絵に似た、窓から見える日没はいつも、片手で外された象が輪郭をうしないながら、耳の奥に運ばれていくミニチュアの植物はやがて粘土の毛羽立ちになり丸めた粘土のかけらで窓枠をつくったあと、石像のようになる象が確かにわらいかけてくれました
目で見える距離をたがいにおなじくし、かすんでいくけどビビッドな色づかいの、描写される外の景色は、紫色を起点にひろがるんだ、日没で、やがて象が眠るとき、右手ににぎっていた真っ白い丸石を家だと言った、重たい壁をつたってキッチンに行くと、招かれていたいぬたちにふるまうレシピを記憶した鳴き声は、野菜を煮込む時間をおしえてくれました
聴覚はびりびりしだすと雨がふる、と決まっていました。外にでているいぬたちを呼び、いぬたちは雲を連れてくる、「名前がないこととカメラの倍率はひとしい」ととなえると、こんどはこどもたちが歌っていたメロディを思いだして、一心不乱に床へ描きだした模様がうつくしい、
両腕にいぬたちと雲をかかえ、象のもとに戻ると象の鼻の穴がふさがっていて、呼びとめられた幽霊たちが椅子のあしに代入されていること、なにもかもをわすれてねむる人はいない、と今度は夢のなかなのか絵画の中でだったのか、そんなことを話しながらスープを食べていると、いぬは、皿のうしろに大きな夕焼けをみた。
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 710.9
お気に入り数: 0
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作成日時 2025-07-10
コメント日時 2025-07-12
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
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| 技巧 | 0 | 0 |
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閲覧指数:710.9
2025/12/05 21時09分29秒現在
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シュールですね。まさしくシュールだ。 ここに用いられている名詞群、象やイヌや幽霊や雨や雲~その他まで、これはすべて夢のなかに塗り込めるための幻想記号ですね。 なので『ひろがる』夢は留まることを知らない。 それは現実としても、子供たちが無心に描きだす条件反射のような色使い。 パブロフの犬。 意図的な作図と無意識を試みる言葉への操作 技術と思考が編み込まれた高度な詩作品だと思われますが、 まだよくわからない。いや、むろんわからなくて正解なのだが、 また読め直してみます。少し時間を空けて。
0この曖昧で流動的な状態そのものが「情感」なのだろう。意味が通らないこと、言葉が足りないことも、全部、象と、いぬで、補完される。一見超現実のようにみせかけ、全体が比喩でできている構造。起点として「象」は、動物の「象」を現すが、「象」は形、姿、様子を示す。「いぬ」は犬の姿を取るが、「帰る」「去る」、「往ぬ」という意味で使われている。象は漢字でいぬはひらがなだったのがひっかかり、titleが”ひろがる”とあるので、点と線をつなぎ合わせた結果。だからまあ、わたしはそう読んだでしかないけど。おもしろかった、良き
0個人的には、さほど感興を喚起しませんでした。 ぜんたいに、理想郷を描いているような感触といえばいいでしょうか。 つまらなさと紙一重のところでうまい。 良いと感じるとしたら、それはこの作品に内蔵されている インタラクティブ性 (読者たちにどこかで聞いたような評をかかせるのにはおあつらえむきな作品だ) がそうさせているのであって、 詩人の琴線ではないのではないか。
0読み手の思考や常識をいともたやすくひっくり返してしまう。優れた詩文を読むと、まるでオセロゲームをしているかのような感覚になります。この作品の特出した点を一つ挙げるとすれば、最後の一文が読み手の視点を鮮やかにひっくり返すところだと思います。そこから見えた景色のひろがりを、じっくりと想像しました。 これはほんとうに細かいどうでもいいことなのですが、一連目と二連目が同じ敬語(くれました)で終わっているところに、雑味のような、恣意性を少し感じました。
0丁寧な描写が見られると思いました。窓から見える日没や描写される外の景色など。聴覚のびりびりや犬。像は像なのかもしれません。
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