季節外れの人事異動 - B-REVIEW
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季節外れの人事異動    

コーヒーのこぼれた染みは 暗号を解く鍵にはならない ここから見渡せるもの全てに 名前を書いておけばよかった 私の異常な心理とは裏腹に 空にはぽっかりと 雲が浮かんでいる 娘の書いた雲のよう かと思えば あっという間に 沸き起こる 春の入道雲 2匹の鳥は羽ばたかずに すっと落ちるように 雲を突き抜ける あああ雨だ 私の指先に 咲いた一輪の花 咲いた途端に 散ってしまった カイコウズの木の下で 上司の言葉を反芻する 妻にほのめかした 要らぬ勲章 飛び出して砕け散る夢 ほとんどの破片が 水たまりに 音をたてずに浮いて沈む 僅かに舞い上がった破片が 誰かの記憶に 刻まれる 薄い赤 曖昧で醒めた海の碧 さざ波が冬の陽を 静かに反射している


作成日時 2020-02-11
コメント日時 2020-02-16
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季節外れの人事異動 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 10
P V 数 : 838.9
お気に入り数: 0
ポイント数 : 47
#テキスト
項目全期間(2020/02/25現在)投稿後10日間
叙情性1010
前衛性33
可読性11
エンタメ55
技巧1616
音韻00
構成1212
総合ポイント4747
 平均値  中央値 
叙情性1.71
前衛性0.50
可読性0.20
 エンタメ0.80
技巧2.71
音韻00
構成20
総合7.84.5
閲覧指数:838.9
2020/02/25 17時48分58秒現在
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季節外れの人事異動 コメントセクション


コメント数(10)
メンヘラクレスメンヘラクレス(2020-02-12):

タイトルから想像するかぎり寂しい詩だ。 (学生諸君には知っておいてほしいのだが、季節外れの人事異動というのは、当人に問題があったか、会社が問題に巻き込まれた結果の影響があることが多い。 どちらにせよ、当人は納得できない状況ではあるが、従わざるをえないことが常である。会社の辞令に従わない場合は、会社を辞めざるをえないのだ。) 第一連の初っぱなから謎だ。 だが好ましい謎のように感じる。 見渡すものすべてに名前を書いておけばよかった、とは… これを人事異動する人間の存在感の存続のため抵抗と読むか それとも次に続く、「娘が書いた絵のような雲」につなげる人事異動のショックでなんにでも名前を書いちゃう幼児退行している異常な心理状態の主人公と読むか 平たく言えば、人事異動に対して 根底には「納得できない。」という流れているように感じる。 想像すると人事異動する人間の「生のスケッチ」がところどころに描写してあるのが私には感じた。 そのスケッチの仕方が実はとても丁寧で、派手すぎず、的はずれでない気がする。 人事異動を食らった人間の異常な心理状態を淡々と書いているのだが、的はずれでないといえるのは、私も季節外れの人事異動をくらったひとりだからだろうか。 もちろん、そんな異常な心理状態は万人に届いたり、寄せたりすることができないものであるとおもう。 だから、(みんなにはとどきづらいのが)寂しくて そして、(読んでいるだけで人事異動なんぞ知らなくても)寂しいことを感じることができる詩だと思う。 そして、寂しいとき、 ときどきひとはひとり歌う。 この詩にも詞を歌ってる主人公の姿を感じる場面があった。 もちろん、すべて私の妄想と想像であります。 他の方はどう思うのか分かりませんが 同じリーマンとしては無視できない詩でありました。

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つつみつつみ(2020-02-13):

メンヘラクレス様 コメント頂きありがとうございます。そしてこんなに丁寧に読んでいただき光栄です。私も何故こんな寂しい詩を書いてしまったのかよくわからないのですが、不意に思いついた言葉を綴っていくうちにこの形となりました。詩全体が暗喩だらけなので、タイトルだけは何について書いたものなのか明記しました。 第一連の、「ここから見渡せるもの全てに名前を書いておけばよかった」については、自由に読んでいただきたいと思っていますが、私の想像では、メンヘラクレス様のコメントにあった、「人事異動する人間の存在感の存続のための抵抗」に近いです。自分が見渡せる範囲の部下や同僚くらいには強い存在感を持ってほしかった、もっとコミュニケーションをとっておけばよかったというような気持ちでしょうか。 人事異動を食らったときの激しい怒り、悲しみ、孤独を、できるだけ大袈裟にならぬよう、的外れにはならないよう書こうと心掛けたので、今回のメンヘラクレス様のコメントは大変励みになりました。ありがとうございました。

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ミリウェイズ (2020-02-14):

会社(人事異動などのシステム)に関してはよく分かっていませんが、それでもひどく物悲しい、寂しい思いが伝わってきます。

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せいろん (2020-02-14):

コーヒーがこぼれたのは動揺によるものなのか、など面白く読めます。 とても興味深い詩で、タイトルに力を感じます。 良いです!

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帆場 蔵人 (2020-02-14):

社会とは会社に限らず並べて理不尽なものです。 >コーヒーのこぼれた染みは >暗号を解く鍵にはならない 自分が異動になる現実を受け入れられない気持ちと同時にその理由がわからない心境が読み進めるにつれここから始まる一連目にすべてかかってくると感じる。花や雲の変遷は無常を表していると思うのだが、そこにうまく妻や娘を登場させることでひとりの人をより深く描きだしている。静かでありながら最後までピンと張り詰めて読ませるところに喩を散りばめていてもしっかりと筋が通っていると感じます。

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つつみつつみ(2020-02-14):

ミリウェイズ様 コメントありがとうございます。私もシステムの詳細を知っているわけではないのですが、誰もが生きている限り、誰にもわからない孤独をかかえることがあると思います。最初はなかなか受け止めきれなくとも、最後の海の場面では、主人公が少しずつ現実を受け止めようとしていることを、表してみました。

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つつみつつみ(2020-02-14):

せいろん様 コメントありがとうございます。コーヒーのこぼれた理由は、せいろんさんのご想像通り、思いもよらない人事異動を伝えられたときの、主人公の動揺を表しています。コーヒーこぼれた染みから目を離すことができないくらい、過去がぐるぐる頭をよぎる。何故自分がこんな目に遇ったのかを。 と、あまり作者が語るのは、読み手の想像を阻むのでよくないと思うのですが、タイトルだけ、直接的にしたことが、せいろんさんにとっては好印象だったことにほっとしました。このタイトルでいくことはとても勇気がいったので。 ありがとうございました。

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つつみつつみ(2020-02-14):

帆場 蔵人様 コメントありがとうございます。 >社会とは会社に限らず並べて理不尽なものです。 本当にそうですね。真面目に生きてても損をすることがあるし、信じてた人に裏切られたり、色々ありますね。 >自分が異動になる現実を受け入れられない気持ちと同時にその理由がわからない心境が読み進めるにつれここから始まる一連目にすべてかかってくると感じる。 そうですね。この一連目に大切なポイントを置いています。理由がわからないことの怖さって人を孤独にさせます。その動揺を表しました。 >花や雲の変遷は無常を表していると思うのだが、そこにうまく妻や娘を登場させることでひとりの人をより深く描きだしている。 こんなに悲しい気持ちなのに、娘が書いたような無邪気な雲が浮いてるなんてことは現実でもよくあるなぁと。やけにいい天気だったりとか。 カイコウズは異動先の花木のつもりで、上司に「3年頑張ればお前のポストは開けておく」なんて上司に言われたこと、信じていいのかわからないけど、涙目の妻を元気付けるためにそのことを伝えたこと、などを書いたつもりです。 あー、話しすぎてしまいました。ちょっとカッコ悪いですね。今回の詩はかなり考えました。きちんと筋が通っているなどうかについては特に。なので、帆場さんのコメントがとても嬉しかったです。ありがとございました。

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メンヘラクレスメンヘラクレス(2020-02-15):

皆様の様々な感想を読むなかで よりこの詩に近づくことができたように感じます。 僕が特にこの詩のなかで好きになった節はといえば 雲が浮かんでいる 娘の書いた雲のよう かと思えば あっという間に 沸き起こる 春の入道雲 2匹の鳥は羽ばたかずに すっと落ちるように 雲を突き抜ける この部分が特に好きです。 浮遊感。 それは爽快さと不安さ、 足のつかない状態、鳥の常時動作 答えのない異常な心理状態を 雲と鳥の落下で意図的に、詩で作り出したのだろうかと、うむむ、素晴らしいと唸っておりました。 作者のこだわりは「暗喩」にあるのだとしても、タイトルに結び付くダイレクトなイメージがひとつくらいれば可読性はより高いものになったのではないかと思いました。それは異常な心理状態にさせた物的要因のことを指しております。ですが、これはあくまでも可読性の向上、より多くの読者がこの詩をつかみやすくなるだけであって、作品の質の改善になると確信しているわけでは決してありません。 全体的に流れる異常な心理状態の描写はすごいとおもうのですが、ラストのシーンで現実を認める、折り合いをつける、おかれた環境と擦り合わせる主人公を想像することは私には難しかったです。 もちろん、意識して詩のなかで、直接的な色を指定して書いていることによってラストの詩文に変化をつけようと試みを働かせているのだとしたら、私の読みこみや想像力があまいだけなのかもしれません。たとえば「薄い赤」と「海の碧」の対比による効果など。(しかし、雲の浮かぶ空が前半に登場するため、異常な心理状態の空の青と海の碧が意図せずとして結び付く可能性があり、それが原因か分かりませんが私のちっこい脳ミソじゃ混同して最後は作者の意図するイメージををすなおに持てなかったのです。碧に対するこだわりをよみとけぬ私が悪いのかもしれません。) それはなんとなく唐突な穏やかさと肩がぶつかってしまった感じがしました。 もちろんそれは前半が不安定な環境を書き出すのに完成度が高すぎたゆえでしょうし、何度も書くように私の想像力と詩の経験の欠如によるものかもしれないのですからです。 他の読者の方は作者の意図どおりにお読みなっているかたもいらっしゃると思います。 とまぁ、えらそーに書いてみましたが ①この作品がすきなこと ②こんなうまい詩は俺ぁかけねいぜ ③これは合評のためであって、もちろん1ユーザーのひとりにすぎない私の意見に同調することはありません。 ということはどうぞご承知ください。

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つつみつつみ(2020-02-16):

メンヘラクレス様 再度コメント頂きありがとうございます。 これまでのコメント読んでくださったんですね。 雲が浮かんでいる~雲を突き抜ける までの部分は、 何度も書き直した部分だったので、 気に入って頂けたことはとても嬉しいです。 浮遊感、そうですね。まさに動揺していて足のつかない状態、 そんな気分なのに、別に雨が降っているわけでもなく、 青空にぽっかりとした雲が気持ちよさそうに浮かんでいるのを見ると、ますます孤独を感じてしまう、というような感じでしょうか。 私が「暗喩」にこだわった理由は、 「生きていくうえで、理不尽なことは多い。それは会社に限らず、 社会で生きていく上では避けられないことだ」というようなことを、「会社」に限定せず読み手に想像してもらえればいいなという気持 ちからでした。 しかし、作品全体が暗喩にみちていては、想像すら困難になるかと 思ったので、タイトルだけには「一例」を読み手に提供したという 感じです。 ラストのシーンで現実を認める、折り合いをつけるかどうか、 これは私の中での意図ではありますが、 「必ずそのように解釈してほしい!」ということではないのです。 全体的な寂しさを感じていただき、海の部分もやっぱり寂しさで 溢れている、と思っていただけることももちろんアリで、 それはそれで私は嬉しく感じます。 詩の解釈に間違いなどはないと私は考えます。 メンヘラクレス様に「読みこみや想像力があまい」 なんて感じさせてしまったのは、 私がコメントに私自身の意図を書いてしまったのが原因です。 ごめんなさい! 基本的には、作者はこの詩をここで掲載した時点で、 自分の詩からは身をひかなければならないと思っています。 できればコメントにも意図は書くべきではない。 それは読み手の想像を阻むことだからです。 しかし、少し意図を付け加えることで、読みやすくなることもあるの で、時々書かせてもらってますが、それはあくまでも「一例」です。 私の意図通りに読み手の方が想像して下さることも嬉しいのですが、 私が思い描くことのできなかった世界を想像してもらうことの方が 嬉しく感じることも多々あります。 なので、メンヘラクレス様の今回のコメントはとても光栄でした。 本当にありがとうございました。

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