満月がすっぽりおさまる湖のほとりで
僕らは持ち寄った本を燃やしながら
思い思いに踊る
最後のひとりになったら勝ちね
誰かがそう言って笑う
なんだか、聞いた事のあるルールだ
僕らには
月の光のメロディが聞こえる
闇の中に見える旋律を捉えることができる
父親でも無い人に
前歯が折れる程投げられたんだって
そんな気持ちが分かるかい
自分が身を粉にして働いても
兄弟にはいい学校を出させてやりたい
そんな人達がこの世に存在するんだって
僕らは踊る
風の手を取って、風に足を取られて
夜の形にターンする
あまりにも悲しいと人は笑うんだ
少なくとも人間のプライドを持てている間は
誰かを助けたいじゃないか
友達が自殺したって
母の日に首を吊って
それを友達が世間話の様に噂する
月の光は太陽の色をしてる
太陽は七色から出来ていて
それを吸収したり反射したりしてるんだって
その世界じゃ人は死なないんだろ
子供には親が居て
罪の概念がないんだっていう話じゃないか
僕君といると風邪を引くみたいなんだ
無性に泣きたくなって
目から水が出てくる
あの丘の上の樹は恋人たちが別れるっていう伝説の樹
告白するよりずっと現実味があるだろ
別れる時にはあそこへ呼ぶんだ、みんな
水面に妖精が立てたさざ波が打つ
こぼれた月の光を舐めに
おおかみの姿をした神様たちが空から降りてくる
良かったね
俺の友達はちゃんと子供が産めたんだ
それに俺はその意味をちゃんと分かっている
僕達が踊るのをあまりよく思わない人がいることも知ってる
僕達が踊ることをじゃない
僕達が存在することを赦せないんだ
僕達は踊る
まあ、隣に座ってた可愛い子のためとか
なんとなく出来てしまった弟分のためとか理由をつけて
燃えてしまった本に何が書いてあったのか
本当は僕達みんな知ってて
でもそれを燃やす火をくれたのがあのおおかみだって知ってる
最後の一人になったら勝ちね
そう言った彼女が疲れて草いきれに眠り始める
夜は永遠じゃないから
最後の一人になったら勝ちね
そう言った彼女が疲れて草いきれに眠り始める
夜は永遠じゃないから
踊る僕の影が彼女の白い頬に落ちる
僕はその長い睫毛を横目に盗んで
いつまでもいつまでもこの人達が幸せでありますようにと思うんだ
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 84.0
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作成日時 7 時間前
コメント日時 3 時間前
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/14現在) |
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:84.0
2025/12/14 17時58分04秒現在
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なんで「ダンス」と置かれているのだろう、なんて、 考える暇もないくらい、 冒頭から六連までの様態の動きを読めば「ダンス」 少し絵画に興味のある人ならば、 これはあの「マチス」の輪を思い浮かべることができます。が、 七連から急に内省的な告白がしばらく続き動きが止まってしまいます。 たぶんモチーフのようなものをメリハリに興したかったのでしょうが、 それならば、やはり何らかの工夫はされるべきではないかな、と、 相手を前にして一人で踊るのではない、 ~僕たちは踊る~のだから
0すごくダサいイメージが頭に浮かんで仕方ないという、特に困りもしない思考癖があるのですが 僕だか俺だか、この彼ずーっと頭の中で踊ってるんですよね 生きることってダンスなんだよ、と言いたげに マティスの絵に感動する方の感性はすごいですね マティスの絵を見るような機会に恵まれた方に、あの絵の本当の意味が理解できるものではないだろうと なんとなく素人なりにもそう感じるからです 書いている間にどうしても鬱が始まるので 動的なまま維持しようと思うともう少し時間をかけた工夫が必要なんでしょうね どうしても精神世界にまで下がっていく意識をどうやって現実に返すか ひとつずつ推敲するしかないです 最近あまりコメントにお礼をつけませんが、長くなるので省略しているだけですので ありがとうございます
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