深い穴を掘っていると
バナナの皮がふりそそぐのだった
兵器のようにバナナの皮はふってきて
そんな事では
もう ころべないのにな と
なつかしく おもう
傷口からにじむのは脂や血液や
泥や薄い膜のような海水で
その中から思い出したように
暗暖色の筋肉質な前足を伸ばし
バナナの皮をまさぐった
だれかをおとしいれるために
こんなにバナナを食べたのか
だれかをおとしいれるために
バナナは胃の粘膜に無関心に
なにひとつ 畏れられることもなく
とかされていったのか
あるがままに うたをうたうことを
嘲笑され続けた風景のように。
暇なのか。穴を掘り続ける事が。
暇なのか。
あなたの 血溜まりのなか
あなたも
血を吐き続けているのではないのか。
痛みが まるで
わからないわけでは ないだろう。
まだ育ちきらない大森林を
狩りつくすためのロボットのように
首をかしげないでほしい。
まっていて、まだ まっていて
バナナの皮以外が あなたからも
あなたにも 降りそそぐのを。
まっていて、まだ まっていて
24時間が誠実に遊び尽くせるものなのだと
気づいてくれる朝を
。
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 667.5
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-24
コメント日時 2025-11-03
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:667.5
2025/12/05 20時30分44秒現在
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なぜバナナが降りそそぐのだろうか。「○○から降りそそぐ」というのは、バラエティの語法だと罰ゲームということになりますよね。 しかしいっけん軽佻な出だしとは裏腹に重厚な佇まいがあります。何故なのか、うまくいえませんが、ツェラーンなんかと比較したくなるような、なにか。重い何かが。
0いまではヤリマンになってしまったのわたし。 でもね、あの頃は怖くて痛くて逃げ出したくなって、 そう、ずいぶんと臆病者で、恋には奥手だったのよ。 と想いに耽る。 遅かった初体験の頃を思い出しているわたし。 いまではヤリマンの女。 日々セックスは欠かせない バナナを見れば、つまり中身はペニスね。 そんなセックス依存症にも近いわたしが ときどき思い出しては自慰をしてしまうのよ。 というか、 恋人との婚約を間近に控えて 遅すぎた初体験を思い出しては錯綜するのよ。 バナナの皮を見れば。 そう、これはあなたの愛情の内側。 ペニス(セックス)との関係 つまりわたしにとって、 あなたの愛情とはバナナの表皮であって欲しくないのよ。 ……んなんな、後々男を知りすぎることになる。 これは錯綜に夢想する女の異常性愛ですな。
0↑ ちょっと待って、 もう少しだけ、待ってください。 結婚で結ばれるのはこわいのよ。 *が抜けてしまいましたな。 「待合素」
0おはようございます。 それなりの「重さ」を感じるのは 軽くなりづらい素材を使ったからかもしれません。 バナナの皮、から書き始めたのは その前に、マリオカートをやっていたから だろうな、と今思えば、そんな感じでした。 どちらにせよ、バナナの皮で 攻撃力が微妙なもので つまづける瞬間と、きづかずに 踏み歩いていく時があります。 あどけない童心の喪失にあわれを感じるのか、はたまた、押し寄せる変化し続ける波がぶつかり続ける巨岩の硬さを想うのか。 他の人の感想で、視点を変える事が出来るのは、興味深いものですね。 作品、読んでいただきまして ありがとうございます。
0おはようございます。 バナナ、という素材から たしかにそういった発想もあるな、と思いました。 男性的な発想だけで、書いていくより、 そういった視点も、持ちたいな、と。 ジーンハックマンが昔、インタビューで 自分の女性的な部分を、うまくいかしていけるなら、演技に幅が出る、 というような事を言っていました。 それを思い出していました。 あと、フロイトもなんとなく。 リビドー的な解釈、なんとなく 想起しました。 作品、読んでいただきまして ありがとうございます。
0非常に強い、世界に対する愛が感じられます。バナナの皮にさえ意味を見出す人間というものが、どこまで達成できるか、希望の気持ちを抱きました。
0おはようございます。 世界に対する愛。 でかいですね。 その規模の愛というのは。 そう考えますと、描く「規模」といいますか、「スケール」というのは、 手に余ってしまうもの、では そらぞらしくなってしまうのかなあ と、ふと浮かびました。 創作は想像の外を、描くのが、挑戦していくのが、楽しいのですが、 あまりに「絵空事」が過ぎてしまえば 作り上げた空間の酸素というものの 切れ味も、心地よさもないな、と。 ふと、思いました。 作品、読んでいただきまして ありがとうございます。
1バナナやバナナの皮が印象的なのですが、タイトルを反映した、最後の行も印象的でした。最後の二行は徹夜を示唆しているのだろうかと思いました。
0バナナの皮は漫画などで、よくいたずらに使われるアイテムですが、テレビの番組でもあるのかもしれません。しかしバナナの皮が降り注ぐと言うフレーズで度肝を抜かれました。詩だからありなのかもしれませんが、ファンタジーな感じもあると思いました。
0こんばんは。 エイクピアさんの度肝を抜く日が 来るとは思いもしませんでした(笑) バナナの皮。 滑らせるために、ばらまく、それは 普通に考えても、まあ、 邪魔くさいっちゃあ、邪魔くさいですね。 作品、読んでいただきまして ありがとうございます。
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