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バターナイフ
親元から抜け出して何を捨てられたのかな、煩わしいものを捨てる為の穴へと自分が落ちてゆき 酒に溺れるように男に溺れる生活から抜け出せない体を引きずって穴から抜け出す事を諦めた時 酒の量が増える程に男と絡む時間が増えて酒の質が悪く成る程に男の態度が悪く成ってゆく ろくに料理もしない私が…「ろくにだと料理器具も持たない奴の思考か」…イラつく イラつく 黙れ 思考の中にまで土足で踏み入ってくるアンタに作りたくないだけよ… 親元から離れた冷蔵庫の中に使わないバターとマーガリンが有る事に違和感を持たなくなったのは ろくでもない男と…「類は類を呼んでいるだけの事だろう」…ウルさい ウルさい 黙れ 私の現実逃避に泥水を差して来るアンタを追い出したいだけなのよ… 抜け出せない泥沼の様な部屋での生活で流れている時間を巻き取る行為が邪魔で鼻について仕方ない 腐敗臭を放つ心が時間を撒き戻そうとする気持ちを無くし諦めの中でも現実を示す時計の針だけは 他人事だとカチカチと現実より時々は進みがちに頻繁に遅れようが表情を変えずに回っている 二人の現実の濃度に耐えられなくて男のくせにアンタは耐えられずに部屋を出てゆく アンタが残した現実に耐えられなくて女だけれどアタイも耐え切れずに部屋を出てゆく ノブを回し押し開き出て行った同じドアからノブを回し引き二人が束の間の違う時間を持ち寄る 初恋の胸のドキドキの苦しさから逃れたくて見慣れたアタイの胸に顔を埋める卑怯なアンタと 初恋の胸のドキドキの理想を手放したくなくて泣きそうなアンタの顔を胸で受け止める食えないアタイが 理想と現実の落差を噛みしめる様に登っては落ちを繰り返し妥協点での快感に酔いしれる 安くて柔らかいマーガリンを求める男が歯ぎしりをしながら顔を歪める 安く見られたくない女は溶けだせば早い事を隠す様に頑なにバターを装う 馬鹿に成れても馬鹿にされる事に耐えられない二人の見栄は足元から溶け始めてゆき ドロドロの男と女の肉体関係で部屋を模様替えしようとする そんな二人の絡みを見下ろす白け顔の時計も自分の宿命を呪うかのように この時だけは針を動かす事を戸惑うかの様にカクカクと針を震わせている グダラ グダラ と半ば溶けながら混じり固まりつつあるバターとマーガリンの間に 名前だけで何も切れないバターナイフが振り下ろされても二人の間を切り離せるはずもなく 冷蔵庫の中の使わないバターとマーガリンのどちらかが無くなる生活が訪れる事など二人は想像すらしないけれど 二人を包む現実は注意深くユックリと進みながら止まりかけている時計の針を指で押し進めてゆくだけなのよね
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バターナイフ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 265.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2026-02-02
コメント日時 10 時間前
| 項目 | 全期間(2026/02/04現在) |
|---|---|
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


ああ、なんとゆうか日常であり、惰性であり執着であり、希望であり絶望ですかね? バターはある種の理想で、マーガリンは現実的な妥協ですかね?? で、男はマーガリンで妥協して、女はバターを求めるけど、冷蔵庫の中で結局両方とも使われなくって放置されていく でも、ある種の膿んだ関係性を日常で続ける生々しさと温度感が素晴らしいなと思いました
1こんばんは。ハイカロリーな物語ですね。バターナイフで書かれたのかしら と 頬が緩んでしまいましたが (作品として興味深い) 後日じっくり読ませて頂きます。 どこか狂気すら感じる作風は 癖になります。
1読んで貰えて嬉しいです。 バターとマーガリンで色々と思いを 巡らせて貰えて凄く嬉しく思います。 コメントして貰った様にバターとマーガリンが 使われていない事がポイントだと考えています。 存在しなくても問題ないけれど その部屋に男も女も帰って来るんですよね。 そんな不思議な空間を書いてみたく成ったんです。 何処にでもある部屋で何処にでも居そうな男女が 何かの目標に向かって生きるわけでも無い生活 そんな部屋に流れる時間と空気の中での生活に 飛び込む勇気が無い私の憧れ的なものが含まれているかもです。 そんなドロドロとした世界観をリアルに感じて貰えた上で 素晴らしいのコメントを貰えて凄く感激しています。
0読んで貰えて嬉しいです。 下書きは普通にバターナイフでなくて鉛筆で書きましたよ。 少しカロリーが高くて胸やけしましたか? タイトルを結構~迷ったんですよね。 作品の中の部屋に流れる時間と空気を感じて貰いたかったので 意味有りげなタイトルは避けました。 確かに狂気を帯びた空気を感じるけれど気に成る部屋でしょ ぼんじゅーる さんも3人目の住人として暮らしてみますか? 読み返しての感想など有りましたら コメントを書いて貰えれば嬉しく思います。
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