立って満天の星空のようです。
0とてつもなく壮大な装置(背景)に内面の感傷を滲ませた、とても意欲的な作品だなと思いました。 詩中の問に対する答えのような部分が、装置の壮大さに若干埋もれてしまったように感じました。 星の内臓という表現が、マグマを連想させて面白いですね。
0世界が美しい。良き作品です。
0こんばんは。 誰にも届かないのが美しいという表現に涙が留まりそうです。 心身が読んでいる内に 洗い流されて行くようなやすらかな作品でした。
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