フィアrデルフィアの夜に Ⅸ - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

パパの日曜日

しがない日常に飽きてしまったすべての人へ

ごく平凡な日曜日のパパが、壮大で絢爛豪華な世界へ旅立つ——

沙一

「中央公園より」

わかりあえなくたっていい

人種、国籍、性別、年齢、人間同士のわかりあえないディスタンス、そんなことよりも、おたがいに笑っていよう、ここはみんなの公園だから——

沙一

わたしの髪は生きているのか……

心を亡くしてしまいそうなときに

ささやかなお洒落をたのしむ、それは自分が自分であることをわすれないために、ひつようだったのかもしれない——

沙一

angel coffee?……

一瞬と、永遠

幸せなコーヒーと、降りやまない雨、好きな人といるとき、あなたならどちらを選びたいですか?

沙一

食べ物と死ぬ人

目が付いているうちに読みたまえ諸君

傑作。 目が付いているうちに読みたまえ、諸君。他に言うべきことはない。

石村利勝

別れ

余りにも挑戦的、だがそれがいい

数ある一行詩の中でも、想像力/表現力がとても高い作品。最初は(え、これだけ?)と感じることだろう。しかし、これだけ?からの作中世界の広がり方は、これだけ?発言が恥ずかしくなるほど広すぎるのだ。

ふじりゅう

ママンへ

散り際にも見えるママンの後ろ姿

無駄なくそつなく、それでいて大胆にママンに語りかける。「ママンへ」あなたはこの書き出しで何を思い、連ねますか?

stereotype2085

名残の雪

美しいと思える作品だった

美しい空間を、踏む。踏むことで、汚す。踏むことで汚す、明示のされない寂しさ。本作にとって、雪を踏む行為、それだけが個の存在の証明なのだ。

ふじりゅう

例えば鳥の教え

色が付いたばかりの映画のように

情景の転調あるいは繋がりが「色彩」を基調にして、境界をあいまいにしながら広がる。

鈴木歯車

おかあさん

史上最強のタイトル回収

本文たったの6行、造作もなく読み切れ、詩人よ。 そして再度タイトルを見返し驚愕せよ、詩人よ。

name

空なんか見てんじゃないよ

淘汰

この詩はあるタイプの詩と詩人を淘汰するべく書かれている と言えば言い過ぎか。 要注目。

stereotype2085

はずしわすれた風鈴が鳴る

やさしくせつない短歌集

かたづけられない想い出、それでもめぐりくる季節——

沙一

春風に吹かれてる

だいじょうぶだあ

《なんてこたあ ないんだよ》 天国から呼びかける声が、聴こえる。

stereotype2085

永遠の反射

名作?それともただの習作?

ただの習作なのかもしれない。が、ここには作者当人も気付いていないかもしれない、天才がいる。俺の直観は当たるんだよ。人生で二回くらいは。

石村利勝

こんにちは まっさらな世界

「まっさら」の優れた表現

あなたの世界も「まっさら」ではないかな? 「まっさら」なのに、書けますか?

yasu.na

imagine

パンチング。

今からリーディング界隈を、ノックアウト。

stereotype2085

はっかといちご

詩における視覚要素の決定版

いわゆる視覚詩的なものは作ろうとするとパッと見の奇抜さで満足してしまい、それを行った理由に乏しくなってしまうことが往々にある。しかし「はっかといちご」はその域を超え、結晶の造形だからそこの効果を成せている。

渡辺八畳

独言少女

いつも終電に間に合う人生生きてますか

少女の独言は胸に刺さる。というか萌える。条件があって、少女は本当に少女でなくてはならず独言は本当に独言でなくてはならない。なのでこの詩は刺さるし萌える。

石村利勝

MY 9090 OF NO……

最先端ノスタルジア

なつかしみが 超えてゆく 未来という名のノスタルジイ 

真清水るる

骸骨スフィア

プラトニックな求愛の舞踏

ほろびたゆえに、もうほろびることのない、永遠の愛。それは、幸せか、囚われか——

沙一

人魚性

海、たましいの故郷

素直さゆえに、なじめない人間のせかいにたいする、異邦のかんかく——

沙一

宇宙飛行士の解剖

死因は、孤独

二重の夜に、追い詰められた、かれは、涯のない闇のなか、吊るされた——

沙一

家庭の檄文

悲運

そこには笑顔の絶えない、家庭があった。

stereotype2085

あす

ミのシャープはファ

「ミのシャープ/響かせる笹舟にのせて/送り出してみる」って、やりますねえ。ひねりが利いてて鮮やか軽やか、清新なリリシズム。これぞ令和の”もののあはれ”じゃないですか?

石村利勝

バナナはおやつに入りますか

たもつワールド全開

これはバナナですか いいえ詩です たもつザ・ワールドです

羽田恭

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フィアrデルフィアの夜に Ⅸ    

 フィラデルフィアの夜に雪が降りました。  夜、風もなく音もなく雪が降り積もっていました。 それは真っ暗な夜を、銀色の世界に変えてしまうほど。 自動車が埋もれ、動けなくなってしまうほど。 誰かがその降りしきる雪の中を歩いて行けば、遭難してしまうほど。 雪が、静かに街を支配下に置くかのように、いつまでも降り続けていました。  真夏の灼熱といえる夜の中で。  雲のない夜空の満月が雪に灯り、街を銀色に輝かせます。 それなのに雪は、降り続ける。 一切溶けもせず。 一体どこから降っているのか、これはなんなのか。  混乱続く夜。 交通に支障がきたし、停電も起き始め、家々が重みで悲鳴を上げ始める。 何もわからず、茫然とするも、どこにも行けない人々を尻目に。  雪が降りやまない。 ただただ、しんしんと降り積もる。  朝、人々の頭がようやく目覚め始めた。 雪、本来は氷の結晶。 なのに夜の間降り続いたこれは、金属。 小さな塵に、微細な棒状の金属片が幾重にも幾重にも巻き付いた、何か。 ゴミに緻密な針金が精密なまでに巻き付いた、白銀色の雪の様なもの。  それが街全体を覆いつくした。 そしてもう一つ気づく。 ある一か所にだけ、やけに多く降り積もっていると。  そこは公園の林でした。 その降り積もった雪の様な白銀は、木々が隠れて見えなくなるほど。 何かがある。 原因となった、何かが。  重機が、スコップがずっしりとした白銀を掘り始めました。  山となって積もった無謀ともいえる膨大な量を崩し、掻き出し、地面まで掘り進む。 一人、見つかった。 永遠に眠り続ける、みすぼらしい服の。 骨となった子供。 手にしていたのは、一つの靴下。  そこに入っていたのは、紙切れ。 “Give Me White X’mas” そう書かれていただけの。 フィラデルフィアの夜に、ホワイトクリスマスがやってきていました。 溶けない雪が降りしきる、誰かが見たかったクリスマスが。 街に人々に甚大な被害を与えた、微細な針金細工が願いを叶えました。  どうやってこの事態を起こしたのかわからないまま。


作成日時 2019-10-28
コメント日時 2019-11-04

フィアrデルフィアの夜に Ⅸ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 1120.7
お気に入り数: 0
ポイント数 : 45
#テキスト
項目全期間(2020/09/19現在)投稿後10日間
叙情性99
前衛性33
可読性99
エンタメ33
技巧1313
音韻11
構成77
総合ポイント4545
 平均値  中央値 
叙情性1.81
前衛性0.61
可読性1.81
 エンタメ0.61
技巧2.61
音韻0.20
構成1.41
総合97
閲覧指数:1120.7
2020/09/19 14時10分05秒現在
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    作品に書かれた推薦文

フィアrデルフィアの夜に Ⅸ コメントセクション


コメント数(8)
AB (2019-10-30):

失礼ながら、11編、一気読みしていました。たまりません。じわじわというか、あ、と琴線に触れたもの、迫ってくるものが重層されていきます。胎児とか、花とか、声とか、本作の紙切れとか、、、

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エイクピア (2019-10-30):

ホワイトクリスマスが実現した原因。この詩の場合は因果律で考えても面白いような。骨が叙情していると思いました。単なる落ちとは思えない最後らへんのネタ晴らし。子供の節度が雪を降らしたかのような。なんにせよ、自然の摂理は人間が征服してよいものではないのかもしれませんが、確実に働いている自然の摂理が、人間を抱き込んで居る様な、とにかく年中行事の中でも特に注目度の高いイベントでの奇跡が人間を浄化すると思いました。

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羽田恭 (2019-10-31):

中程さん、こんにちは。 実は35作品にもなる連作だったりします。その最新作です。 色々な要素が入った奇妙な連作ですが。 ここにまとめました。よかったらどうぞ。 https://ncode.syosetu.com/n5588fv/ エイクピアさん、こんにちは。 浄化というのは考えていませんでしたが、そうも読めますね。 人間の摂理とも自然の摂理とも言えない、針金によるホワイトクリスマスですけど。 この雪とも言えない雪に困った人々は多そうですが、叙情的になりました。

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AB (2019-10-31):

なんと!以前、十いくつかあると書いてあるのを見たのですが、増えてますね! 落ち着いた頃に、また堪能したいと思いますね。 (無粋ながら、本作は11番目ですよね)

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帆場 蔵人@⚰ (2019-10-31):

出だしから童話のような空気が漂って前半の人のいない雪がふる光景に引き込まれました。舞台が整っていくのをみるようで、あれ針金は。。。翌朝、なんと針金が降り積もっていたなんてとひっくり返された気分でわくわくしました。針金の雪と骨の因果関係はわからない、けれど納得してしまう。ひとつの幻想が丁寧に編まれていてフィラデルフィア世界が僕のなかにまた少し拡がりました。

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羽田恭 (2019-11-01):

中程さん、再びこんにちは。 ビーレビューに投稿したのは11作品ですが、この作品でトータル35作品目になります。 気が付いたら結構な量になりました。 帆場蔵人さんm、こんにちは。 ちょっと反則気味だったかもしれませんね。今回。 それでも奇妙な幻想がいい味を出せたようです。 楽しんでくれて何よりです。

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いすき (2019-11-03):

ひとりの、または少数の人たちを起点にして感覚が広がっていく有様ならどんなものにでも読めて、街も街全体でなく一人の人の心の中に雪が降り積もるようだと読んでも必ずしもダメというわけではないかもしれない・・・・・・と思いました。寓喩ってこうやるんだ、と納得させられるものがありました。家に帰ったら「写経」したあと暗唱したいと思います。

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羽田恭 (2019-11-04):

いすきさん、こんにちは。 寓意のつもりはなかったんですが。 なるほど、そうも読めますか。 この作品を写経し暗唱するとは、いつの間に経典のようなことに! 予想外! それほど気にいってくれたのは、うれしく思います。

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