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作成日時 2019-04-16
コメント日時 2019-04-23

箱がある。 この箱にはたくさんの石ころが入ってる。 みんなが箱の中に石ころを入れる。 もう箱は石ころでいっぱいになっている。 この箱はなんのための箱なのか。 箱の中の石ころが言う。 この箱は宝石箱なのさ。 ほら、よくご覧、 中にダイヤモンドが入っているだろう。 輝いていない石ころだって、 本当はダイヤモンドなのさ。 だけどダイヤモンドはさ、 この箱から取り出したって、 やっぱりダイヤモンドなのさ。 そして箱の中のほかの石ころは、 箱の外でもただの石ころだ。 箱は一体なんのために作られたのだろう。 それはきっと、いつまでも 置いておくためじゃなかったはずだ。 箱の中に入っている石ころは、 いつか取り出すために入れたはずだ。 なのにいつまでも取り出されずに、 漬物石みたいに陣取ってる石がある。 その石があるから、 箱は重くて動けない。 あれは立派な石なんだ。 ダイヤモンドじゃないけれど、 あれはあれで立派な石なんだ。 箱は蓋が開いている。 いつでも石ころを入れられるように。 さあ、どうぞ、この宝石箱に入りませんか。 箱が笑顔で石ころを誘う。 箱の中の石ころは思う。 この箱の中で磨かれたら、 自分だってダイヤモンドになれるんだって。 だけどさ、だったらどうして、箱の中は こんなに石ころだらけなんだろうな。 冒険家がやってきて、 箱の中を覗き込む。 冒険家は箱の中から、 ダイヤモンドだけを取り出してゆく。 ほかの石ころなんて目もくれずに。 冒険家にとって箱は、 ただの箱でしかないのさ。 冒険家にとっての宝石箱は、 自分が持ってる宝石箱なのさ。 世界にはいろんな箱がある。 いろんな宝石箱がある。 だから世界は素晴らしい。 だから世界は美しい。 冒険家はそう言って笑う。 君は、冒険家だ。 石ころでも、ダイヤモンドでもない。 そうだろう?


項目全期間(2019/04/25現在)
叙情性0
前衛性0
可読性13
エンタメ0
技巧0
音韻0
構成0
総合ポイント13
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性3.31
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合3.31
閲覧指数:762.4
2019/04/25 21時35分14秒現在
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コメント数(6)
せいろん (2019-04-17):

はじめ、学校とか組織の中を表しているのかな、と思いました。 読者に問いかけるのもいいですね! 面白い作品でした。

哀愁亭 (2019-04-17):

せいろんさん、コメントありがとうございます! 学校とか組織ですか。そうかもしれませんね。読んでくださった方が一番ピンと来るものを当てはめてもらえばいいと思います。 ありがとうございました!

るるりら (2019-04-17):

わたしも、せいろんさん と同じく、箱とは 学校とか組織を示していると思いました。でも 読者がピンとくるものを想像させていただいて良いみたいですね。 だったら私は もうすこしだけ自由な読解を試みてみることにします。 わたしは、冒険家です。わたしは自身のことをただの小石な人間だとは思わず、かと言って立派なダイヤのような人だとも 思っていないような人です。ですが冒険をしてみます。私は宇宙を旅しています。  宇宙には 無数の星があります。様々な特性をもった星々があります。だから、宇宙は素晴らしいです。だから宇宙は美しいといって、私は笑っています。 あるとき 宇宙を旅する冒険家の私は、ダイヤモンドでできた惑星にたどり着きます。 惑星は、地球のように恒星をまわっています。地球の表面のような土や岩ではなく ほとんどがダイヤモンドなのです。ダイヤモンドが山のように存在する惑星があります。けれど、そこに人はいません。ですから 別にダイヤに高価な価値を見出す人なんて だれもいやしない。ダイヤはダイヤなのですが、冒険家がたったひとりで ダイヤを手にしても、そのダイヤを評価する人がいないのです。孤独な冒険家がたった一人の虚空でダイヤを手にしたところで 裕福になったり ダイヤの美しさをひけせかして自慢することもできません。  そのとき冒険家は きがついたのです。 自分が生まれ育ち 人類がたむろしている地球こそが、宝石を宝石にしている箱だったのです。 なんてことを妄想してました。多弁で申し訳ない気もしますが、簡素な物語風の作品なので いろいろな解釈が可能ですね。拝読できて楽しかったです。

哀愁亭 (2019-04-17):

るるりらさん、ありがとうございます! 箱は地球だ。ああ、その解釈いいですね。大好きです。思わず「それ正解!」って言いたくなりました。そんなのないのに。 こちらこそ、楽しく読ませていただきました。ありがとうございます!

ふじりゅう (2019-04-23):

拝見しました。 テーマやとらえどころがかなり良いと思いました。冒険者はダイヤモンドしか見ていない、という部分は中々面白いです。 惜しいな、と思った部分がありまして、「箱」や「この箱」という言葉が使われすぎているな、と感じたところです。印象づける効果を狙ったのかもしれませんが、タイトルも「箱」なのでここはむしろ、本文では箱と言わない方がタイトルが生きたかもしれません。

哀愁亭 (2019-04-23):

ふじりゅうさん、ありがとうございます! ほんとですね(汗)言われてみれば確かに…。ご指摘ありがとうこざいます!

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