夕焼けの跡に焦げた鳥の形
喉の鬱陶しい痛み
弾ける炭酸の飴を途中で吹き飛ばして
走っている今は
夏か冬か、朝か夜か
苛々したままロックをききゃあいいじゃん
とロックスターが言っていた
確かにそうかもしれない
でも今は苛々しているんだ
ただ黙れ
透き通る女声の響きが劈く慟哭に変わる
綺麗だ、、 、 、 、 、 、
そんなことはない
そういえば
人を殴ったことなどないと思う
別にその人が可哀想だからではない
靴紐がほどけたまま
思い出の顔を踏んづけて進む
「大丈夫?」って誰かが言った気がして
笑った。歯茎から血の味がした
信号が青でも、渡らない
赤でも、走り出さない
選ばない、ただ風になる真似だけする
公園の滑り台で膝を焼いたのは何歳だっけ
誰かの声で、心臓が少しだけ跳ねた
炭酸の粒みたいに、過去が喉を弾いて
ひとつひとつ、痛い音で爆ぜた
うん、それでも
たぶんまだ、誰も殴ってない
この世界が殴ってくるだけだから
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 818.9
お気に入り数: 1
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-05-04
コメント日時 2025-06-24
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:818.9
2025/12/05 23時19分51秒現在
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苛々したままロックを聴く。 なるほど、と思いました。 どうなんでしょう。 誰かを殴りたいのでしょうか? 確かに詩からは、 焦燥感や泣きそうな感じは伝わってまいりますが、 誰かを殴りたい感じではないです。 最終行、 >この世界が殴ってくるだけだから それなのに、誰も殴らない。 偉い!と思います。 私ならado「うっせぇわ」みたく、 だったら言葉の銃弾で、 10倍くらいにして返しますので。笑 でも、言葉の暴力も認められないのなら、 ボロカスけちょんけちょんの詩か小説を書いて、 鬱憤を晴らすと思います。 ありがとうございます。
1"でも今は苛々しているんだ ただ黙れ" "思い出の顔を踏んづけて進む" "炭酸の粒みたいに、過去が喉を弾いて ひとつひとつ、痛い音で爆ぜた" ↑このフレーズから、この作品の主人公は嫌な過去についてのフラッシュバックに苦しんでいるのかなとイメージが浮かびました。 思い出したくない過去、思い出すだけで苦しくてイライラしてしまうのかもしれませんね。 "うん、それでも たぶんまだ、誰も殴ってない この世界が殴ってくるだけだから" ↑この最後のフレーズから、フラッシュバックに苦しんでいるけれど、それを壊すことも出来ず、どうにもならない悔しさを表現しているのかなと感じました。 勝手な解釈ですみません(汗) 是非参考に(汗)
1良い詩です。とても好きです。 「綺麗だ、」の行を転機に、後半にエンジンが掛かっていくようです。 前半、炭酸の飴により喉が痛む主体と、喉を枯らす日々を送っているであろうロックスターの対比から始まりますが、その「苛々」はこっちだって負けてないぞと押し切っていきますね。 「殴る」とは。最後、「世界が殴ってくる」と締められますが、直前までの流れを見るに身体的な暴力ではない。タイトルにもある通り、「殴音」、「過去」からの「誰かの声」であり、それが内側の「喉」をひたすら殴ってくる。「喉」というのは、身体でありながら「心」と繋がっている中間的な部位のようですね。 「綺麗だ」付近で「過去」にアクセスしていきますが、ここでは「思い出」を踏んづけたり、横断歩道を青でも赤でも渡らなかったり、風になったり。「誰かの声」が反響する世界を、どうにか傷つかないように進んでいく。 その原動力はどこから来るのか。自らではなく、進まされている場合もあるかもしれませんが、語られない。ゆえに読者は自分たちの現実をちゃんと重ねていくでしょう。書くべきものを的確に分かっている方だと思いました。
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