夜が暴走している
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入院手記（鬼言（幻聴）２）
これがもしかしたらば、最後のビーレビュー投稿になるのか、ならないのかわからないですけれど、ともかく先月～今月の入院が、人生の、多くは清算の側面を持っていたので、ガシガシ書いていこうと思います。興味関心がある方だけ読んで欲しいといったら嘘で、多くの方に読んで欲しいけれども、これ世間一般で云えば「恥」の手記にあたるのだろうか？当人は全くそんな気はないのだけれども。ともかく不思議な入院体験であったことは確かで、また会社に迷惑をかけたけれども、いのち優先、あまり根詰めしないように、ゆったりと書いてまとめていきたいと考えています。 統合失調症では、急性期症状と云うのですけれど、ともかく、幻覚妄想を伴った、大きな波がきます その前提として、私は仕事の余暇を、パワースポット巡り、神社仏閣巡りなどをしていました。その、日蓮聖人修行の地で、何か粗相をしてしまったのかなということと、個人的な信仰上の問題にぶち当たっていたのですが、その解決法を文献、書籍に求めたのはついさいきんで、何とか整理できつつあります、と云って、それはしっかりとした作法でお墓参りをする、祖先の話しを聞く、といった行動を伴ったものになりそうですが、時間をかけて丁寧行っていこうと考えています。 また、このビーレビューという一つのシステムが、解体されるかも知れない、ということも大きく関係していたかというと、これもありそうです。全然、貢献はできていないけれども、尊敬するイエス・キリストは、この世界が終わってしまうという時期に差し掛かるまで、隠遁して暮らしていました。そして終末にさしかかった、と判断したときにあって、爆発的に伝道活動を開始したということです。稲垣足穂はこのイエスを指して「ダンディーの極致」と書いたけれども、えてして、ダンディズムが活きるのは、物事が終わるときであるという確信が私の中にありました。先の六月には、さて、やろう！と奮起していたわけです。 幻覚、妄想は、私の自宅を舞台とした、ミュージカルのようにして展開されました。その主役にあたったものは、祖先たちでした。 劇は一日続いただろうか。私は疲弊してしまいました。 又、私は自己の信仰をこころのよりどころにしていたのだけれども、日本的霊性、これはまあ神道、です。これを肌で味わう為に、じぶんにひきこむ為、また家庭、無信仰でいこうということになったので、一旦、浄土真宗という信仰を、実家、お寺に預けていたのです。ちょっと唾きし、断定しますが、こういうことはしてはいけないことだったと今、重たく思えます。 それで、神道ですね、神社に向かいましたら、昭和６２年生まれ、３６歳というのは今年八方塞り、であるということでたいへん慌てまして、すぐ五千円納めて、八方塞除き、のお祓いをしていただきました。 私の愛聴していた音源に、フィッシュマンズの「ロングシーズン」という４５分位の長尺の楽曲があるのですけれど、その後半に、鈴の煌びやかな音が挿入されています。 お祓いを受けたときに気づいたのですけれど、この煌びやかな鈴の音、というのと、お祓いの鈴の音というのはたぶん同じです。ですから、このパートというのは、たましいの澱を浄化するということを日本的に表現しているし、楽曲全部が何か宗教的なものを含んでいるのではないかと今思えるわけです。 Fishmans - Long Season (Full Album) https://www.youtube.com/watch?v=S3EKEwMXmXY&t=729s そして、フィッシュマンズのソングライターの佐藤伸治さんという方は若くして亡くなられており、その影響なのか、死、の想念がチラリチラリと浮かんでいました。 加えて、身体的に、ロックギターのひずんだ音、ディストーション・サウンドというものを身体的に受けつけなくなってきていて、デルタ・ブルースの伝説的ブルース・マン「ロバート・ジョンソン」の楽曲、これはアコースティックなサウンドですから、これをよく聞くようにしていました。 そのロバート・ジョンソンという方はいわくつきの方で、夜、ひとけのない十字路で悪魔と取引をして、非常に高度なブルースのテクニックを身につけた、と。その結果、毒殺されるわけですけれど。今、全然フィッシュマンズも、ロバート・ジョンソンも聞く気にはなれないのですけれど、何か自分に「死」へ対する自己暗示のようなものをかけてしまっていた節があったのかなと思います。 Robert Johnson- Crossroad https://www.youtube.com/watch?v=Yd60nI4sa9A 整理しますと、思想が右傾化していて、それはあの明治天皇は神じゃないのかと考えて、そしてイエス・キリスト、祖先の影響。佐藤伸治、ロバート・ジョンソンの「死」といったもの、こういったものが、精神の中でグチャグチャに、展開してパッと花開いてしまった。発症です。 妻が、病院へ診察に向かうというので、ついていったのですが、プラットホームというものが怖い。それから、車掌さんがとても優しかったのですけれど、なぜかそれも怖い。妻が診察している間、近くのスターバックスで待っていて欲しい、というので向かったのですけれど、若者たちがみんな、スマフォに目を落として何かしている。ロシアの戦争の件もありましたし、思想が右傾化していたので、非常にその若者たちの軟弱な？態度を腹立たしく思えたわけです。もう私はおっさんですけれど、戦争に巻き込まれたら私が救ってやる！といった感じで、もうわけがわからなくなっていました。 それで妻のもとへトボトボ歩いて向かっている内に精神力を消耗して、そのまま病院へ入院です。 隔離室、というのでしょうか、はっきりわからないまま今に来ているのですけれど部屋についているトイレの水も外側からしか流してもらえませんでした。それで完全な妄想なのですけれど、これは自衛隊に入隊する為のテストなんじゃないかと思いまして、必死、便を出そうとするのですけれど、精神に効く薬というのはお通じが悪くなるようで、出ない。 ずっと部屋の小窓から見える水道の蛇口から滴る水が落ちるのをｍ数えたりしていました。 悪夢もよく見まして、東京で雇って途中で止めてしまった店舗アルバイト、音楽業界だったのですけれど、一度音楽業界に入ったら、もうどこまでも追いかけてくるぞ、という妄想がありました。 そこでよくしていただいた店長と最後ラーメン屋さんに入って、ビールを飲んだこと。自衛隊に入ったらもうビールは飲めないのかな、あれから禁酒してしまったことは間違いだったのかな、とか、妄想、そして考える時間だけは沢山ありました。 一か月。勿論、妄想、悪夢、ないまぜなのですけれど、尊敬する、故中島らもという作家さんが、陰陽のタトゥーを腕に彫り込んで、「この世は、陰陽、良いことと悪いことで成立しているけれど、俺は光の方を選ぶ！」と高らか、言ったか書いていたことを思いだしまして、ちょっとその言葉を思い出さなければ危なかったかも知れないです。あと、父、母、妻、に何度も謝って泣きました。 ともかく病院の勝手がわからなくて、ころころ部屋が変わりました。それでも優等生的にとんとんと、一人部屋へ落ち着いたころには、自分の置かれている状況が、把握できるようになりました。 その頼りになったのは、稲垣足穂の「弥勒」という小説で、その小説は前編が文化的に満たされている青春時代、後半がどん底の極貧時代を扱った自伝的小説だったのですけれど、要はこの前編と後編が、私の今現在、そっくり入れ替わっているのだな、と発想したんです。 だからまず私の場合は今どん底だけれど、信念を持って生活していれば、いつか本を読み、コーヒーが飲めるときがやってくるだろうと。 そうしましたら、本当に朝食にコーヒーが出ました。嬉しかったです。それは、家族からの差し入れだったのですけれど、その一件で自分を励ましまして、あとは一人部屋に落ち着けて、売店でココナッツ・サブレを買うということもできるようになりました。テレホン・カードを買って妻へ公衆電話で電話することもできるようになりました。 ひどく痩せました。しかしじぶんの悪いものがどんどん出ていっている印象も持ちました。しかし今年の夏も暑いですけれど、入院というものは体力を奪います。 相部屋になったのですが、そこの初老の方が、病棟のフロアーをグングン歩いています。体力が落ちないようにするためですね。わたしも見習おうと思いましたが、根気が続きませんでした。 落ち着けて、浄土真宗の礼拝聖典を読みかえし、幻聴の因果を探ろうとして、それで日蓮宗徒の宮澤賢治の作品を読みました。 おもえば小学校のとき学んだ「オツベルと象」という童話ですが、過酷な環境にあっても、ともかく救いを懇願すれば物になる。ともかく、歴史上、問題は提出されつくしていますし、過酷な状況にあっても、教育されたことを熱心思い出せば、解決に至らずとも物を考えられるのではないだろうか。 昔を思い起こして、こじづけでもいいので、学んだことを活かしてゆく。こんなに教育にありがたみを覚えたことはありません。またこれからも学びつづけていこうと思います。 礼拝聖典から、宮沢賢治を読んで、それから面白いものを、ということで、今、三島由紀夫の「金閣寺」を読んでいます。未だ途中ですけれど、昭和の作品であれ、そこに語られているのは、まあ、暗黒の思想もちらほらあるのではないでしょうか。 その、反社会的であるということが懸念されるのか、現在ネットで発表されている作品というのは非常にお行儀のいいものです。小説、詩、短歌、それぞれの体はありつつも、その暗黒の思想といいますか、そういったものがもっと発露されてもいいのではないか。久々のネット環境を眺めてそういったことを考えました。それにしたって文学に「気迫」がないのかも知れません。 本日、二度目の外泊日。暑い日、妻ととおく行くのをやめて、コンビニ弁当で済ませました。それから、入院中に書き溜めていた自由律俳句を、パソコンに作ったTwitterアカウントにどんどん打ち込んでいきました。 まあ「気迫」なんて語を書きましたけれど、私も三十六歳、文学も生活をデザインする一環、として、にゅるにゅる、しかししつこく、つづけていくことでしょう。 ともかく、精神的にも思考的にも、奥まっていた「しこり」のようなものはほぐれ、流れていったようなので、安気しています。なにとなし、視野が広くなったような。まあ、普通に暮らして物を書いて、問題は起こさないでしょうけれど、じぶんの思うところ、真正面に人生にも文学にもぶつかっていこうと思います。
入院手記（鬼言（幻聴）２） ポイントセクション
作品データ
Ｐ Ｖ 数 ： 631.5
お気に入り数： 0
投票数 ： 1
ポイント数 ： 0
作成日時 2023-07-29
コメント日時 2023-08-01
| 項目 | 全期間(2024/04/29現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
お久しぶりです。前作、お体を壊されていらっしゃられたとの告白より、心配を致して居りました。 同病者故、理解の及ぶ(偉そうに申し訳ございません)箇所も数多あり。夙に強迫的妄想の厄介さ、精神力を摩耗するほどの気怠さ(これは、妄想の過敏性と対を為す症候であると思われます)には、当方も悩まされ、半ば日常化しております処も少なからずございますので、甚く心に滲みました次第でございます。 三島の文学の絢爛たる闇の様なものにつきまして、確かに現代日本の表現史がなおざりにしてきました一つの側面でもあると、思われます。 人間の暗部、或は仮面(からっぽ)であるという告白、表層のからっぽたる現代にこそ、必要な表現なのかもしれません。 三島と申しますと、美輪明宏主演演出の「黒蜥蜴」を観劇致しました事を昔ながら、よく覚えて居ります。 美学の結晶の様な台詞、脚本でございました。 美を語ることと闇を語る事は、何処かで通底をしているのかも知れません。 未だ、快復をなされていらっしゃらない体力もございます事と存じあげます。余り根を詰め過ぎずに、表現にて大いに発散をなされてくださいませ。
1お久しぶりです。暑いですけれど、元気でじぶんを活かすことができたらばいいですね。 その、このテキストに関しては、数か所、誤字がありまして 昨晩、薬を調整しつつ書き書き、したのがその大きな原因なのですけれど ともかく、最後まで読んで下さった、票も入れて下さったのでしょうか、 このテキストをWORDに写して、誤字を正して、完全なヴァージョンとして印字し 原稿が積んである場所に、乗せたのですけれど、お目汚しをしてしまい、申し訳なく思っています。 といいますか、このテキスト、一晩で５０ビューくらいされてて みなさん、レジャーとかしていないのですか？(笑) そうですね、統合失調症に関しては、今回ほんとうに詳しく話を聞いたのですが その原因は謎、という一点に尽きまして ただ脳も臓器の一つですから。脳というのが痛手なのでしょうけれど 他の臓器が悪くなった場合とこれは同じだという風に 服薬しつつ、書きに書きなぐりましたから、今、ひょうひょうとしております。 それで、Twitterの方にですね 統合失調症というのはどういう病気か？という方がいらして まあこうこうこういう病気ですね、と話しましたら なにそれ？頭がおかしくない奴なんかこの世にいんの？と返されまして 非常に、歴史的にみても不謹慎なのですけれど まあ気が楽になった、ということがありました。 まあそれでも、この病気はやっかいなのですけれども、鷹枕可様にとって あまり差しさわりがないように、習慣化していますけれども、またお祈りへ(笑) 行ってこようかなと思います。近々ですね。 そうですね、三島とあと澁澤龍彥さんと、この二人をペアで私は捉えているのですけど ちょっと私の守備範囲でこの方々の「暗黒面」への、それは文化でなく 文学なのですけれど、追随する方々が少ないような。 まあ、ビーレビューのように、一か所にそういう方々が集ってワイワイやっている 可能性もありつつ、それは鷹枕可様に期待していいのかなと思います。 その、多分鷹枕可様も、この先一生、物を書いてゆくでしょうし。 それと、加えて名前を出していいのかわからないのですけれども 室町礼様がですね、仏教に関して詩人が言及し出したら警戒した方がいい といった散文を、現代詩フォーラムに投稿されてまして あっ！と驚いたんですけれど、氏は、こちら側がやっとその土壌を勉強して 作品なりテキストにしますとですね、 さっと緊急に、詩人が取り組むべきテーマをすっと提出されることがありまして いつもうーん、と考えてしまうのですけれど（それで勉強するのですけれど） 仏教や神道に関しましては、その、無意識？のレベルで一か月間 向き合いましたし、それで、論語の「考」を持って人に接する、ということで 決着がつきましたので、その、言説はこれで最後にしようかと考えているのです。 読んでいただけたら分かると思いますけれど、テキストが非常にグラッジ（汚れ）、 ドラッギーなものになっていて、書いていて、これをあと何年もつづけるのは コリゴリだな、と思った部分があるのです。 そして本当に、今身軽なのです。 話しが逸れましたが、鷹枕可様、心身共に大切にしていただいて 冒険ですね、思考の冒険・・・幻想もいいですけれどたまに暗黒に抜き出たりしつつ ご健筆、ほんとうに体大切ですので。 なんか湿っぽいので、キースリチャーズの粋なブルース貼っておきますね。 今後とも宜しくお願い致します。 Keith Richards - Key to the Highway (Lyric Video) https://www.youtube.com/watch?v=e3ZL_Ls-lw4
1長いけど丁寧に読まさせていただきました。生きることは確かに苦しいこともあります…でもなんとか乗り越えてくださいね
1ありがとうございます。 長文で、誤字もあって本当に失礼でしたけれど・・・。 ともかく書くことができたのが救いでしたかも知れません。 まあ、膿を出しまして、今、精神的にひょうひょうとしているので良いかも知れません。 本当にありがとうございます。感謝。
0>自衛隊に入ったらもうビールは飲めないのかな 自衛隊時代に散々ビールを飲みまくっていた、牧場従業員です。 民間の方のイメージってそうなんですね。 元々いた部隊の宴会では会場のビールをすべて飲み切っていた酒豪中隊にいました。 何気に３６歳をとっくの昔に過ぎましたが、３０代は延々と牛にもまれ続けていたので３６歳だからどうこうというのもない気がします。 多分４０代も変わりませんけど。 ＞その暗黒の思想といいますか、そういったものがもっと発露されてもいいのではないか。 なるほど。下手したら炎上する時代ですので以前より表現が難しくなっているのはあるのでしょう。 ＞それにしたって文学に「気迫」がないのかも知れません。 自分に言われている様な気もしました。 また無理のない範囲で作品を投稿してほしく思います。 こういうエッセイ的、私小説的なものもビーレビューのいい刺激になりますので。
1音楽に対する拘りが感じられると共に、もっと本質的な問題と比較すると、音楽ですら人生の付属物でしかないようなニュアンスを感じました。精神の根底ですね、今では統合失調症と言う言い方すら、差別用語なのかもしれませんが、まあ、宗教ですね。イエスキリスト、浄土真宗。人生のデザイン、特にグランドデザインに対する深い考察があるような気がしました。
1車掌さんがとても優しかったのですけれど、なぜかそれも怖い。 よくわかります。
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