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剥き出し   

作成日時 2019-09-10
コメント日時 2019-09-11

そろりそろりと剥ごう 皮をつつつ、と剥ごう 夜を剥いで朝を剥いで 私というものが どこでもない場所で剥き出しで 死んでいる、或いは 台所で皮を剥がれた 剥き出しの野菜や肉に混じって 切り分けられ、冷凍され鍋で 煮込まれ、皿に盛られて 要らぬ皮や脂はゴミ箱や 排水管に流されていく私というわたし 俺というおれ、だれかに喰われていく 無造作に噛み砕かれ、また噛まれもせずに あらゆる場所ですべてが剥き出しに なっていく、もう夜も朝も昼もなく どこでもない場所を向いて 洗濯物に混じって剥かれた私の皮が まるで人ごとのように下がっている 庭の飛び石の間で ごろり、と無造作に なにがあろうとも赤剥けくたびれ 俺は新鮮に死んでいたいのだ


項目全期間(2019/09/16現在)
叙情性2
前衛性0
可読性1
エンタメ0
技巧0
音韻2
構成0
総合ポイント5
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性0.50.5
 エンタメ00
技巧00
音韻11
構成00
総合2.52.5
閲覧指数:335.8
2019/09/16 05時38分21秒現在
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コメント数(6)
鈴木夜道鈴木夜道 (2019-09-11):

血と脂と薬品と 供花と線香の香りに 長い長い年月を燻され 悔やみの振る舞いと 安らぎへの表情が身に染みついた 葬祭業の男の 誰にも語られることはなかった その矜持と死生観 今日も白手袋をたずさえて

stereotype2085 (2019-09-11):

んーむ。これは中々に良いですね。自己の空無感、虚無感、死んでいるという感覚が、台所の野菜や肉と同列に扱われている。それほど自身の生き死にが粗雑に扱われているところが非常に良い。 ドライであり、深刻でありながら、殺伐としていながら読むのに苦しくない。 ラスト「新鮮に死んでいたいのだ」は私とかなり同年代であろう帆場さんの言葉としては、非常に刺さる。今作品は帆場作品の中で、筆者の暗い一面を切り取ったものとしてかなり上位の作品にあたるだろうと思う。

み う ら (2019-09-11):

これは良いと思う。以前から帆場さんがおっしゃってたみうらとの詩の好みの差異。本作はみうらが好くど真ん中の抒情詩だと思う。帆場という人間がどの語句にも現れているし、帆場さんのもう一つの良さである力み無きツイート詩にある諦念もこの詩にはあると思う。もしかしたら本作は帆場さんにとっては不本意なのかもしれない。でも不本意な作品が他人にとっては良いとなるなんて、そんなものだよ。

帆場蔵人 (2019-09-11):

鈴木夜道 様 返歌、ありがとうございます。なるほど鈴木さんのなかでそんな物語が展開されたのですね。白手袋の出てくる最終行に生き様を感じます。

帆場蔵人 (2019-09-11):

stereotype2085 様 随分、昔から自分のなかにあるものがこれです。生きたいも死にたいも欲です。捨て去りたいが捨てられないもんです。どうしようもなく生きています。生きていようが死んでいようが、人間以外のものと自分の価値に対して差があると思えません。詩、ぐらいはまともに書きたい。剥き出し、さらけ出して。 コメントありがとうございます。

帆場蔵人 (2019-09-11):

みうら 様 不本意かと問われるなら、本意です。この詩は自分を書いているが余計なものは書いてない。演出しようとも思わないし、誰のコメントも付かなくてもいい詩、です。少なくとも詩を書くとき、ぼくはこうありたいという宣言のようなものです。酷評されようがゴミと言われようが多分、この詩だけは変わらないし、気にもしないだろう。馬鹿馬鹿しい口上にお付き合いくださりありがとうございます。

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