床に植えられた
手首は物を言わない
かつて太陽のもとに
涙を汗だろうと、くちびるを塞がれて 泣いた
午後三時のすべての、瞳に
どんな慰めが囁けるというのか
本当に教えて欲しい
そこへ組み敷かれた
手首は今も
物を言われない
あなたがめくることのないシートの裏に
人間の瞳が埋まっている
あたりまえに土になるのではなく
肥やしになるのでもない腐ることのない 痛み が
死の火口から抵抗をする
失われた皮膚も恐怖も払えないあなたには とても
同じ太陽の下
午後三時にあの陰の
頬に齧り付く
その時を待ちわびる
命を研いで真っ直ぐに突き刺す瞬間
銀色の尖った涙を
ある人間の皮膚においては
茨のような尊(たっと)い
尊厳それは
組み敷かれて尚なにひとつも
奪われはしないと
何度でも、太陽の下に 刻み込みたい 床に埋められた手首から
命を燃やして
君はなにも奪われていない
奪われていない
わたしは それだけを真実として
叫びたい
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 898.1
お気に入り数: 2
投票数 : 0
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作成日時 2025-09-30
コメント日時 2025-10-01
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:898.1
2025/12/05 20時15分56秒現在
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息の長い文章に、センスを感じます。思い込みの強くない客観的な書き方が、着実に伝わって来て、詩を読む喜びを感じます。
0おはようございます、コメントありがとうございます。 わかりやすい気持ちの熱を書くのに少し抵抗が出来てしまい、客観視モードです。 そう言って頂けると ありがたいですね。文からいろいろを感じて貰えるのが一番嬉しいです。
1シートの下に人間の瞳が埋まっているとは。奪われて居ない君。もしかしたら神の黙示録なのかもしれません。
0おはようございます コメントありがとうございます。 このシートが何のシートなのかは想像を膨らませて頂けたら 有り難いです。 奪われて居ない君、に対して叫びたい詩かもしれません
0繰り返し読み、時間を置いてまた読み返す。意識の底に暗示めいた何かが閃くようにも思え、何だろうと。その答え合わせにまた、日をおいて読んでみたいと思わせる作品です。
1こんばんは、コメントありがとうございます。 そんな風に言って頂けたら言葉達がよろこぶと思います。 あまりわかりやすさを優先していないので不親切な文ですが、読み返して貰えるような詩となるのが一番嬉しいです。
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