別枠表示
救わないという才能
彼女はそこにいた。 それ以上でも、それ以下でもなかった。 月に一度、言葉が交わる。 必要最低限より少し少なく、拒絶と呼ぶには静かすぎる頻度。 私はその距離を「安定」と呼ぶことにした。 崩れないからだ。少なくとも、壊れはしない。 ──あの夜も、そうだった。 消灯後の公園で一人、 星一つない曇天を眺めて黄昏る。 回線が繋がった。 私は期待していた。 とどめなく溢れる涙に、鼓動を孕んだ弱音。 沈黙が続くほど、私は自分の存在を測り直していた。 だがそこに脈動はなかった。 彼女は困っていなかった。 私がいなくても、生活は進む。課題は終わり、夜は更ける。 ご機嫌な鼻歌が途切れることもない。 沈黙は、彼女にとって作業の一部だった。 当然の結果だった。 だから私は隣にいられた。 必要とされないことは、残酷で、同時に自由だった。 それで満ち足りたのではない。 だが、足りなかったとも断言できない。 私の側には、 それを求めた形跡だけが残っていた。 砂時計の砂が音もなく落ちるように、静謐な時が刻まれていく。 木枯らしが頬を刺した。 画面はもう暗い。 私には苦痛、彼女には安定として 同時に存在する停止した構造。 手遅れに見えるのは、動かなかったからではない。 動けないと知ったまま、同じ位置に留まったからだ。 彼女のようにはなれない。 必要とされなくても揺らがない強さは、私の中にはない。 けれど、彼女に触れない距離を選んだことだけは、残った。 それは救いではないし、成長でもない。 ただの選択だ。 私は今も歩く。 何かを期待するでもなく、完全に諦めるでもなく。 足裏の、確かな重さだけを確かめながら。 彼女は今日も、どこかを照らしている。 それを思うことが、 私がまだここに留まっている理由の一つだ。
ログインしてコメントを書く
救わないという才能 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 594.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2026-02-02
コメント日時 2026-02-04
| 項目 | 全期間(2026/02/12現在) |
|---|---|
| 叙情性 | 0 |
| 前衛性 | 0 |
| 可読性 | 0 |
| エンタメ | 0 |
| 技巧 | 0 |
| 音韻 | 0 |
| 構成 | 0 |
| 総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文


救わないという選択が、 ひとつの才能に見えてしまった夜の記録です。
0本作は徹頭徹尾、説明書きの域を出ていないのではないでしょうか。また、コメント欄にご自作の解説まで加えていらっしゃる。自説が必要な程度の未熟な作品を他人はわざわざ読まないです。
0たぶん、彼女さんにとっては「救う」とか「救わない」とか考えてなくて、ただ単に一緒にいても苦痛じゃないとか、口説かれないから気が楽とかそういう次元な気がするのです。 ただ単にあなた(作中の「私」)が彼女さんに期待しすぎちゃっていただけなのかなとも思います。カウンセリングの分野ではわりとよくある現象です。人は自分の話を聞いてくれる人に好意を抱きがちだから。 まだご自身の作品に自信がないのだと見受けられますが、そのうち自信がついて回るようになります。少なくとも、キーボードの打鍵回数は裏切らないから。
0逆に救済する。される。とは自分にとってどういう意味があるのか。 ということを問いかけている作りに読める。 なのでバーチャルの存在をみつめる私も、 バーチャルに生きる彼女も、 救済など必要とされる。 または必要とする存在ではないのだ。 わたしは対象を求めてもされても孤独なのだ。 というある意味、現存在に対する意味の限界を求めた哲学的な観念を潜めている。 という。しかし、あまりにも不親切な不在感が読み手を困惑させる。 そのような作りだ。
0これは前作からの続きですね。 面白いのは(「面白い」というのは愉快という意味じゃなく インタレスティングという意味ですが) 確かに片思いの記述ではあるのですが現代社会の冷徹なシステム と重ね合わせても読めるところがあるからです。 それはどちらも「他者との契約と依存」という同じ根っこから生 えているからかも知れませんが── 前作ではカウンセラーは「救おう」として失敗しました。 この詩の電話は「必要最低限より少し少ない」頻度です。 これは、悠心が求めていた「自分を侵食しない程度の、生存確認」 といってもいいもので給与や公共料金の支払いのように、淡々と 「まだ生きているね」と確認し合うだけの関係。それこそが、 過剰な優しさに怯える彼にとっての「安定」だったのでしょう。 現代社会の冷酷さは、「お前の代わりはいくらでもいる」という 点にあり前作『硝子の檻』の悠心は、周囲から「賢い」と言われ ながらも、結局はシステムの一部としてしか扱われない孤独を 抱えていた。 書き手は彼女を唯一無二だと思っているが、彼女にとって私は 「作業の一部」に過ぎない。これはこの社会で一生懸命生きている 書き手が、システムにとって私は「納税者番号の一つ」に過ぎない のと同じです。 「私」だけが熱狂し、「相手(彼女/社会)」は至って冷静。この熱 量の非対称性こそが、恋愛詩を(わたしの中で)社会批判に変貌さ せるものの正体かもしれませんね。 必要とされないことは、残酷で、同時に自由だった この一文が、恋人の別れ際のことばにも、リストラされた労働者の 独白にも、あるいは神に見捨てられた信者の祈りにも聞こえるのは、 それが「個が全体から切り離された瞬間の普遍的な叫び」だから でしょう。 まだまだ語り尽くせないものが山盛りの一種の哲学思想小説というか 散文詩なのですが、今回も、まったく期待を裏切らない出来栄えに 感嘆しました。
0あーたねえ、もう、文学なんかに不向きなんだから そういうことにタッチできる感性が毛ほどもないのだから アラガイsのようなキチガイと同じく、 あまりアホなコメントするのは考えたほうがいいよ。 これじゃ「非加熱」という方の才能をまたひとつネット投稿界 から忌避させるいつもの結果になりかねない。 ネット投稿板を腐らせているのはきみやアラガイキチガイや もう一人の、カウセリングのカの字も知らない人たちのせいです。 それをだれかのせいにして切り抜けることはもう出来ないよ。 あのCWSとかう薄暗い裸電球の下の暗がりに退散してはどうですか。
0完備くん、↑この鼻息の荒い息臭い読みを笑ってあげてください。 誰も相手にしてくれないので、生きながらえることに必死だ。笑
0CWSの花緒に手揉みして頭をペコペコ下げて 入会よろしくと卑屈なほど卑下してビーレビを クソミソに扱っていたアラガイsさん、CWS の初投稿にイイネもコメントもつかないのは何故?笑 花緒に嫌われているのは、いつもなら入会者に返事が あるのにいまだ沈黙されているのは何故かな。笑 花緒氏はあんたに来てほしくないのだよ。そりゃ当たり前だ。 だれだって嫌がる。ここならあんたのように詩が読めなくても 相手にされるからここに執着するのだろうけど、それなら ビーレビをクソミソに他所でいうなよ。わかりましたね。
0詩的なブリリアント感は皆無ですけど、自己流でレッドオーシャンをど真ん中をいってる気概は買いたい。
0おまえ、確かにCWSの代表には歓迎されてないかもだ。しか~しBレビの悪口?いつ言った? 悪口を言うのはおまえのお家芸だろ? 棚に上げるな。土下座してろ。
0