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Ī
おいなんだか忘れてる気がするな しょんべんもしたし 精通もすませてる 今から寝るところなんだよ なのに何を忘れてるっていうんだ? 風呂にはちゃんと入ったよ 歯も磨いた 今なら交吻だってできるのに ちりん 風鈴が窓辺にいて夜風つれこんでいる ぎし ぎし 寝返りうつたびこの床は軋むんだよ ひと ひとり 生きるのにそんなに場所はいらないって (さっきわかった) (体操 - 定規 - 夕焼け - ひらひら - いとおしがるなよ 瞑目 - 蠕動 - ノルマは - いやいや - いまだけはうちゅう いまでも - 頽落 - なつかしさ - みだされ ゆたなる夜 - くうそう - 結紮 - 扁平足の ――どこか遠くで燃えるほしぼしのこと)
Ī ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1652.6
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 9
作成日時 2020-05-21
コメント日時 2020-06-26
項目 | 全期間(2024/10/08現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 9 | 9 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 9 | 9 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
解釈なんてものにもならない勝手な想像なのですが、身近な人がいなくなったあとのがらんとしたさみしさの中にいるひとを思い浮かべました。どこをとっても良いのだけど、特に挙げるとすると《ひと ひとり》が、音でもあり意味でもあるように置かれていたところで見事だなあと思いました。もっとコメントついてほしい作品のひとつです。
1藤 一紀さん、コメントありがとうございます。とても参考になるのでありがたいです。 良いと思ってもらえてよかったです。 それぞれの連で、文体を具体的なものから抽象的なものへと3段階に意識して変えてみたのですが、やはり言及いただいている箇所を含む2連目が一番よさそうでしょうか。 藤さんは想像で読み込んで下さいましたが、その文脈的な部分もこちらから提示するのが書き手の親切であり、技術なのかもしれないと思わされました。非常に大きな気づきでした。 重ねて、ありがとうございました。
1結局ひとはひとり 自分をなぐさめている 長大な時間のあわいにただようことは 洋の東西、時代の新旧に かかわらないのでしょうね。 標題の Ī のしめす長音の「いいぃ…」。 ひとりのわたし「 I 」は どこで誰とどれくらい長くかかわったとしても 寝床に横たえる身のほとんどの時間 わたしひとりの「 I 」であり その「 I 」が IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII と 長く連綿とつながる夜のくりかえしであります。 ときにため息と安堵を混じえて無意味に 「いいいいいいいいぃぃ…」と ちいさくひとりごちたりなどして 眠りにつける夜の ほのかなしあわせのうたでもあるでしょう。
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