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祈り
実存の 針は振り子のように さゆうに さゆうに 揺れる。 三回叩きました、扉を。 未だに答えは返らず。 君は蝶々のように死んでいるね。 問いかける側の人生を選びました。 選んだ、というのは正しくない。 (少なくとも、主観は) けれど私はそれ以上の言葉を見つけることができない。 海が 生者を沈ませて、 死者を浮かばせると気づいたのは14才の頃です。 多感さはヴァギナより性的、とは知らず 目を細めている、お腹を抱き締めて。 右手と、左手でしか 子宮を守る術を知らないのです。 実存の針は振り子のように左右に、左右に揺れるもの。 地底から降ってきた祈りを掴まえに 君は空へと沈んでいった。 グシャ、グシャよ、君は。 問いかける側の人生を選びました。 天使になれなかった君の しみったれた鱗粉、しね!選ばない。 丸まったからだのぶよつき、 これは蛇腹、切り取り線に従って分断しましょう。 這いつくばる、這いつくばっている間、私は あなたたちを嫌いでいられますから。 言葉が、最初に、さよならを言った。 君は笑ってる。 実存の針は振り子のようにさゆうに さゆうに 揺れるものだ、と 君は蝶々のように死んでいる。 未だに答えは返らず。
作成日時 2021-02-22
コメント日時 2021-02-23
祈り ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 369.4
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 4
項目 | 全期間(2021/03/06現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 4 | 4 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
実存ってなんでしょうか? と問い返したくなりました。実存とはなんなのか、人生という語がそうであるように、この一語を掘り下げていくだけでも詩が一つ書けてしまうであろうはずなのに、便利に言葉を遣っている感が否めません。 さらに、敬体と常体が混在していて、混乱させられます。詩以前に、文章力を疑ってしまいました。あえて文体を崩しているというよりも、基本が疎かであるように見受けられます。
0なるほど。 文体よりも響きを重視しがちなので、 そこは考えが足りないのやもしれませんね。 こう 固めの発話をしたい瞬間と やわめの言葉で留めたい瞬間と それぞれがどうも合わさらず。 またお時間ありましたらお話を聞かせてくださいね。 (その際は是非、sageで)
0想像するに水死体についての詩だと思いますが、ひどい有様の死体を見たことがないのでこれも想像するしか無いのですが「私」は「君」を特別に思っていて「あなたたち」を嫌っているなぜなら、助けようと思えば助けられたのに助けなかっただから「あなたたち」を憎んでいるそう思いました。
0返信をつけるのを忘れておりました。 実存とは何か、については、 ボーヴォワール、ひいてはサルトルは「本質に先立つ」「ある、ではなく、なる」と言いますが、 ここでは単に実在と言い換えても良いのですが、 実際に存在しうること、その保証くらいの意味合いですね。 振り子のようにさゆうに揺れるもの、が 一番尊く思うのですね。 時に右手が近く、時に左手に強く あなたの傍にあるとき、 私の傍にないような。 一定の実存、安定、固定された感覚というのは例えばそれひとつで詩にできると言いますが、 実はそれひとつを問うた詩なのです。 つまらない種明かしをしなければご期待に添えない実力を恥ずかしく思いますね。
0面白い見方のように思いました。 福まるさまは他の方への解釈を見ても、言葉の元通りの見方を大切にされていて、読んでいてなるほどと思うことがあります。 水死体は、うさぎのものを見たことがあります。 そのときの「あなたたち」への憎しみを思い出しました。ありがとうございます。
0作者名が伏せられていますが、いい詩を書きますね。 生者が沈み、死者が浮かぶ。 祈りが地底から降ってきて、空へと君が沈んでゆく。 言葉が最初に、さよならを言う。 この逆さまの感覚。 定まらぬ実存、選ばずして、でも確かにある主観。 問いかけても、答えは返ってこない。 この感覚を肉づけする性的な記述、蝶々の死骸への喩託。 いい詩だと思います。
0上手いなぁ、と羨ましく感じます。 導入と終わりの、特に終わりの振り子と感情の揺れ、フェードアウトに似たような余韻になる。一行あけはあまり好きではないのですが、ここではいい感じです。 難しいのは、その前の少しきれいな少し残忍な、の混ざったようなところ。作者には必要な表現でしょうとか、もっと激しい表現だと、逆にすべて抑えた表現だとどうなるのかな、なんて考えてました。
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