靴を脱いで
上がり込みたくなる場所がありますか
肉体を脱いで話したい人がいますか
天の川行きの切符はまだ何枚かありますか
慌てるつもりはまるでありません
何故ならば、たどり着いた場所に
とても、よく映る鏡があったので…
※
土足で行き交う人たちの
瞳が渇いている
そのことを私は知っている
胃の薬がドライアイに効くということを
どれほどの人が知っているのでしょう
※ ※
不思議なことがたまにある
慌てるつもりはまるでありません
何故ならばたどり着いた場所に
とても、よく映る鏡があったのです
もしも
都会に帰りたくなったら
それはすぐに可能でしょう
だから明日でもいいのではないですか?
私は今、大きな池の前にいます
池の水面が世界を受け入れて映しているのです
世界のすべてを映しています
私は安心している池を見ています
※ ※ ※
今日はまるで誕生日のような夕暮れ
少しだけ寒い気がします
ほんの少しだけですが
池に映る世界に
あなたが見えました
いつものスピードで
あなたは歩いています
都会を歩くあなたの表情は
もちろん無口で
森の中の私の表情は
饒舌過ぎはしないけれども
ぽつりぽつりと
言葉を並べているのです
気がつくと
夜の静寂
映る星々は美しく
まるで卒業式のような夜
厳かで
懐かしい気分です
池の面に世界が映る
静かな
静かな
世界が映る
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 425.0
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-10-03
コメント日時 2025-10-07
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:425.0
2025/12/05 21時15分56秒現在
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土足だと粗っぽくなり、はだしだと穏やかになる、ということかなと思いました。池が象徴的にも、また効果的に使われていますね。鏡や池、映る自分とあなた。森と都会。卒業式。これからは、池のような、静かな所で、暮らすことが、人間の幸せだと、わたしも思います。そうでないと、土足でばたばた、ゆっくり寝ることもできない、最低限の幸せが守れない。どこかで間違えた現代文明も、総体的には、本当の価値を、自然な形で取り戻そうとしているのかな、と思いました。
0黒髪さん。コメントありがとうございます。拙い作品ですみません。完成度をあげて再度同様の作品を掲載出来たらと思います。作品全体をうまく捉えていただいて感謝ですm(__)m
1「今日はまるで誕生日のような夕暮れ」だなんて、なかなか新鮮な詩句ではないでしょうか。結局ジュブナイルでもなんでもないのだけど思わせぶりがじわじわ効いてくる。
0おまるたろうさん、細部まで読んでいただきありがとうございます。嬉しいです。次の作品へのモチベーションとさせていただきます!
0森に対する信頼に共感をしました。母なる森の安楽に包まれあなたを覗く。 私は湖に共感して湖湖という名前にしていますが、湖を鏡や目に見立てるのは普遍性が有りますね!
0はい。古代から恐らく湖は神聖な鏡だったと思います。諏訪湖とか。
1肉体を脱いで話すとはある意味過激ですね。そこまで胸襟開いて話せれば、成果が有るのかもしれません。鏡が重要な働きをしているアイテムだと思いました。胃の薬がドライアイに効く。とても、よく映る鏡。池の水面もある意味鏡ですね。誕生日のような夕暮れ。ここでは自分自身が鏡になったかのような感覚が有ると思いました。自分が鏡になったおかげで、それが空に逆照射されてこんな美しい夕暮れに?ちょっと誇張した解釈になりましたが、何か鏡がキーワードになると詩に厚みが生じていると思いました。
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