新天地に馴染みつつある 朝方
バイト終わりの自転車カゴに
一匹の白トンボが ピタリ
幼いそいつは 警戒を知らんらしい
近くの木にたむろする子んとうが
シャワシャワじゃれとる中で
のんきな顔して 一服
八月あたまの午前九時
シオカラトンボとクマんゼミ
気づいてまった
心の奥の 未だ染み込まぬカンバスは
八月あたまの黄昏時
アキアカネとヒグラシたち
分かってもた
そいつらが墨をはじいとう
「夏はもう半分だ」と 目覚まし
カナカナの輪唱を飛ぶ赤い群れ
村におった頃は 起こしてくれたんに
お前らが別荘で 羽根伸ばしとるもんで
おれはまだ 文月の眠りの中
一匹の白トンボ
ちと休んで あっさり飛んでった
おれだけか
短い針 動かせんまんまは
作品データ
コメント数 : 10
P V 数 : 1049.8
お気に入り数: 1
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-08-10
コメント日時 2025-09-03
#現代詩
#縦書き
| 項目 | 全期間(2025/12/05現在) | 投稿後10日間 |
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| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1049.8
2025/12/05 20時16分02秒現在
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方言で味のある語りですね。自然を眺める目線はよくあるけど、良いものですね。
1ずいぶん長い間、アキアカネを見ていないです。短い針が動くには、なかなか時間がかかりますよね。
1今の時代、赤とんぼはあまり見る機会がないかもしれませんね。地元では、夏から秋にかけてうじゃうじゃ出たものですが。 「短い針」のニュアンスも、伝わったようで嬉しいです!
1方言、自然、夏、懐古。けっこうありがちな取り合わせにはなりますが、ただのエモではないリアルさを感じ取っていただけたなら嬉しいです。
1こんばんは、 >>おれだけか >>短い針 動かせんまんまは このラストがぐっと来ました。 非常に独自性がある詩だと感じます。意図的に目で追いたくなる文の流れです。
0ありがとうございます。 目で追いたくなる、そう言っていただけて嬉しいです。 まだまだ詩について分からないことだらけですが、一作ずつ愛を込めて綴っていきたいです。
0一昔の田舎のドラマを観ているような風景ですね。 方言交じりの表現も味わい深いポイントです★
0ありがとうございます。 「あのころ」といいますか、懐かしさなど感じていただけたでしょうか。方言も、自分にとって愛着のあるものなので、気に入っていただけて嬉しいです!
1牧歌的でもあり都会的でもあり、自由な蜻蛉と孤独を感じる短針のイメージで作品全体を興味深く味わいました。ありがとうございます
1コメントありがとうございます。 詩の世界観に浸り、じっくりと楽しんでいただけたようで嬉しいです。
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