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天使篇《僕が詩を書けば》
天使篇《僕が詩を書けば》 僕はまだ詩が書けていない 頑張って書いても詩モドキに成り下がる 自由詩だ現代詩だ物語詩だと胸を張っても 腰が引けてしまっていてはどうしようもない だから夜、気張って書きあげて ドーパミンを大量分泌して 「あ~~、僕って天才やん!」と思い そして感動して眠るのだが 翌朝に改めてその詩を読むと 頭を抱えてうんうん唸ってしまうだけである 詩人になると決心したのは中学二年生の時 カール・サンドバーグ氏作、安藤一郎氏訳の 「シカゴ」と言う詩を読んだからだ 親父の本棚からちょろまかしてきた岩波文庫 けして返さなかったシカゴ詩集 たぶん親父にはわかっていたのだろうけどな とにかく「シカゴ」を読んで感動した もちろんアホの中坊だったボクは 「シカゴ」を読んで感動できるそのコトが ボクの素晴らしい才能と信じ込んでいたのだ 若者は馬鹿者である そこらの背伸びしたアホどもと同じく 中原中也氏の詩にも感動していたが (中原中也氏の独特なオノマトペが好きだった。当然真似して書いては感動していた) 高校生になって日本語ロックの草分けだった 「はっぴいえんど」の作詞者であり演奏者の 松本隆氏や細野晴臣氏、大瀧詠一氏に (鈴木茂さんゴメンなさい!) それはそれはどエライ影響を受けたのだが ここでもまた感動を才能と勘違いしたのだ ここにね 今日の天使はいつものセーラー服でなく 大阪府立東豊中高等学校の女子の制服姿だ 天使が古いノオトを何冊も何冊もめくる あなたの書いた詩がでいっぱいのノオト ぱらぱら、ぱらぱら 結局あなたは詩モドキを書く詩人モドキだわ 悪かったな 僕は言い訳をしようとする、いや反論だ 僕は詩人モドキであるにせよ矜持がある! 詩モドキもいつか詩に昇華するかもしれない だから言う 詩は成長するかもしれんやんけ! 僕は天使の喋るのを待つコトもなく押し倒す そしてその身体に僕の詩を刻み込んでゆく 成長しないヒトねェ 上気した頬の天使だ 襟のない紺色のブレザーは遠くにやられ ジャンパースカートは腰に溜まり カッターシャツははだけて乳房が剥き出しだ 太股に零れ落ちる精液をものともせずに 天使は乳房をぷるんと震わせながら笑った 明日生きて目覚めたなら今度こそ―― 天使のおっぱいがまたぷるんとする 生きて目覚めたならば詩を書きなさいよ もちろん言うまでもない 僕は書く 書き続ける 僕は負けない 負けるワケにはいかない …………………………………………… ちなみに/大阪府立東豊中高校は、十数年前に統合廃校になっています。したがって当時の制服は、もはや存在しません。
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天使篇《僕が詩を書けば》 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 260.6
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-07-06
コメント日時 2025-07-08
項目 | 全期間(2025/07/09現在) |
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叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
カッコいいですね。驚くことは、哲学における唯一の才能です。詩を、「シカゴ」から始められた 飯干猟作さんも、素晴らしい詩人になってください。
0受け手として、いいものに感動出来た。その喜びとそう言う自分を凄いと思い込む。 まずそれが第一歩な気がします。受け手として一流でいることは誰にでも出来ることではありません。 私の父も受け手としては一流な面がありましたが、生産をやりませんでした。 そこから生産創造の階段を一つ一つ上り、見事成就した結果、超人であり天才が誕生すると私は思います。 読みやすく書けていて、日本語として流暢で、読み込んでいる人の文章。誰にでも書けるものではないと思います。
0初めまして。 一つ、お伺いしたいのです。 詩と詩もどきの、違いは何ですか?
0断言と自己戯画化を繰り返すアクロバティックな文体ですね。
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