蓑を抜け出し、繭を抜け出し
醜い姿を晒していくの
裸のままで、空っぽのままで
あたし、蝶になったつもりでいるの
綺麗でもない羽根を広げ
だらしない体を見せびらかすの
生まれたままで、汚れたままで
あたし、蝶の真似事をしているの
誰も振り向いてはくれない
美しいとは言ってくれない
でも、そんなことは百も承知
あたし、本能に従っているの
あたし、望んで毒されているの
真っ赤なチーク、ピンクのリップ
紫のアイシャドウ、マスカラには鱗粉添えて
あべこべなカラーリング、好き放題に彩るの
端から見ればケバい変態
端から見れば傲慢な娼婦
でも、そんなことは百も承知
あたし、勝手に生きてるの
あたし、望んで堕落するの
恥じらいなんて捨てればいいわ
図々しく薔薇で飾り立てるの
心臓にまで毛が生えてないと
この世じゃ生きていけないでしょう?
夢と欲だけ信じればいいわ
笑って菫を踏み潰すの
悪ふざけしたほうが
何億倍も潔いでしょう?
閉ざされているよりも
光に向かって飛んでいたいの
群れて怯えているよりも
自我を持って飛んでいたいの
生まれた時から負け犬だって
ハナからわかっていたことよ!
誰もあたしを愛してくれない
そんなことはどうでもいいわ!
蓑を抜け出し、繭を抜け出し
醜い姿を晒していくの
裸のままで
空っぽのままで
あたし、蝶になったつもりでいるの
綺麗でもない羽根を広げ
だらしない体を見せびらかすの
生まれたままで
汚れたままで
あたし、蝶の真似事をしているの
それでも別に構わない
あたしが望んだことだもの
蝶になれなくったって
蛾でいる方も悪くないでしょう?
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 845.8
お気に入り数: 0
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-06-17
コメント日時 2025-07-17
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:845.8
2025/12/05 21時15分37秒現在
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誰も自分を愛してくれないなら、 生まれた時から負け犬なのですか? ならば私は「負け犬」ですね。笑 私は蛾は好きです。 夜に光を求めて飛び、炎にだって光と勘違いして突っ込んで焼かれている。 華やかな蝶は、誰もが好むでしょう。 だけど、蛾だって、同じいのちです。 私は蛾の醜さをいじらしいと、愛おしいと思います。 ありがとうございます。
1蝶が木の上に立つ世であるならば、蛾は個人主義の時代に立つ虫か? 世の中がこうおかしくなっている時に、心荒れつつある己と、それを冷静に俯瞰し見ている己が混在している。そんな世相を反映しつつ、芯の強い己も持っている。そんな田代さんの文学者としての在り方に共感します。 世を支える木の幹が崩れ落ち、我の時代が来る。今作は蝶と蛾の対比を通じて、世と個人主義の時代の到来についても考えさせられました。
1こんにちは、 >>端から見ればケバい変態 で元気出ました、、たまには図太く踊ろうと思います。♪
1作品の感想ではなくて申し訳ないのですが、今作、前々作と読ませて頂いて、書かれてみたいことがいっぱいあるような気がして、それをあえて典型的な詩の形にあてはめず、散文的に書いてみられてもいいのではないかと思いました。その方がより自分の(書きたい)内省に近づける場合もあるかと思います。
1コメントありがとうございます★ "誰も自分を愛してくれないなら、 生まれた時から負け犬なのですか? ならば私は「負け犬」ですね。笑" ↑少々表現が過激すぎた部分があり、反省しております。不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません。ただ、こちらの作品では周りの人との違いに強い劣等感を抱いた主人公が変なプライドは捨てて自我を突き通そうと息巻く様子を表現しています。なので、敢えて生まれた時から負け犬だ、どうせ誰も愛してくれないでしょ?と開き直っている風にしてみました。でも、ちょっとキツイ表現だったかな(泣) また蝶に憧れを持っている風に見せて、自我を押し通そうとする感じから蛾=自我と掛けてみました。 私も蛾は好きです。毒々しくて不気味な模様だけど、逆にそれがいい味出していて惹かれます(✯ᴗ✯)
1コメントありがとうございます★ "蝶が木の上に立つ世であるならば、蛾は個人主義の時代に立つ虫か?" ↑面白い見方ですね★まさかこんな哲学的な考察が立てられるとは!びっくり(ノ*0*)ノ! そうですね、こちらの作品では蛾=自我という風に掛けています。 周りと違いに悩み、劣等感を抱いていた主人公ですが、変なプライドを捨てて自分の好きなように生きてやろうと自分を奮い立たせている様子を表現してみました。 確かに、万太郎さんの仰るとおり、蛾=個人主義という考えに通ずる者があるかもしれないですね。 今回も色々考察して頂けて嬉しいです★ありがとうございます★
1コメントありがとうございます★ そうですね。変に周りに合わせるよりも、図太く自分らしく生きたほうが楽しいし、気が楽だなと感じます★
0コメントありがとうございます★ "書かれてみたいことがいっぱいあるような気がして、それをあえて典型的な詩の形にあてはめず、散文的に書いてみられてもいいのではないかと思いました。" ↑なるほど!散文という手もありますね★確かに、自分が書きたいものは何かを整理できるのではと思います。 貴重なアドバイスありがとうございます★是非、参考にしてみます!
1タイトルに有るようにメルヘンなイメージと、ドロドロとしたイメージが共鳴していて、それでいて凛と立つ様な、力強さを感じておもしろかったです。 合わせて過去作の少女ルシファー/王女サタンも読まさせていただきました(タイトルが面白かったので)。こちらも力強さを感じる、足腰の強いと言ったらまた違うかもしれませんが、パワフルで良い詩だなと思いました。
2はじめまして★コメントありがとうございます★ "タイトルに有るようにメルヘンなイメージと、ドロドロとしたイメージが共鳴していて、それでいて凛と立つ様な、力強さを感じておもしろかったです。" ↑素晴らしい感想ですありがとうございます★(*´ω`*) 一番伝えたかった力強さや勝ち気な雰囲気が伝わって嬉しいです★ 過去作にも興味を持っていただけたとのことで嬉しいです★ ありがとうございます★ 今後も何かご縁がありましたらよろしくお願いします(✯ᴗ✯)
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