実現可能なことだけが実現してきたのである
中には終焉の魅惑に負けて
中には開始の魅惑に負けて
何かの終わりや始まりを告げて表現してみた者もいる
だが或る意味終わりと始まりの連続であるこの世の中で
つまり何もかもが途中で変わるこの世の中で
もしくはそういう我々の生活の中で
終わりや始まりなどというものが特別
いつだと言えるのだろう
実現可能なことだけが
実現することを永遠にやめない
そして新しそうなものごとに出会ったとき
人類はいつになく内向的になる
人類の胸中に
これまでどれだけの暗算がおこなわれ
これからも
どれだけの暗算がおこなわれてゆくのだろう
確かに夢や希望は大事だ
これがこれではないのではないかと
疑う心が治まらない
これではない
ならばどれだ
あれか
いやあれでもなさそうだ
返信不能の流動する指示が
我々のところに着いているのではなかろうか
しかしどうせ等質性を脱ぎ捨てられず
何かしらの形で実現する内容ではあると思う
作品データ
コメント数 : 8
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作成日時 2025-10-27
コメント日時 2025-11-02
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
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| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
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| 総合ポイント | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
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2025/12/05 21時14分43秒現在
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暗算の連が何か妙に印象的でした。人類の胸中にと言うフレーズも印象的で、人類と言う抽象的な表現に具体的な灯りがともったようで、この詩をあかるくしているのかもしれません。
1お読み下さりありがとうございます。 全体としての人類の胸中も、つまり内面も、いつでも夢・希望・考えを懐いています。間違いなく。 今作に書いたことはやや諦念的ですが、これもあるいは私個人の内面にある幻想かもしれません。
0実現可能である、と信じることが大切だということかと思いました。この詩の中では、かなり高度な推論が行われていると思うのですが、いちばん最後の終わり方だけ、文章が少しみだれたのが気になりました。
1嫌味な意味ではなく、昭和なスタイルです。日本は空気教という(おそらく有史以来、最大の)一神教で、本作ではそこをなんとか掬いとろうとしているという趣。つまり、神の問題を書いているといえるのかもしれない。やっぱり違うのかもしれない。
1コメントありがとうございます。 信じていればいつか実現する、決して諦めなかった者が手に入れる、これもまた真実なのですが、今作は真逆で消極的です。もともと実現不可能なことは永遠に実現を果たせないということを書きました。実現可能なことを見極め、それに集中することが大切です。誰でも一つはそういうことを持っています。詩の後尾が乱れましたか。実現することは結局もともと実現可能だった、ビフォーアフターのあいだに何の不思議も断絶も無いと見立てる、一つの仮説的幻想の詩です。
1コメントありがとうございます。 私は史学がどうも不得手なので自信のあることは書けないです。かつてパラダイムシフトとかイノベーションということを習ったものですが、ピンと来ないままです。神の問題ですか。なるほど。神や人間の存在については、私は長きにわたる等質性を見ます。偉そうなことは言えないのですが。お許しを。
0哲学詩、思索詩であろうかと思いました。思索をそのまま出すのではなくて、プロセスが、もうこれでいいと思えるまで高めて出す、そんな感じの詩だと思いました。
1再びのコメントありがとうございます。 哲学詩、思索詩と言われると、私の住む地域の小さな区図書館に見つけたニーチェ詩集の背表紙を思い浮かべます。ニーチェって詩人でもあるのですね。おそらく多くの哲学者、思想家が詩をも書く試みをしてきたと推察できます。詩というものを書かざるをえない動機があったと思われます。そして私たちも同じく。詩には議論とは別の力が具わるようです。票を下さったのでしょうか、ありがとうございました。
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