吾、十六夜の月が最も美しいと思ふが、
それは十六夜の月には妖しさが伴ふからだ。
やや影の部分があるかないかの際どい存在が
十六夜の月には現れ、
その影あるところが妖しさを醸し出す。
一方で、満月の地平線より昇り始めた赤銅色の月も妖しいといふ人が大勢だと思ふが、
それは吾には妖しさ満載で少しばかり下品に見える。
Feministは怒り心頭だと思ふが、それに比べ、
楚楚としながらもやうやっと影の部分が解る十六夜の月は
奥床しさがこの上なく上品で
それゆゑに美しさが際立つのだ。
満月の偉容な存在感より
それよりも一歩退ひた控へめな十六夜の月にこそ
月の本質が隠されてゐるやうに思ふ。
それでは月の本質はと言へば
太陽光を全反射することなく、
夜の暗さを邪魔するどころか、
月の輝きが夜を夜として成立させる
絶妙至極な月の明るさが月の本質ではなからうか。
吾、十六夜の月の如く存在したくあり。
それは此の世に遠慮がちにちょこっと顔を出し、
さうして日常を日常として何事もないやうに生くる存在として
妖しい存在としてありたくあり。
作品データ
コメント数 : 4
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作成日時 2025-04-12
コメント日時 2025-04-13
#現代詩
#縦書き
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2025/12/05 20時19分58秒現在
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初めまして。 「いざよい」。 美しいことばですね。 「いざ、酔い」「いざ、宵」「いざ、佳い」。 どのように変化させても詩に使えそうです。 奥ゆかしいという感覚には同意します。 ありがとうございます。
0月の輝きが夜を夜として成立させる 絶妙至極な月の明るさが月の本質ではなからうか。 そうですね。
0コメントありがとうございます。「いざよひ」といふ言葉は本当に美しい言葉だと私も思ひます。レモンさんが私と多分、同じ感性の持ち主だと思ひますが、それが嬉しいです。 旧仮名遣ひで失礼します。
0コメントいつもありがとうございます。田中様の詩は私の詩とはまた違った味わひがあり、私よりは遙かに現代的ですね。私も田中様の詩には気をかけていますので、お互ひ切磋琢磨してよい詩が書けることを目指して進みたく思ひます。旧仮名遣ひで失礼します。
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