10月分 藤井のフル選評 「ネットの海の端くれで」 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

「中央公園より」

わかりあえなくたっていい

人種、国籍、性別、年齢、人間同士のわかりあえないディスタンス、そんなことよりも、おたがいに笑っていよう、ここはみんなの公園だから——

沙一

わたしの髪は生きているのか……

心を亡くしてしまいそうなときに

ささやかなお洒落をたのしむ、それは自分が自分であることをわすれないために、ひつようだったのかもしれない——

沙一

angel coffee?……

一瞬と、永遠

幸せなコーヒーと、降りやまない雨、好きな人といるとき、あなたならどちらを選びたいですか?

沙一

食べ物と死ぬ人

目が付いているうちに読みたまえ諸君

傑作。 目が付いているうちに読みたまえ、諸君。他に言うべきことはない。

石村利勝

別れ

余りにも挑戦的、だがそれがいい

数ある一行詩の中でも、想像力/表現力がとても高い作品。最初は(え、これだけ?)と感じることだろう。しかし、これだけ?からの作中世界の広がり方は、これだけ?発言が恥ずかしくなるほど広すぎるのだ。

ふじりゅう

ママンへ

散り際にも見えるママンの後ろ姿

無駄なくそつなく、それでいて大胆にママンに語りかける。「ママンへ」あなたはこの書き出しで何を思い、連ねますか?

stereotype2085

名残の雪

美しいと思える作品だった

美しい空間を、踏む。踏むことで、汚す。踏むことで汚す、明示のされない寂しさ。本作にとって、雪を踏む行為、それだけが個の存在の証明なのだ。

ふじりゅう

例えば鳥の教え

色が付いたばかりの映画のように

情景の転調あるいは繋がりが「色彩」を基調にして、境界をあいまいにしながら広がる。

鈴木歯車

おかあさん

史上最強のタイトル回収

本文たったの6行、造作もなく読み切れ、詩人よ。 そして再度タイトルを見返し驚愕せよ、詩人よ。

name

空なんか見てんじゃないよ

淘汰

この詩はあるタイプの詩と詩人を淘汰するべく書かれている と言えば言い過ぎか。 要注目。

stereotype2085

はずしわすれた風鈴が鳴る

やさしくせつない短歌集

かたづけられない想い出、それでもめぐりくる季節——

沙一

春風に吹かれてる

だいじょうぶだあ

《なんてこたあ ないんだよ》 天国から呼びかける声が、聴こえる。

stereotype2085

永遠の反射

名作?それともただの習作?

ただの習作なのかもしれない。が、ここには作者当人も気付いていないかもしれない、天才がいる。俺の直観は当たるんだよ。人生で二回くらいは。

石村利勝

こんにちは まっさらな世界

「まっさら」の優れた表現

あなたの世界も「まっさら」ではないかな? 「まっさら」なのに、書けますか?

南雲 安晴

imagine

パンチング。

今からリーディング界隈を、ノックアウト。

stereotype2085

はっかといちご

詩における視覚要素の決定版

いわゆる視覚詩的なものは作ろうとするとパッと見の奇抜さで満足してしまい、それを行った理由に乏しくなってしまうことが往々にある。しかし「はっかといちご」はその域を超え、結晶の造形だからそこの効果を成せている。

渡辺八畳

独言少女

いつも終電に間に合う人生生きてますか

少女の独言は胸に刺さる。というか萌える。条件があって、少女は本当に少女でなくてはならず独言は本当に独言でなくてはならない。なのでこの詩は刺さるし萌える。

石村利勝

MY 9090 OF NO……

最先端ノスタルジア

なつかしみが 超えてゆく 未来という名のノスタルジイ 

真清水るる

骸骨スフィア

プラトニックな求愛の舞踏

ほろびたゆえに、もうほろびることのない、永遠の愛。それは、幸せか、囚われか——

沙一

人魚性

海、たましいの故郷

素直さゆえに、なじめない人間のせかいにたいする、異邦のかんかく——

沙一

宇宙飛行士の解剖

死因は、孤独

二重の夜に、追い詰められた、かれは、涯のない闇のなか、吊るされた——

沙一

家庭の檄文

悲運

そこには笑顔の絶えない、家庭があった。

stereotype2085

あす

ミのシャープはファ

「ミのシャープ/響かせる笹舟にのせて/送り出してみる」って、やりますねえ。ひねりが利いてて鮮やか軽やか、清新なリリシズム。これぞ令和の”もののあはれ”じゃないですか?

石村利勝

バナナはおやつに入りますか

たもつワールド全開

これはバナナですか いいえ詩です たもつザ・ワールドです

羽田恭

TOKYO

不良天使の幻像

広大さと、小さなもの、神聖さと、世俗的なものの、コントラストに富んだミニチュア——

沙一

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10月分 藤井のフル選評 「ネットの海の端くれで」    

こんにちは。藤井です。 〈はじめに、そして戯言〉 自己表現と自己承認を詩の目的とする人は多くいるでしょう。特に詩というものはその人の内面が色濃く表れるように思います。詩を認められると自分を認められた気がするのは、そういう所があるからかもしれません。 この場所で渾身の一作を投じ、それが推薦、はたまた優良、はたまた大賞、なんらかの賞を貰った所で月が進むにつれてどんどんその[推薦:○○]の栄誉あるテキストは埋もれていきます。 しかし、自分の名前が、ネットの膨大な情報の端でキラキラと輝く様を、何度も何度もアクセスして確認する。少なくとも私の人生は、それで充分幸せかもしれません。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以下、大賞候補、優良、推薦作を記す ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 〈大賞候補〉 《コーヒーを飲もうか。》みうら(10/22) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2485 非常に迷いましたが本作を大賞候補としました。君への感情の僅かな動きや大きな揺れざまを、丁寧に、かつ大胆に捉えています。掴みずらい技術ある文と「下着」などの具体的、リアルな文、それが極めて丁寧に編み込まれた本作は素晴らしいの一言です。 〈優良〉 《遺影》渡辺八畳@祝儀敷(10/22) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2482 これぞ現代詩、と言えるでしょう。様々なサイトへ自分の遺影をあげてほしい、とする主人公の図を、未来的に捉えています。 《最低》rura(10/26) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2502 中身はよく分からない、しかしテクニカルに「最低」を書いた作品の大部分から一転して「人参を割った」の唐突っぷり。これはさらりと読んでも深く読んでも楽しめるし、技術が光る詩だ。 《夢の跡の別れ道》stereotype2085(10/2) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2385 文章の密度が濃い詩でここまで読みやすく、かつ奥深い味わいを携えたものは中々無いように思います。前半も素晴らしいのに、後半スパートをかけたような技術、内容。本作は一級品です。 〈推薦〉 《序曲》じゅう(10/23) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2488 後半のスパートっぷりは目を見張るものがあります。そのインパクトをしっかりと前半が支えている点も魅力的です。 《雑談と「ままならぬ恋の詩」》蛾兆ボルカ(10/30) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2475 恋の詩だけだと薄味な気がしますが、そこに雑談パートが加わる事によって、雑談ありきの詩、逆にやや薄い味だからこそ雑談パートの魅力を押し上げています。新しい手法のように感じました。 《罪人レプリカ》桐ヶ谷忍(10/8) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2411 主人公の狂気を如何に描くか。本作はそれに成功していると考えます。醜いものを、見ない、為に目を抉る。何と恐ろしい。 《飛び歩く現代詩の実験室》仮名吹@詩のブログ(10/1) https://www.breview.org/keijiban/index.php?id=2369 ユーモア溢れる作品です。これはセンスで持っていったような詩だ。「過疎地の村の不倫ババア」。しかし内容はユーモアだけに留まらない後半の展開もまた良いのです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 〈おわりに〉 11月なんでそろそろコタツ出します。


作成日時 2018-11-01
コメント日時 2018-11-14

10月分 藤井のフル選評 「ネットの海の端くれで」 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 16
P V 数 : 343.1
お気に入り数: 0

10月分 藤井のフル選評 「ネットの海の端くれで」 コメントセクション


コメント数(16)
じゅう (2018-11-01):

拝読しました。選出ありがとうございました! 私も、コタツに食べられっぱなしになってしまわないよう気をつけたいところです、、、!!

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仮名吹(かなぶき)@詩のブログ (2018-11-01):

ふじりゅうさん、選出ありがとうございます。そのことだけでも大変光栄に思いますが、この詩の最終連で表現しようとした、笑いを超えてもはや悲哀に近い状況に対してもしっかり評価していただけたことが非常に嬉しいです。

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ふじりゅう (2018-11-01):

じゅうさん、ありがとうございます。コメント拝見しました。 コタツは魔物ですよね。私も入ったまま眠ったりしないよう気をつけます 笑

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ふじりゅう (2018-11-01):

仮名吹さん、ありがとうございます。コメント拝見しました。 ユーモアで終わらさなかった所が素晴らしいと思いました。今月も楽しみにしております!

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みうら (2018-11-01):

ふじりゅうさん 選評ありがとうございます。 前文に感動しました。詩文になった自分のあれを意味付けするのはユキのあれではないのかもしれません。恋とかにずぶ濡れになってしまった人、その人が自分を認めて欲しいと、自分のあれを救えるのはユキだけと、そんな気持ちがみつけたyukiのJOY。。ああ、あれってこの歌にある通りだなあって、感じたら、それはとても幸せなことで。 そんなことをふじりゅうさんの前文に思いました。詩にある、あれのこと。

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ふじりゅう (2018-11-02):

みうらさん、ありがとうございます。コメント拝見しました。 これはまた難解な…という感想をまず。ユキとは結局のところどういった存在なのか、それが不明瞭でありますが、兎に角前文をお褒め頂きありがとうございます。私がもしなんらかの賞を頂けた時に10年後、20年後もニヤニヤ見続けているようなダサい大人になりたいものです。

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渡辺八畳 (2018-11-02):

確実にこのサイトで最多の優良獲得者です、ありがとうございます。

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ふじりゅう (2018-11-02):

祝儀敷さん、コメント拝見しました。ありがとうございます。 最多ですか、羨ましい、とも言えますが、それはもう間違いなく祝儀敷さんの実力によるものでしょう。今作も素晴らしいものでした。次作も期待して待っております。

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桐ヶ谷忍 (2018-11-02):

ふじりゅうさん、推薦いただきありがとうございます。ぺこり。 ちょっと気持ち悪い詩だし目をとめてくださる方もいないだろうなあと思っていたので、予想外に嬉しかったです。

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蛾兆ボルカ (2018-11-02):

ふじりゅうさん 推薦への推薦ありがとうございました。 作品へのレスでのご批評も、こちらでの選評も拝読しました。ありがとうございます。 前文の、「自己表現と自己承認を詩の目的とする人は多くいるでしょう」って、パワフルなイントロですね(^^) 私はかなり長いこと詩を書いていますが、振り返ってみれば、誰にも(一人にも、詩作能力を)認められていないと感じたことは無かったように思います。あったとしてもごく短い期間だったのではないか。 でも満足したことも無いなー。 私にとって詩作で目指すところは、掛け値なしの傑作を書くことです。 詩作する動機は、わからないか、もしかしたら存在しません。何故かわからないけど書いています。書かないということはあり得ません。 だから自己承認って言葉に出会うと、驚きがあります。 ものすごく当然に承認を求めてる自分(承認を求めるのが当たり前と思ってる自分)があり、それは詩作においてはどうでも良いこととして、ほとんど忘れているのだけど、この作品では微妙だな。 もともと後半のみの作品だったのですが、後半に自信があったのに承認を求めて前半を付け足してしまったのか、おっしゃるように前半があってはじめてそれなりな作品となれるのであり、そのことを自分で気づいていたのか、(楽しく)考え込んでます。

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rura (2018-11-02):

「最低」をご選評いただきとても嬉しく思います。ありがとうございました。

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ふじりゅう (2018-11-04):

桐ヶ谷さん、コメント拝見しました。ありがとうございます。 気持ち悪い詩、それを書ける技術もまた能力の一つだと考えています。また、私は本作を気持ち悪い詩、だけではない美しさも魅力的だと思いました。素晴らしい作品だと思います!

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ふじりゅう (2018-11-04):

ボルカさん、コメントありがとうございます。 掛け値なしの、傑作を書くこと。その言葉を真っ直ぐ言い切れる人こそが「アーティスト」「芸術家」と呼ばれる方々なのだと考えております。本作はまさに芸術家の1作であると考えております。掛け値無しの傑作、私も是非見てみたいです、次作も楽しみにしております!

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ふじりゅう (2018-11-04):

ruraさん、ありがとうございます。コメント拝見しました。 御作の技術は私の心を掴んで離しませんでした。次作も読ませて頂きます!

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stereotype2085 (2018-11-10):

ふじりゅうさん、遅まきながら「夢の跡の別れ道」を優良に選んでいただきありがとうございます。ツイッターの方でもやり取りしましたが、「ひょっとして大賞候補?」と思っていただけに少し悔しく残念な想いもします。しかし三浦さんの「コーヒーを飲もうか。」も優れていたのは事実。明日のツイキャス放送に備えて、悔しさを噛みしめつつ、コーヒーを飲もうか。そんな気分です。ありがとうございました。

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ふじりゅう (2018-11-14):

ステレオさん、こんばんは。コメントありがとうございます。返信遅くなりまして大変申し訳ございません。 ステレオさんの詩、素晴らしかったのは事実です。いやしかし、やはり最後はみうらさんに気持ちを持っていかれてしまいました。奪われてしまった、心が。 これほど素敵で素晴らしい詩を生み出したみうらさんには脱帽ですが、ステレオさんの詩もまた押し迫る素晴らしいものでした。これまた脱帽です。私もコーヒーを飲みつつ、日曜に備える所存であります。楽しみにしております。

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