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突然
僕らに手渡される、幾千のパズル。 色のあるもの。既に組まれたピース。 僕に手渡されたのは、 光を吸い込む、無色のピース。 凹凸もなく、ただただ、透明な。 呆然と、立ち尽くす僕の前に、 あなたは来た。 カラーペンシルと工具を携えて。 僕のピース一つ一つに、色を注ぎ、形を与えていく。 僕のパズルに、完成の道筋が見える。 夢見心地の僕の横で、君はただ、笑う。 ふと見た手元には、ボロボロのピース 窪みは傷跡のように擦り切れ、 色は、諦めのようにくすんでいる。 笑顔の彼女が抱える、その痛みと苦悩を、僕は思う。 突然の、雷鳴。 瞬く間に、無慈悲に、それは訪れる。 彼女のピースは、音もなく焼失する そして、僕のパズルも引火する 静寂。 パズルのない日々が、僕らを襲う。 それは、悲嘆。 彼女の悲嘆を前に、 僕はただ、立ち尽くす。 臆病で、卑怯な僕。 いまは、しがみつくことしかできない。 それでも、人生は続いていく。 燃え尽きた後も、パズルなき後も。 僕らは、別の道を行くかもしれない。 その道で、また出会うだろう。 僕は、あなたを孤立させない。 弱虫な僕ができること。 それは、 かつて僕を照らしたその全てを、 今度は、僕があなたに返すこと。 あなたという人生を、照らし返すこと。
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突然 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 425.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-11-13
コメント日時 2025-11-14
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


最後がいいなと思いました。 物語の構成を強く意識されている 流れを意識されているのかなと思います。 読み手を意識しすぎている気がします。 それがいいと言う人も勿論いることも織り込みです。
0パズルの比喩がとても美しく、喪失と再生の静かな 物語として読み手の揺さぶられます。 終盤の「照らし返す」がとても好きです。
0ちょっとあたまの中で操作してみました。 一連~あなたは来た。から、 終わりの連を除いて、彼女という人称を、 例えば光や虹彩とか、光源とか(その他諸々)比喩にして置いてみたらどうだろうか。 ということ。 あなたという人名は最後に取っておく。 色を示唆するように書かれてもいるので、 印象に深みは増すような気もしますけれど。僕的には、です。
0※人名でもないや、人称ですね。ごめん。
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