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キルデー
夜中の3時、敵の寝込みを襲う。 敵国が燃え、戦力グラフが立ち上がる。何度も何度も攻撃を繰り返し、戦力削って、尽きて、敵国はどこかの僻地へと飛ばされる。 炎を見る目はぼんやりしていて、画面を叩く指も感情を欠いたまま淡々としているのに、スマホの光だけが顔を照らし、睡眠不足で青白い表情を、ますます不気味に浮かび上がらせる。 画面の向こうには、私と同じように朝を迎え、生活が始まる誰か-----たぶん外国人で、言葉も、朝の匂いも違っているんだろう。 その違い、感情を余すことなく受け入れて、私は、画面を叩いている。 死者数が増えるたび、昨夜後回しにしていた家事も、今日なら全部できそうだと思う。 同盟のランキングを開き、自分の名前を探す。まだキルランキング1位ではないから、敵国損失兵士ポイントを、次々と重ねる。 夜と朝のあいだに取り残された色のまま、快感は終わらない。 1位になったら、自国に戻り、兵士訓練を始める。失った自兵を補うために。 画面を閉じると、床の隅に溜まった埃が、朝の光で浮いていた。
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キルデー ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 306.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2026-02-01
コメント日時 2026-02-02
| 項目 | 全期間(2026/02/12現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


こんばんは。 まず主人公は、夜更かしか 夜型の人間か。 ゲームであればバリア機能などあるのかもしれませんが、この主人公が眠るときには、今度は寝込みを襲われないのか 少し心配になりました。 ちゃっかりこの主人公は バリアしていそうな気もします。 >>戦力削って、尽きて、 ここは この主人公の指力、視力なんかも削られていそうで。 >>炎を見る目はぼんやりしていて、 この連が特別 生きてる表現な気がしました。 やや、ゲーム依存のような気配すら感じさせる描写で 画面を叩けば叩くほどに 自分が硝子の中へと 埋まってしまわないか。 背中が冷たくなる… と言いますか。 「死者数が増えるたび、昨夜後回しにしていた家事も、今日なら全部できそうだと思う。」 後述の連とあわせるとランキング1位など、競わせる 承認欲求のような感情 やる気(特に いやなこと 後回しにしていること)を するための動機との関係性 を 嗅ぎ取ってしまいましたが 人間に不可欠な 快───不快を 引き換えにした 快感 のようにも、感じました。 どこか ゲームをしているようで、 そうではないような 画面を叩いているのだが 人間の営みをも揶揄している 印象 わずかに受けました。
0ありがとうございます。 ご心配いただいた「バリア」についてですが、シールド(バリア)を張ると攻撃できない仕様なので、無防備のままキルを続けています。 いつ自分が襲われるかわからない、その緊張感も含めて、この時間は成立しています。 依存、という読みも否定しません。たぶん、していると思います。専業主婦としての淡々とした日常の中で、刺激の濃度が極端に低くなっているところへ、このゲームの即時的な結果と数字とランキングが、強く作用しているのだと思います。 実際、このゲームを始めてから、家事は以前よりスムーズにこなせるようになりました。「死者数が増えるたび、今日なら全部できそうだと思う」という感覚は、誇張ではなく実感に近いです。快と不快の交換、あるいは脳内報酬の噴出。ご指摘のとおり、かなり露骨な「脳汁ブッハー」状態ですね。 その高揚が夜と朝のあいだだけ許され、画面を閉じた瞬間に掃除しなければならない埃と現実が戻ってくる。埃はなんとなく殺した兵士にも似てるしとりあえず掃除したくなります。 その落差ごと書き留めておきたかった、というのがこの詩の動機でした。 深く読み取ってくださり、ありがとうございました。
0ゲームに関して詳しく無い事も有って ゲームを題材にした作品には触手が動かない方なんですが この作品から見えるゲーム世界と現実世界の境目が 自分もゲームをして居たかのように錯覚する程に入り込めました。 最後の一行が凄く心に残りました。 良い刺激を感じれた事に感謝しています。
0コメントありがとうございます。 いつも、少しカッコつけたような詩を書くんですが、普段はゲーム沼にハマっているので、書きたいことを書きたいままに書きました。ただの日記みたいになってしまったと反省していたのですが、ゲームに詳しくないとおっしゃる白い影法師さんが、入り込めた、良い刺激を感じてくださったことに救われました。 ありがとうございます。
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