木に実る葉のひとつひとつが、
空からの光線に照らされ、
きっと外灯よりも目線のたよりを送る。
こんな環境なら、キンモクセイも居心地がいいよ。
こんな環境なら、ソメイヨシノも居心地がいいよ。
雲一つない厚塗りの空の画用紙、
景色の相貌をたたえたビルが、
新しい暖色と寒色の絵の具を作り出すんだ。
駅に行き交う人人は波のようで、
そよやかなビル風に感情を委ねる。
わかりました。
偽暴徒が泳ぐ水族館と、
πを代表するライブハウス、
荏苒として萌芽する生端(dos dezoito)
一人称は萌芽する奈落のキワ。
屋根のないrotundaの上を、もはや指のない足裏が、
セメントと礫を漬けおいたような表面、
をθ波が歩いている。
歌壇に咲いている一輪の俳人たる赤ちゃんが喃語を嘆く。
公共交通機関は、相当懊悩して、ほうほう、構想した方法論は、のうのうと脳の装甲の構造を破って、往々にして逍遙する道徳。
言語的古窯の温度が1350語を超え、胎土は大いなる脳へと形を変える間、の不安定な陶磁器を孕んでいるような駅で啓蒙活動をする羊 ―それは莞然として二足で立ち、その豊かな眼窩の数には、人人は驚きを隠せないので、あろう、背中には手と足の丁度間くらいである器官が約65本発達しているので、皮がたくさん採れる― は生温かい2回目の羊水をかぶった、新緑に対して、象のかたちをしたじょうろで、深→浅な水をやるのだ。
一人称は、ないものねだりをしていない。
僧にはそう伝えて、こういった文言を「もういい」と思うまで唱えてもらう。
「淡水と工場排水は、遠くから見れば海になる。」
成層圏に漂う寺院から、美しいポイント・ネモを見ながら、
脳のθ波はα波に正装し、高級レストランに赴いた脳は、ディナーを嗜みつつ、δ波へと姿を変える。脳は新生児になりうるのだ。町を照らす外灯の、明るんでいる範囲が徐々に縮んでいく。水族館にある水はすべてポイント・ネモに収集されていき、ライブハウスは闌に音が終焉を迎える。
そうすれば、地球はひとつの大きな円形建築の映画館になるんだよ。
携帯の電源を切り、
録画は禁止される。
口を閉じ、
前の椅子を蹴らないように、
丁寧に脚をそろえるのだ。
映画以外、なにも見られなくなる。
地球が映画館になる前、一人称は、
私塾の道徳実験の失敗作だった。
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 784.5
お気に入り数: 0
投票数 : 4
ポイント数 : 102
作成日時 2025-05-17
コメント日時 2025-06-07
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
| 叙情性 | 10 | 10 |
| 前衛性 | 20 | 20 |
| 可読性 | 2 | 2 |
| エンタメ | 10 | 10 |
| 技巧 | 30 | 30 |
| 音韻 | 15 | 15 |
| 構成 | 15 | 15 |
| 総合ポイント | 102 | 102 |
| 平均値 | 中央値 |
| 叙情性 | 10 | 10 |
| 前衛性 | 20 | 20 |
| 可読性 | 2 | 2 |
| エンタメ | 10 | 10 |
| 技巧 | 30 | 30 |
| 音韻 | 15 | 15 |
| 構成 | 15 | 15 |
| 総合 | 102 | 102 |
閲覧指数:784.5
2025/12/05 20時52分33秒現在
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受信して、増幅させて、出力する、ということに長けておられるのかなーと…とても性能のよいヴィンテージの増幅器を使っておってんでSHOW!ところどころふんわりと泥くさいところがあって好きですねー
1ずっと、一人称の記述を追っていくと、 意味が分かりそうです。 それにしても、ことば遊びがお上手ですね。 赤ちゃんは歌壇(花壇)に咲いているので、1人ではなく1輪。 交通機関は、ほうほう、のうのう、おうおう。 文言→もういい rotunda→円形劇場 一人称。私、あたし、僕、俺。 昔の一人称。それがし、せっしゃ、おいら、わし、あっし、(時代劇のイメージ)。 映画館の映画では、一人称は、自分のことを指していると分かるが、 映画となる前は、一人称は野放しの無法地帯だった、とか…? 奔放なイメージと、それを描写する圧倒的なテクニックがあるので、 万華鏡のような本作品は、次々と形を変える。 美しい変化ではあるのだが、その分迷彩色の詩となっており、 統一されたイメージを掴むことは難しく、 そもそも統一されたイメージ自体があるかも疑問だ。 力不足なので、 私には読み解けませんでした。 ありがとうございます。
1とてもよいと思いました。ここにかいてある全てに納得してしまうような説得力のある表現、 >言語的古窯の温度が1350語を超え から始まる数字の自然な並列 時々語りかけるような表現の数やタイミングも絶妙でした
別世界から観ているような、不思議な感覚になります。世界を美しく観ている方なんだなと勝手ながら思いました。
0>言語的古窯の温度が1350語を超え、 私もここは気になっていて。 1350という数字に心当たりがあったのです。 朝ドラ「スカーレット」の中で、女性陶芸家が、 「古窯で信楽焼を焼く温度は、最高1350℃。それ以上になると割れてしまう」と言っていたのを思い出しました。 そして信楽焼は釉薬を使わないので、陶磁器は、窯だしするまで自然釉がどんな景色を描くのか分からないのだそうです。 この部分の記述は、信楽焼を想像致しました。
0これは書かれている詩の言葉を切り貼りして腑に落ちただけのはなしですが、”歌詞、詩歌、言語について。境界を滲ませながら、運動そのものを詩にしている。その観察眼。感じて書き取ること、それ自体”。その当りとすくい取りがうまいなと感じます。ぶつかるようでいて思考を滑っているようで、きちんと留めてらっしゃる。と私には見えましたが。まあ単純に空気感が好みーなんて言ってしまいたいな。理解よりまえに感覚で共鳴するような、、良さがある
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