カーテンの隙間から
まだ来ない朝を覗いてしまうような日は
あなたとどこにでも行けそうな気がして
跳ねあがるこの気持ちが
このままゴールテープを
切るんじゃないかって思った
忘れられた星たちは
ひっそりと身を隠して
ささやく
朝を急ぐ僕の目が
何処にもたどりつけないこと
ある日の朝
僕はぬれたアスファルトの上で目が覚めた
あんなに待ち遠しかった朝が
うっとおしいほどに眩しく
歯ブラシの毛先が開いているのに
ずっと取り替えていないことを急に思い出す
そういう小さな放棄が
毎日のどこかにあることに
気づいて
僕はまた
“ひとり”よりも
“誰にも触れたくない”
を選んでしまう
朝が待ち遠しい時も
ずっと真夜中を求める時も
どちらも 僕でしかないのに
どちらの時も
あなたの表情が
すこしだけ遠くなることに
気づいている
「大丈夫だよ」ってあなたに慰められるより
「どんなあなたでも私は受けとめるからね」っていう
星の声を
また聞きたい
夜がやっと来てくれて
窓の外に
隠れていた星たちが
ちゃんと巡っていて
スイッチを押せば
この部屋はまた
あたたかくなるんだろう
そしたら星がひとつ
またひとつ
まぶたの裏に灯って
「今は押さなくていいよ」
って言ったんだ
僕はカーテンを閉めて
深い眠りにつく
朝がきて
もしまた跳ねられたら
それでも、いいのかな
跳ねられなければ
この部屋の星を
ひとつ、磨こうかな
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 718.4
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-07-26
コメント日時 2025-07-30
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:718.4
2025/12/05 18時58分13秒現在
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星とあなたを結び付けているのがいいですね。リリカルにして誠実、実に美しい詩だと思います。個性が光っています。
0ありがとうございます 個性をどこかでだせればと思っていたので嬉しいです
1こんばんは、素晴らしい表現力ですね。日常の描写も、丁寧に切り取られていて余すことなく読んで行きたくなる詩です。歯ブラシ、小さな放棄、誰にも触れたくない、触れられたくないではなく“触れたく”ない。 ラストの、 >>跳ねられなければ この部屋の星を ひとつ、磨こうかな 星を磨く、という動作に 頷きました。
1ありがとうございます。 そのようにおっしゃっていただきとても嬉しいです。 >星を磨く は、こどもに、どうして星は光ってるの?と聞かれたときになんとなくそうだったらいいと思ったので、いれてみました
1「大丈夫だよ」ってあなたに慰められるより 「どんなあなたでも私は受けとめるからね」っていう 星の声を また聞きたい こんな願望。素朴な願望で、詩的な願望ではないと思うのですが、こんな素朴さが詩を産むのかもしれません。
0ありがとうございます 詩に私情を入れるのはあまり好きではないのですが、そんなに縛りつけないで、好きにかいてみるのもたまにはいいかな、と、入れました。 ポエムポエムしてしまったかと、少し後悔していましたが、エイクピアさんにそのようにおっしゃっていただきとても嬉しいです。
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