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ノートルダム大聖堂への葬送歌   

作成日時 2019-04-16
コメント日時 2019-04-17

濛濛と、貴婦人の灰色の髪は 鳥を飾って昇天する。シメールは 鉛に息を塞がれる。(崩れ去る 尖塔の下、フロイトと ナポレオンの記憶が毀され 埋もれる。それはかつての王らが 彫像を以て示したように。(が らん、がら、んと。鳴らぬ 鐘が落ち、カジモドと エスメラルダの幻が白く 骨のように砕け散る。 黄色い春、残酷な四月 いつかの茉莉花が紫油の 高騰のなかで返り咲く。 焼け落ちる屋根に回る、赤い スカーフのように舞った血はやがて 黒く凝り、青ざめて、国旗の下 一つの時代が埋葬される。 革靴の円舞、二十二回転 命、あらためますか。歌う 封鎖された劇場のなか、私たち 舞台で観客を演じながら。


項目全期間(2019/04/25現在)
叙情性6
前衛性0
可読性1
エンタメ0
技巧1
音韻1
構成0
総合ポイント9
 平均値  中央値 
叙情性1.51
前衛性00
可読性0.30
 エンタメ00
技巧0.30
音韻0.30
構成00
総合2.32.5
閲覧指数:874.8
2019/04/25 21時20分04秒現在
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コメント数(6)
渡辺八畳@祝儀敷 (2019-04-16):

時事ネタをすばやく咀嚼し詩にするその瞬発力、詩にしそうとするその貪欲さ。私は賞賛をしたい。

沙一 (2019-04-16):

ヴィクトル・ユゴーや、T.S.エリオットの文芸作品へのオマージュが織り込まれていますね。今作を書かせたほどの強い思い入れが、おそらく作者にはあるのだと感じられました。

なゆた創a.k.a.NORANEKO (2019-04-16):

渡辺八畳さんへ まさか、氏からお褒めいただけるとは思いませんでした。無論、手放しでの賞賛ではなく、このネット詩の強みである「即時性」に対するものであることは理解していますが、それだけでも大いにやった価値がありました。ありがとうございます。 あと、B-REVIEW Ver.3.0のビジョンを描くだけでなく実現してみせた取り組みの功績は素直に尊敬しています。見事です。

なゆた創a.k.a.NORANEKO (2019-04-16):

沙一さんへ エリオットはとくに好き詩人の一人なので、よく読み返します。もちろん、“残酷な四月”と”紫油のなかで高騰する茉莉花“は『荒地』冒頭のパロディです。仕掛けた文脈にはちょっと工夫していますが。 ユゴーは恥ずかしながらきちんと読めていないのですが、『ノートルダム・ド・パリ』の哀しい結末の持つ叙情性は、大聖堂について書くうえでは参照すべきであろうと判断しました。 正直、私は今までノートルダム大聖堂にきちんと興味や関心を抱けていたわけではありませんが、事件から関連して色んな情報を取り入れて詩化する過程で、この火災が単なる歴史的建築物の損失ではなく、フランスという国家の現在に対し、きわめてシリアスに象徴的な事件だったのだと知った次第です。私自身が作品によって視点を養われた感があります。ありがとうございます。

仲程 (2019-04-17):

もっと長く、抑揚も込めて語って欲しい気がしますが、凝縮されているのでしょう。何回か読み返してみようと思います。

なゆた創a.k.a.NORANEKO (2019-04-17):

仲程さんへ コメントありがとうございます。 今回はかなりスピード重視で、情報を凝縮する手法で書きおろしたので、たしかにかなり読むうえで体力の要る作品にはなってしまったかもしれません。 一応、個々の連、行、フレーズに、再読しても味わえる要素はガッツリ詰め込みました。色々想像して楽しんでいただけたら嬉しいなー……などと思っています。ありがとうございます。

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