羅生門が計算する機械であれば
私の打算は常に安っぽく
わざわざ航海日誌に記載する必要がない
事柄を路上で
路上で売るような人生なのだろう。
ゆえに屋根なし。
今日も やどれる蟹もいず。
太宰治を合格させる事が
私のゆいいつの夢でした
実際に私の夢には太宰が登場し
しだれた柳の枝をながめ続けているのです
詳細に。
私は川沿いを歩きながら
「蟹かな?」と思いながら
近づくと枝を眺めている太宰じゃないか
と思う という夢なのですが
いつも私は話しかけないでくれ と
願いながら通り過ぎるのです
(この時点で
私はまさか私自身は失格ではないだろう
もしくは
そんな考えも
おくびにはでていませんでした。)
それを願う時、
脳裏ですがるのは
なんらかの菩薩なのですが
毎回、どんな顔だったか
思い出せないため
毎度、モンタージュに失敗し
通り過ぎようとする時、
いつも太宰に呼び止められるのです
「ちがうんじゃあないか?」と。
そんな時
太宰は私事にも関わらず
熱心に私の菩薩の顔を組み立ててくれるのでした
こうして
太宰がくみ上げてくれるのですが
いつも天和になるのです
「死ぬのかなあ。」
あまりに神々しい牌の並びを見ながら
私たちはとてつもない人生の暗みに
足をとられてしまい
あらためて
人生はぬかるんでいて
湿気が多い街に住んでいるから
という理由だけでは説明できないような
追いつけない深淵に溶けてしまうのだな
と痛感するのです
(海が暗いよ。とてつもなく暗いんだよ。
太宰が言う。
水が液体として暗く、その集合体が海であり、
「無」か「種」だった頃に戻れたとして
いまさらどう生きていいのかわからないから
怖いのだろうよ。)
「「種」の生き方を
占い師にきいてみようか?」
「それを聞いてしまえば
また「種」としての運命をまっとうするという事で生き伸ばせるな。
と 考えそうだな。僕は。」
(神々しいからこそ剣呑なのだ。
職業安定所であなたに紹介できるのは
今はこれだけです。と言われ
渡された書類には「勇者」一択のみ
記されているだけ。
正直、疲れている。
失礼ながら、閑職がいい。)
(だから「大自然」を選択肢に入れてほしい。)
「大自然」でお願いします。
空きが出るまで待てます。
と 言えば
役所にいっさい人はいなくなり
いちどだけ、「がらん。」と
その建築物は大真面目に鳴く。
GIFT と書けば
その悲劇を納得せねばならないように
その道理は呑み込めないが
咀嚼を続けなければならない顎と舌はある。
消化はされず
(それは消化を拒むのか?
食べる物ではない、と食べる者ではないと?)
しかし最後は実物が拾い上げられないように
その概念の骨子もみつからないように
燃す 燃す 燃す。
「復讐」のように燃す。燃して
確認して 確認したかどうかも燃す。
太宰も あの夢が覚めてしまえば
朝、ぼんやりと虚しさを、
孤独を抱くのだろうか?
自分の無意識が形成した太宰は
こう言うんじゃないだろうか。
「やっぱり夢でしたか。
朝の光彩に文字が浮かばないんです。
物書きなのに。
ほら、深すぎる光彩は眩みますでしょ?
今、シナプスがちぢんだなあ、って。
地獄でしか つかないような深すぎる呼吸を
してしまいますものねえ。」
だいたい
わたくし という人間は
太宰を合格させよう と言っていたくせに
太宰と関わらないようにしていたふしがある。
人間的な、あまりにも人間的な逡巡だと
ヘッジホッグたちがプラカードを持ち
いつか自分を弁護してくれるはずだ。
「それ、僕たちのやつです。」と
ヘッジホッグたちのジレンマだと
言ってくれるはずだ。きっと。
でも
それが間に合うかどうか。
だいたい まにあわないのは
ロマンの許容が規制され過ぎで。
ドラマツルギーが常に中途半端に
ちゅうぶら、ちゅうぶら、やってっからだ。
羅生門が開いて閉じたり消えたり
上から落ちてきたりするので。
人の理解できる真実のようなものであれば
可視なもので
本当に大切なものは目に見えない。
というのは という事は
羅生も門も 「贋」なのではないか?
(見えているが とらえられない。
とらえられたりは する。
とらえられたりは する。)
あなたの心のなかにある といえば
外科手術で取り出せるだろう
と 思ってしまう
かつて
そのような手口で羅生門は
外科手術により取り出され
今も脈打つ閂は
鬼と他人をわけへだつ。
ボーイ ミーツ 鬼
ガール ミーツ 修羅
ワールド ミーツ TENHO
エンドクレジットのようである。
イントロのようでもある。
第二話 かもしれず
第三十四話のようでもある。
並べ替えを続ける指先の筋力は
凍傷を恐れるかのように おどおどしい。
「報酬系」を求める指
「報酬系」を数える指は
どこか常に「路上」でなにかを始めようとする
背中の曲がり方をしている
ゆえに ラテ欄にのる見出しとしては
地政学の観点からしても弱い。
んで
(サイズは
とどのつまり 気の持ちようだと思われ、
その場の緊急の度合いによる)
(近隣の)(手元の)(となりの山田さん横の)
なんらかの菩薩をふれば
どこからか音が鳴る
うつつの過去の未来の泡沫の現在の
反対の反対の賛成の
どちらの方角からか 音が鳴る
「叫ぶ か 鳴くか 悲鳴か うたうた。」
三千世界は 次々、つきささる石仏ぶりたいくせに
やかましく 凪ヲ、未ダ知ラズ。
概念だけが
サラウンド状に ほそだかい音を吹きす
いや、あれは風穴通る五月蝿、だ。
五月蝿だ、五月蝿。
うー、るー、さー、のー、でー、ほいっ
五月蝿が。五月蝿か。五月蝿が。五月蝿か。
ががが、がががが。
五月蝿が。五月蝿か。五月蝿が。五月蝿か。
ががが、がががが。
「本当に五月蝿かい?」
「なにいってんだい。
あんただって 失格だったんだろ?
おれは自分のついた嘘ですら
自信があるわけねえでしょうが。」
お見苦しいところでした。
すいません。
書き損じもありました。
斬り損じも、
もちろん、斬られ損じもありました。
すいません。
謝罪の「Ω」の字も知らずに
すいません。
頭を下げる運動なんて
たいしたカロリー使わないんだから
なんぼでもさげたろ。
こんな事、思ってます。
すいません。
でもこんな事でも、
枕に顔を沈めるだけ沈めて
反芻しなければ乗り越えられない明日だって
ありますのです。
すいません。
もはや、ここまで逡巡もし尽くすと
失格とか合格とか、
正直どっちでもよくなってきました。
すいません。
皆さん、
それだけが標のように生きているのに
すいません。
自分だけ、
「みちはずれ」が気持ちよくなってしまって
すいません。
最後となりましたが
お口直しに
数々の文豪たちに快楽を教授してきた
伝説のブランデーさんを呑み干した直後の
伝説のブランデーさんの大真面目な鳴き声を
お聴きください。
「からん。」
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 230.5
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2026-02-18
コメント日時 2026-02-18
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2026/02/19現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:230.5
2026/02/19 08時18分15秒現在
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この作品に取り上げられている太宰治と芥川龍之介の自死。 同じく作家の三島由紀夫との自死の違いには果たして共通するものがあったのだろうか、 と不思議にも思えるのですが、 これほどの物書きならばあなた、 あなたもサイトの在続に向けて協力すべきだろうと思われてきます。 ここのサイトにはけっこう長く在籍しておられるのでしょう。 その責務を是非担っていただきたい。 あなたの実力を認める方も多い。 話しは感想から大いに逸れますが、 わたくし眩暈に暮れ、切にそう願いますよ。
0高橋源一郎なんかが昔、近いものを書いてましたけど、似て非なるものという気もし、それが何だろうか?と考えました。 前者と比べるとマイナー志向というのか、本流とは徹底的に背を向けている形で成り立っているポエジー、、ただ、「からん。」という音がすると、まるで銀座にいるみたいだな、と。それも自由恋愛時代としての大正の。そのような立体感があるように感受しましたが、なにぶん直感的なもので、読めたというものではなく、全体を言語化するのに少し時間がかかりそうです。 大半の詩書きにとっては茶色い戦争があった時代や、ぼんやりとした不安の時代が世界の全てになっているし、かたや高校生たちはネットの世界が全てになっているが、そんな歪な閉域だけで同調圧力が作動すれば、ポイズンしかないわけですよ。そんな、狭い世界の井の中の蛙が増長しているなさけない詩人たちへ中指を立てているような気概があるような、やっぱりないような。 ほんとうはそうではない、外はあるのだ外は。芥川、太宰のとなりで小林秀雄の「感想」があり、平野謙の「さまざまな青春」があり、金子文子も魯迅や周作人もいて、プロレタリアの隆盛があり(今読んでもじつにリーダブルでレベル高い作品が多い)トーキー映画があり、ロッパがいて、満州もあって、、 また思いついたら感想書くかもしれません。
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