史実と伝説の判別もつかぬ時代の人物の
伝記びりびり破り捨てる
轟音轟音
業突張り
朴訥な祖父母は笑みを湛えて
緘黙のぼくはドギマギと
いつまで経ってもぎこちない
一縷の望みにすがりつく
一途な少年だった
ぼくの望みとは
どこまでもわがままで
あかさたなはまやら
和音を使い果たしても
言いきれぬ
否
言い淀むほどに
ありきたりであり
有り体に言えば愛
史実と伝説の判別もつかぬ時代の人物の
伝記びりびり破り捨てる
その度に指先に伝わるもの
破れていくのに
ぼくが泣こうが喚こうが
祖父母は
静かな微笑み
びりびりと
目に
耳に
頭に
迸る
感覚という信号
if
畏怖
畏敬
いけないいけない
これは愛
パタンと
本を閉じて
忘れないように栞を挟んで
曖昧な記憶の話
伝記びりびりした日
祖父母の笑み
緘黙のぼくが剽軽に
笑ってみせたのは
意思か脳の指令か
判別のつかぬ時代の話
いけないいけない
あれは愛
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 2250.2
お気に入り数: 0
投票数 : 6
ポイント数 : 5
作成日時 2020-10-08
コメント日時 2020-10-14
#現代詩
#縦書き
#受賞作
項目 | 全期間(2024/12/10現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 3 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 3 | 3 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 5 | 5 |
閲覧指数:2250.2
2024/12/10 18時25分11秒現在
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全文は読み切れませんが(あまり理解できない)、 「伝記びりびり、それを見る祖父母の笑み、緘黙のぼく」 そんな情景を想像させられただけでもう十分と言うか、滑稽なことをする人間の裏側とか、笑うことしかできないこととか、うまく言えませんが、形容しがたいおもしろさがあります。
1読んでいただきありがとうございます! 批評文の方もじっくり読ませていただきます! 面白さを感じてもらえて嬉しいです。 ありがとうございました。
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